あなたのキャリアに本当にタトゥは必要か?
ある日、浴槽に浸かるおじいさんの肩から胸にかけて、立派だったであろう彫り物が入っているのを見つけました。
過去形なのは、ご高齢で身体の皮膚が緩んでおり、若い頃の張りつめた体型でないので、身体の絵柄も弛んでいたからです。
決まりに沿って、退出をお願いするとそのご老人は僕にこう話しかけて来られました
”こんな老人に、もうそんな事言わんでもええやろ、わしが何をするってゆうねん、何もでけへんし、せえへんは”
なるほど、このおじいさんの言葉にちょっと複雑な気持ちになりました。
このかたが、修羅の道を生き抜いた人なのか、堅気ではあるが、男気のある世界で生きてこられた人なのかは知りません。
この老人の人生を振り返って、体の彫り物が勲章なのか、そうでないのかも分かりません。
ただ、彫り物のある人を時折見つけては、お願いをするときに、いつも感じることがあるのです
隠さなければならないタトゥの悲哀
今までに何度が触れてきた、全身に彫り込んだ入れ墨は主に業界の方の話でした。
今は、一般の方でもオシャレでワンポイントのタトゥを入れている人も結構おられます。
タトゥと入れ墨は区別すべきだという声はよく聞きます。反社会勢力に属する人をお断りするのが目的なら、ファッションとしてのタトゥを拒絶する理由は目的と乖離している、そんな声があることも解っています。
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