相談者がカウンセラーにぶつける怒りとは?|スーパービジョンを受けよう
このイラストの男の子が相談者としたら、隣の犬はカウンセラーです。男の子が怒って横を向くと、犬が動揺して反対側を向く。相談者の怒りにカウンセラーが翻弄(ほんろう)されている姿を描いたイラストですね笑
【お返事】今回は、専門家向けの内容になります。カウンセラーでない人は軽く聴き流してください。カウンセラーの人は、自分のカウンセリングはどうかな…と思い返しながらお読みください。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■怒りは信頼感のあらわれ
怒りをぶつけてくる、あるいは怒りを静かに語る場合は、カウンセラーとの信頼感が出来上がっているでしょう。それに特別な対処はありません。そのままカウンセリングを進めましょう。カウンセラーへの怒りを受容していましょう。
なぜなら、信頼感の現れである怒りは、それを受容することでさらに深い信頼感に至る可能性があるからです。
また、感情を感じることができなかった、感情をガマンして表現してこなかった人にとって、カウンセラー相手にそれを表現できたというのは、相談者にとっては「人生で初めて」のことかもしれません。そのように「人生で初めて」体験をカウンセリングの場で話される人は多いです。ならば、その初めて体験を十分に味わってもらえる最高の時間になるでしょう。
そして、怒りというものは扱いがやっかいなものです。そのやっかいなものを誰かに表現することは、日常生活をリスクの高いものにします。それをカウンセラーで練習していると思えば、その練習相手になってあげることです。
■不平・不満はカウンセリングへの不満がありそう
ただ、怒りではなく、不平・不満をぶつけてくる場合もあります。その場合は、信頼感がまだ作れていない場合か、その回のカウンセリングがうまくいかなかった場合です。カウンセラーは自分のカウンセリング過程を反芻(はんすう)して、カウンセリングを立て直してください。自分で立て直しができない場合はスーパービジョンを受けましょう。
不平を言われるときは、カウンセラー側の問題が指摘されているということです。
例えば、カウンセラーがカウンセリングを焦って進めているときなどは、対応が硬直化します。なぜ焦っているのかを考える好機を与えられたと思っていいでしょう。
このカウンセラーの態度は「逆転移」とも言われます。カウンセラーに向けられた相談者の感情に対して、カウンセラーが相談者に向ける感情のことです。そしてこの感情は陰性感情のことが多い。どうして自分が逆転移しているのかを検討する好機です。それが分かれば、次の回のカウンセリングや他のカウンセリングに活かすことができるでしょう。つまり「立て直す」わけですね。
■相談者の感情がよく分からないとき
怒りか不平・不満かどっちか分からない場合は、まだカウンセラーとしては途上であるかもしれないので、他へリファーしたほうがいいかもしれません。
なぜなら、カウンセリング過程というものは、相手の感情の流れをずっと追い続けていくものだからです。そのためには相談者の話す事柄の奥に潜む感情をずっとキャッチしつづける必要があるからです。それが難しいのであれば、カウンセラーとしては未熟と言わざるを得ません。
また、相談者の感情がよく分からないとき、あるいはその感情が相談者にとって重要であると、カウンセラーが感じたときは、「そう思ったとき、どんな気持ちでした?」と聴くことも有効です。その問いが、相談者の気づきを促進させる可能性もあります。よく分からなかった感情が言語化することで姿を現す可能性もあります。この気づきは相談者を前へ押し進めます。昨日の私のtweetをご紹介しておきますね▼
■相談者の怒りが怖いとき
カウンセラー側で相談者の怒りが怖いと感じるときは、カウンセラー自身が問題を抱えている場合が少なくありません。その問題をまず解決することが必要でしょう。
しかし、カウンセリングを途中で放り出して自分の治療に当たるなんて無責任なことはできませんので、自分の治療をしつつ、カウンセリングを継続することになります。これはどういうことかというと、自分のカウンセリングをするのではなく、自分のスーパービジョンをするということになります。
このニュアンス分かりますかね。
自分のカウンセリングとは、自分の生育歴や日常を振り返って、どのような気持ちで生きてきたかを探ることに特化した、いわゆる「普通の」カウンセリングです。
自分のスーパービジョンとは、自分のカウンセリング事例を振り返りながら、自分の対応を微細にチェックする中で、どうして自分がそういう対応をしているのかを探っていく、つまり事例検討と平行しながら自分のカウンセリングも行っていく、いわゆる一石二鳥な行動です。
■まとめ
相談者からのカウンセラーへの怒りは信頼のあらわれ
相談者からのカウンセラーへの不平は、カウンセラーの焦りがあるかも。スーパービジョンを受けよう。
相談者の感情が分からないときはリファーする、あるいは相談者に尋ねてみる
□夏の終わりに…|ラジオおやすみカフェ
今日のラジオおやすみカフェのテーマは…2022年の夏も終盤です。夏の終わりにひとり旅でもどうぞ。詳細はラジオをお聴きください。
小さな海岸の町(真鶴)
タイムスリップしたような場所(浅野)
■他の助けを求めるのもいいでしょう
あなたが怒りの問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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