自己肯定感の低い人に絶対的に足りていないものは健全な自己愛体験
自己肯定感というものは高めるものではありません。それは毎日生活していく中で自然と時間をかけて高まっていくものです。幼少期から10年、20年かけて高まっていくものなのです。
20年!自己肯定感が低い人にとっては、その途方もない時間に立ち往生する人もいるでしょう。そんな人は毎日の生活を改善していくことです。瞬間に自己肯定感が高まる方法など存在しません。すべてはその「あきらめ」から出発します。さらに言うなら、あきらめの向こうにある「かなしみ」があなたを助けていくでしょう。つまりは感情の話に収まっていきます。考え方を変えるなどの思考の話ではありません。
ほろ苦いかなしみに到達すれば、あなたの人生の歯車は正常に動きだすでしょう。そこまでくれば、錆びてストップしていた自己愛の成長も始動し始めるでしょう。
自己肯定感とは自分を愛することです。これは簡単なようで難しいことです。今回は私のtweetを参考にしながら、自己肯定感と健全な自己愛について解説します。
※今回の記事については概要をコンパクトにまとめてラジオでも話しています▼
■自己愛体験3つのポイント
自己肯定感を高めるためというよりも、自己肯定感が高まるための生活の指針を3つご紹介します。
✅自己肯定感が高まる生活、その➊毎日、自分を喜ばせる体験をする
ぐっすり眠る
美味しいものを食べる
tweetでもあるように十分な睡眠と美味しいものを食べること、これが人間の3大幸福の2つです。この2つですが、公衆衛生や栄養学に囚われる必要はありません。
昼夜逆転していてもいいので好きなだけ、好きな時間に眠ること。
身体に悪そうなジャンクフードでもいいので、真夜中に食べてもいいので、好きなものを食べたい時間に食べること。
この2つはひとりでできますが、あと1つは相手が要ります。それは何かというと、
他人に共感してもらうこと
これを3大幸福といいます。このことを知ったのは、高橋和巳先生の著書「消えたい」のカバーの折り込み部にあった解説です。この幸福は愛着障害の人びとの幸福として紹介されていますが、限定する必要もなく、多くの人が幸福だと思うことにもつながります。
共感が幸福に必要なのは、最近の「「満足度・生活の質に関する調査」にも表れています。令和元年の内閣府・政策統括官のレポートによると、社会とのつながりが満足度が強くなります。
✅自己肯定感が高まる生活、その➋自己愛が育つと孤独が味方になる
孤独って皆さん、嫌ですか?孤独と孤立とをごっちゃにして考えると、それは嫌かもしれません。でも、だいたいみなさんが嫌なのは「孤立」のほうだと思います。つまりハブられると嫌ですよね。これは自分だけ仲間外れ、孤立させられる状態です。
いじめの集団無視も、加害者側の集団戦略ですね。
それに比べて孤独とは自分の心地いい時間や状態にひとりで向き合っている状態です。孤独とは気持ちのいい状態なのです。
そして自己愛は自分を喜ばすことでした。気持ちのいい状態になれます。これは自己愛と孤独は接近したものであることを示しています。ひとりになって、寒い夜にウイスキーを楽しむ。これは健全な自己愛に浸っている状態です。孤独な自分を幸せだと思う瞬間です。
✅自己肯定感が高まる生活、その➌自分が満たされると他人にやさしくなる(怒りを自然にコントロールしている)
みなさんもちょっと考えてみてください。
ホームレスの喜ぶものを聞いて買い与えればよかったのか。
ホームレスを無視して通り過ぎればよかったのか。
たぶん、上のどちらにしてもどこかしらこころにストレスが残るでしょう。ではそんなストレスの残らない方法があるのでしょうか。
答えは、数本自分で満足するまで食べて、残りをホームレスに与えればよかったということです。つまり自分が満たされていれば他人がどんな行動を取ろうとやさしくなれるのです。
お腹がいっぱいなら、それ以上食べることに執着はないので、こちらがしてあげた親切を仇で返されたとしてもそれほど堪(こた)えないのです。
自己愛の問題のある人は怒りの問題が大きい人ともいえます。その怒りは「分かってくれない」人に対しての怒りだったりします。ですから治療では、分かってもらえた体験を重ねることが必要といえるでしょう。
その切り札となるのがカウンセラーとの良い関係性です。これが健全な自己愛体験になっていきます。
次は自己愛がどのように発達していくのかをざっと見てみましょう。
■自己愛の発達
自己愛を考えるときに最適なものがコフートの自己愛の発達モデルです。自己愛は次のように3段階を経て発達していきます。
◇自己愛発達モデル
①自体愛
指やくちびる、性器など、自分の体の一部を愛すること
②未熟な自己愛
ひたすら自分だけを愛する段階。幼児が母親に対してわがまま放題のことをやっている段階です。
③成熟した自己愛(自己愛の高度な形態)
自分が愛されたいために相手のことを大事にして愛情を注ぐ大人の段階。
「自分が愛されたいために」にひっかかるかもしれませんね。これは見返りを求めている行動なのでいけないことと思う人もいるのではないでしょうか。そんな完璧な思考ではこの社会をやっていくのは難しくなります。汚れのない純真なものを求めているようで、実はそこには融通の効かなさがあります。
自分が満たされていない状態で相手を満たそうとすると必ずそこには怒りの片りんが生まれます。関係性が崩れていくきっかけをつくります。まず、自分が満たされていること。これはさきほどのバナナの話を思い浮かべてください。
◇自己愛の修復
自己愛の修復は、この②未熟な自己愛から③成熟した自己愛に育て直すことを通して行われます。ここで最も重要な態度は【積極的な共感】です。
あなたはすごい
あなたは間違っていない
こころの底から共感すること。これをカウンセラーが親の代わりにやっていくことです。子ども時代に親にやってもらえなかったことを親の代わりにやっていく。これを続けていくと②から③へステップアップできます。
コフートはカウンセリングが終わると、患者をお茶に誘ったといいます。フロイトに知られたら「逆転移!」と激しく叱責されることでしょう。実際他の流派の精神分析家からも非難されていたようですが、彼は自分の理論を信じて疑いませんでした。なぜなら、そのやり方で症状が確実に良くなっていくことを体験していたからです。
症例主義は自分の自信の源になります。真摯に向き合うほどに症例はさまざまなことを教えてくれるのは、心理臨床家なら誰でも経験していることでしょう。
◇親から親友へ
当初コフート理論では、「親の代わり」というスタンスが重要でした。そのため母性(鏡自己対象)と父性(理想化自己対象)を意識して、患者に関わっていました。これはある意味、普通の精神分析とほぼ同じです。
しかし彼は晩年、親友(双子自己対象)という概念を提案します。自己愛を成熟させるには、親の代わりになるだけでは限界があることに悩んでいたのです。この限界を突破するために提案されたものが双子です。よく似たもの同士です。
双子が提案されたのはコフートが亡くなる直前でしたので、この概念はさほど深まっていないように見えますが、自己愛の臨床をしていると、この双子の重要性に幾度も気づかされます。私は精神分析はしませんが、コフートの双子に日々助けてもらっています。ソレアの記事も参照ください。
▶【愛着の治癒】自分の色がないカメレオンが見つけた安全基地の作り方|双子自己対象という生き方
■他の助けを求めるのもいいでしょう
あなたが愛着の問題を抱えている場合は、自分の物語を十分に話せる臨床心理士などの専門家に相談するとよいでしょう。もし、いまのカウンセラーがいまいちと感じるのなら、別のカウンセラーを探しましょう。あなたにとって良いカウンセラーはあなたの一生の財産になります。あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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