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詩(ポエム)の作品集

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(練習ではない)心が何かを感じて書いた詩を集めました。
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記事一覧

詩『粉雪ザウルス』

『粉雪ザウルス』

 針で刺すよな冷たい寒さ
 空も隠れる巨大な恐竜
 粉雪ザウルス
 白い羽毛の、それでも赤ちゃん

 ママを知らない氷の涙
 パパにあこがれ強風おんぶ
 粉雪ザウルス
 冬を旅する、かなしい赤ちゃん

 ねんねんころり
 おころりよ

 白いふとんを町じゅう掛けて
 家族が集まる家をのぞくの
 うらやましいな
 あこがれちゃうな
 あまった家族は、くれるといいな

 ねんねんこ

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詩『隣の仕合わせ』

『隣の仕合わせ』

 博多発の新幹線
 二人掛けの席に偶然
 座り合わせた、だけのお爺さん
 約5時間も、話を聞いた
 (いや、聞かされた👊)

 生まれ育った田舎のことや
 厳しかった両親の愚痴
 世話になった大学の先輩
 運に恵まれた会社のこと

 少し照れて結婚の逸話
 子供や孫の自慢話
 親の介護の苦労と死後と
 いろんな持病と近況までも

 新横浜を通過してから
 トイレに行って荷物を

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詩『拝啓、父上様』

『拝啓、父上様』

 一国一城 築いて生きて
 あなたは死ぬまで つわもの…でした
 コンプラ重視の 現世となり
 ぬめっとうなぎで わたしは生きる

 素朴で口下手 付き合い下手で
 そのくせ見栄張り 負けん気…強い
 お酒が何より 大好きでした
 酔ったら十八番は 昭和の演歌

 時には旅した あの町へ行き
 おみやげお墓に 供えに来ます
 幸せばなしは 少ないけれど
 あなたを越えたい… 長

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詩『浴室のワンダーランド(生と死と)』

『浴室のワンダーランド(生と死と)』

 手首を切って湯につける
 わたしの意識がうすくなる
 生きてることってなんなのか?
 死んでる境が、知りたくて

 こころがあるから苦しくて
 無くせば死んでるはずなのに
 世間が干渉してくるの
 呼吸と鼓動が、敵なのか?

 だれもが生まれて死んでゆく
 他人の不幸に安堵する
 キラキラかがやくステージが
 生きてることだと、言わないで

 湯船が真っ赤

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💮詩『ゆうくんはヒーロー』

『ゆうくんはヒーロー』

 いないー? いないー?
  いたぞ にっこり にっこり
 いやだー? いやだー?
  バツだ こちょこちょ こうげき
 はちみつー どこかなー
  ここだ チューチュー チュチュー

 ぼくの わたしの
 しあわせのヒーロー
 すこし ひとより
 手はかかるけど
 やまもり いっぱい
 えがおをくれる

 おふろに きょうりゅう
  しっぽで パシャーン パシャーン
 

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詩『おむすび🍙』

『おむすび🍙』

 だれかがにぎってくれました
 かたくてしょっぱいおむすびを

 ばあちゃんおしえてくれました
 おやまのかたちはかみさま…と

 わたせばえにしをむすぶから
 おむすび🍙みんなが言ってると

 三十年前、避難所で
 暮らした知らないおばあちゃん

 ほんとはわが家はおにぎりで
 きどっておむすび、言いません
 
 おむすび、きくたびおもいだす
 神様、じしんはもうイヤです

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詩『夜のハンモック』

『夜のハンモック』

夜更けに眠れず起き上がる
カフェイン気にせずコーヒータイム

窓は鏡にその身を変えて
顔を写して遊んでる

あなたを失い時は過ぎ
ふつうの在処(ありか)が分からないんだ

独り暮らしのスケジュール帳
自由という名の懲罰房

何をしよう?
何ができる?
読書もテレビもゲームもやった
SNSで喧嘩も売った

何をしよう?
何ができる?
スポーツやけ食いお酒も飲んだ
マッチングアプ

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詩『ドラフト会議』

『ドラフト会議』

 この子が欲しい
 あの子も欲しい
 その子も欲しい
 あいつも欲しい
 
 相談しましょ
 投票しましょ
 じゃんけんしましょ
 順番しましょ

 争うようで
 仲間だもんね
 ライバルいなきゃ
 戦えないし
  
 どの場所(みち)行こう?
 何食べようか?
 だれ口説こうか?
 夢はなんだろ?

 ぼくらはいつも
 頭の中じゃ
 ドラフト会議
 選択してる

 後悔のない

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詩『敬礼ガエル』

『敬礼ガエル』

 ケロケロケロ、敬老。
 ケロケロケロ、敬礼。
 トイレに起きたら
 声がする

 夜更けに庭先
 長老ガエルがやって来た
 警備は引退
 「田舎に帰って暮らすんじゃ」

 ケロケロケロ、敬老。
 ケロケロケロ、敬礼。
 笑えば顔じゅう
 シワだらけ

 翌朝、近所で
 散歩をしてたら見つけたよ
 アスファルト張り付く
 ぺしゃんこガエルの敬礼を

 ケロケロケロ、敬老。
 ケロ

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詩『台風(鬼の子)』

題名
『台風(鬼の子)』

ゴォー、ゴォー、

ピュー、ピュー、

ドキドキ、ドキドキ、

ドキドキ、ドキドキ。

ゴォー、ゴォー、

ピュー、ピュー、

ドキドキ、ドキドキ、

ドキドキ、ドキドキ。

鬼が来た 鬼が来た

こん棒振って 踊ってる

家を叩いて 乗っかって

窓わく揺すって のぞきこむ

鬼が来た 鬼が来た

足おと鳴らして 鼻息ピュー

ヨダレ垂らして 酔っぱらい?

拾ったも

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作詞『おやじさん』

『おやじさん』

負けてみじめなその背中
馬鹿にしていた過去がある
どんなヤツにも裏がある
強いばかりじゃ生きれない
あなたの
あなたの弱さの、その強さ
やっとわかったこの歳で
おやじ
おやじよ
おやじさん

感謝(れい)のひとつも言わなくて
母と一緒に怒ってた
安くばらまく愛もある
重く踏ん張る愛もある
あなたの
あなたの無口な、その思い
じっと伝わる今になり
おやじ
おやじよ
おやじさん

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詩『ワカレノウタ』

『ワカレノウタ』

千の言葉より
万のやさしさより
たった1つの
返事が欲しいよ

怒り狂うのも
怒鳴りぶつかるのも
分かり合いたい
愛情があったから

その、ぬくもりが
その、ほほえみが
冷たい肉体になったとしても

あの、よろこびが
あの、想い出が
遥かな山や海に沈み消えても

この、身体は
この、たましいは
あなたに貰って
受け継いだもの

ねえ、さようなら
ねえ、ありがとう
やっぱり言えね

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詩『永遠のいろ』

『永遠のいろ』

例えば数万年後の地球
人も絶滅した海で
黄色い花は
なにを思って見つめてる?

賑わう真夏の喧騒も
波に焦がれる砂となり
うたかたなれど
なにも無いよりいいだろう

いのちは奇跡と言うけれど
そらの青さのようなもの
永遠なんて
過去が未来のいろをぬる

しずくが花から落ちてゆく
つらい別れをしたように
死後っていろが
やさしくなるのは、君のせい

詩『誘拐犯』

『誘拐犯』

差しだす指はチカラ無く
まるで下手な紙ひこうき
ここは時空を飛び越えそうな
漂流している病室さ

泣き出すなんて早すぎる
廊下に出れば通常さ
死とは原爆どっか~んじゃなく
すれ違う他人、さりげない

夜空を引き裂き朝をしばり
死神とどけ、脅迫文
あなたの為にと戦いたくて
なんにも出来ずに壁になる