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回避性愛着スタイルは不安型にみえるときがある|すぐに答えを求めたがるのは学童期・思春期の特性

不安型と回避型の愛着スタイル、それらと回避性と依存性のパーソナリティ障害との関係。これらについては、ときどき質問を受けます。今日はそれを整理してみました。

20代女性です。幼少期に親から手放しで愛されてこなかったという自覚があります。そして、親や友だち、パートナーに対して、少し怖いと思ってしまいます。
さて、岡田先生の「愛着障害」の本を読んで、私は不安型愛着スタイルだと思っていました。しかし、カウンセラーには回避型愛着スタイルだと言われています。その理由がよくわかりませんでした。岡田先生の「パーソナリティ障害 いかに接しどう克服するか」を読んで、それが腑に落ちました。自分は回避性パーソナリティ障害の傾向にあるのでしょう。
一方で、依存性パーソナリティ障害に関しての岡田先生の指摘▼も、今の自分そのものだと思いました。

「依存性パーソナリティ障害の人は、すぐに答えを求めたがる。「結局、どうしたらいいの?」と、正解を欲しがるのである。その路線に乗って、答えを教えてあげ始めると、自分で答えを考えることを次第にやめてしまい、何か困ったことがあると、すぐ答えを他人に頼るようになってしまう。」

高間しのぶの質問箱より

※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■愛着スタイル

質問者さんは、幼少期から安心した愛情の中で育まれてこなかった、そして「親や友だち、パートナーに対して、少し怖い」という感情があります。これだけでは断定できませんが、広く人間関係に恐怖を覚えているところから愛着障害かもしれませんね。すると、愛着スタイルは回避型になります。

不安型と回避型の愛着スタイルについては、ソレアの記事にたくさんあります。
まず、下記を参考にしてください。

【事実!】愛着の4パターン/4スタイルを詳細検討|虐待は連鎖しない

  • 回避型愛着スタイルは【愛着障害】の人の特徴です。

  • 不安型愛着スタイルは見捨てられ不安がベースにある【愛着不全】の人の特徴です。

ここで注意してほしいのは、誰でも思春期(20代半ばまで)は愛着不全のような振舞いをするということです。ですから、愛着障害の人であっても若いうち(思春期)は、不安定型愛着スタイルのように見える場合があります。見捨てられ不安のようなものを感じている時期です。

愛着障害の人の青春期を、高間用語では「かりそめの思春期」と呼んでいます▼

思春期を迎えた愛着障害の子どもの恋愛観|親密を避けるため秒速で結婚する

質問者さんのカウンセラーは、質問者さんを「回避型」の愛着スタイルといっているのは、質問者さんがまだ20代なので、かりそめの思春期を生きていて、表面上は「不安型」に見えるけれど、実際は「回避型」だよと言いたかったのかもしれません。

■パーソナリティ障害

パーソナリティ障害については慎重に考える必要があります。なぜならパーソナリティ障害は、消滅していく流れにあるからです。結論としては、わざわざ消滅していくものを考える必要もないということです。しかし、それでは雑な回答なので、少し詳しく解説します。

下の記事は、パーソナリティ障害が現在の10分類(DSM-5)から6分類(DSM-5 Section III)へ、そして将来的には1つに統合されていくかもしれないことが書かれています▼

さよなら、パーソナリティ障害|人格障害のゆくえ|10→6→1

◇回避性パーソナリティ障害

質問者さんが回避型の愛着スタイルであっても、それが(回避性)パーソナリティ障害であるとは断定はできません。

なぜなら回避型パーソナリティ障害と診断される特徴は、さまざまな病態に見られるものだからです。ですから、回避性パーソナリティ障害という見立てはせず、各精神疾患の一部として治療されていくべきでしょう。

あくまでも愛着スタイルで考えるのがいいでしょう。

◇依存性パーソナリティ障害

こちらも依存性パーソナリティ障害と診断される特徴は、さまざまな病態に見られるものです。ですから、依存性パーソナリティ障害という見立てはせず、各精神疾患の一部として治療されていくべきでしょう。

質問者さんは、岡田先生の「すぐに答えをもとめたがる」という部分を引用して、「だから私は依存性パーソナリティ障害かも」と結論づけています。しかしこの「答えをすぐに求める人々」とは、学童期・思春期の人々です。正解がないと落ち着かない人々です。

質問者さんは思春期の終わりの頃ですので、依存傾向がまだ強く残っているのかもしれません。依存性パーソナリティ障害であると結論づける必要はないでしょう。

■まとめ

  • 愛着障害の人は回避性愛着スタイルだが、若いうちは「かりそめの思春期」によって不安型愛着スタイルに見える場合がある。

  • 回避性パーソナリティ障害も依存性パーソナリティ障害も、消滅していく運命にある。

  • すぐに答えを求めたがる人々は、依存性パーソナリティ障害というより、精神的に学童期・思春期の人々である。

□インターネットアーカイブ|ラジオおやすみカフェ

今日のラジオおやすみカフェのテーマは…サイト修復見込み。詳細はラジオをお聴きください。

■他の助けを求めるのもいいでしょう

あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。

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