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オール・アバウト・『インターステラー』
ノーラン監督は、幼少期から『インターステラー』の準備をしていた。
本当に?と思った人へ。これでどうだろうか。
クリストファー少年は、『2001年宇宙の旅』の製作過程を徹底的に研究した。『スター・ウォーズ』の上映は12回観に行った。
ちょうど『インターステラー』製作の初期段階、米国は、宇宙関連にかける予算を縮小しはじめていた。
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プロデューサーのリンダ・オブスト(『コンタクト』のプロデューサーでもあった人)は言った。
「ドローンや爆弾のためではなく、全人類のために、テクノロジーを使う我々の能力。それを思い起こさせるために、この映画を作った」
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『コンタクト』の中で、科学者である主人公と友人かつ恋人になるのは、宗教学者である男性だ。
地球外の知的生命体とのかかわりから、科学者としての合理性だけでなく、神秘主義も受け入れるようになっていく主人公。
真理を追い求めるという点において、科学と信仰にへだたりなどない。互いに「歩み寄る」必要もない。ありのままで部分的にとけあうことのできる、2者なのだ。
「それだとSF的すぎる」という指摘が、制作中にひんぱんになされたそう。
ノーラン監督は、最新技術によって、『スター・ウォーズ』や『エイリアン』(70年代のSF)にあった雰囲気が完全に失われることを嫌がったようだ。
全編、1台のIMAXカメラで撮影された。
このIMAXカメラはノーラン監督のために改造されていて、手もちで撮りながら動けるようになっている。とは言え、相当重い物だ。かなりの体力が必要なのだろう。
しかし、これにより、彼は常にセットの中に存在することができる。
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機首にIMAXカメラを搭載したジェット機で、ルイジアナ州上空に出現した巨大な嵐を撮ったりもしたという。どのシーンに使ったのか。
いや、このカメラどんだけがんばったんだ。声が聞こえてきそうだ。「監督、無茶ぶりですぅぅぅ」カメラにも感謝したい。
理論物理学者のキップ・ソーンが、ストーリーづくりに参加していた。
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マン博士に同行するロボットの名前を思い出してほしい。KIPP(キップ)だ。
相対論的天体物理学と重力物理学の分野で、ブラック・ホールや重力波について研究している人。
ワーム・ホールがタイム・トラベルに利用される可能性があるという彼の理論が、物議をかもしたことがある。
(専門家が夢をみるというのは、私たちがただ空想するというのとは次元が違うと思うが)夢をみるタイプなんだな。いいね。
この作品の内容に対して、科学的な視点から「物申す」、おそらく一般人の文章を見かけることがあるが。第一人者がしっかりと監修に入っていたのだから、いらぬ世話だろう。
ソーンは、登場人物を光速より速く移動させてはいけない・だからこのシーンはこのままではおかしいなど、監督を2週間かけて説得したりしていた。笑
CGI、デジタル技術は、作中にほとんど使われていない。
世界各地でのロケ撮影、撮影現場でのカメラ・トリック、スクリーンに投影されるVFXショット(俳優たちがセットの宇宙船の窓から見るものは宇宙のセットということ)などで、まかなわれたのだ。
グリーン・スクリーンが使われないこと。俳優たちにとって、どれだけうれしいことだろうか。圧倒的に演技しやすいだろう。
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このシーンはすごくいい。大勢に愛されてるシーン。
アーティストたちは、博士がVFXチームに提出した理論式でいっぱいの説明書……難しそうだ……を熟読し、ワーム・ホールなどの映像を作った。
ノーラン監督のほぼ全ての作品にたずさわっている、作曲家ハンス・ジマー。
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彼は、2007年の批評家投票で、ジョン・ウィリアムズ(サウンド・トラック界の巨匠)を上回る評価を獲得した。
ウィリアムズがどれだけすごい人物か。『未知との遭遇』、『スター・ウォーズ』、『スーパーマン』、『E.T.』、『インディー・ジョーンズ』、『ホーム・アローン』、『ジョーズ』、『ジュラシック・パーク』、『ハリー・ポッター』……。ルーカス監督とスピルバーグ監督作品の音楽担当なのだ。
ジマーは、エレクトロニック・サウンドとオーガニック・サウンドを絶妙なバランスでかけあわせる。『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『グラディエイター』、実写版『ライオン・キング』、『ブレード・ランナー2049』などに、彼の特技は活かされている。
彼とノーラン監督のやりとりを(私の空想もまじえて)説明する。
「今回もまた頼む。まず何も聞かずに、親が我が子について語るシーンに使う音楽を作ってほしい」
(え!情報それだけ!?無茶ぶりw)「……わかった」
「できたぞ。どうだ?」
「相変わらず素晴らしい。では、作品の説明をはじめる」
笑。ノーラン監督はおもしろい。
ジマーは、その最初の1曲を中心に、映画全体のサウンド・トラックを制作した。
録音は全曲、ロンドンのテンプル教会にある、中世の騎士の墓地で行われた。
???笑。ノーラン監督はおもしろい。
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『インターステラー』の構成には、時間が大きく関わっている。
ほとんどの曲は、1秒間に1拍(1分間に60拍)のテンポで作曲されている。
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画像の惑星にいる間、コチコチという音が、1.25秒ごとに鳴り続ける。
この星での1.25秒は地球での1日に相当する。容赦なく進み続けるカウント。観ている私たちも一緒に焦り、心苦しくなる。
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重力や相対速度の影響で時間の流れが異なることは、アインシュタインによって発見された。『インターステラー』のこのプロットは、それを巧みに表現している。
息子や娘が自分と同い年になる、なんて特殊体験をせずとも。車に搭載されているGPSなどで考えれば。私たちにも、相対性理論の何たるかを実感することはできる。
地球を周回する人工衛星がユーザーの位置を計算する。衛星に働く重力は地球上より弱いため、両者に、時間の速度の差が発生する。この差が、数メートル~それ以上の誤差を生む。
反応の遅さなどに文句を言う人もいるが。誤差を修正する機能はちゃんとそなわっている。そうでなければ、GPSはこんなにまともに機能していない。
余談
本当は、より精度を上げることも可能である。そこまで高性能なものを民間にばらまくと、犯罪などに悪用される可能性が高まる。そんな理由で、ほどよいものを一般には流通させていると。そんな話を聞いたことがある。(これは確認のリサーチをしてない。ごめん)
とにもかくにも、サンキュー!アインシュタイン!(軽)
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『メメント』における時間反転は、より仮想的なものだった。『インセプション』における時間遅延も、より仮想的なものだった。『インターステラー』における時間遅延は、より現実的なものだ。『テネット』における時間反転も、より現実的なものだ。
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より仮想的だろうがより現実的だろうが。ノーラン監督が「時間」というものにこだわっていることは、明白である。
私たちは時間にしばられている。現在と呼ばれる、時空連続体の1つのスライドだけを経験するように、制限されている。
ノーラン監督作品を観るたび、このことを改めて考えさせられる。
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アン・ハサウェイは、冷たい水に浸かり続ける撮影で、低体温症にかかった。
この報告を受けた監督は、「大変だ。じゃあ、早く撮ってしまわないと。今すぐカメラをまわそう」と言った。
人をみて態度を変えたりしなそうな人だとは、思っていたが。大女優に対してもこれだったとは。
彼女は “あと5分で死ぬところ” だったため、4分間だけ撮ったのだとか。まわりはその時、ハサウェイ本人よりも青ざめていたのではないか。監督は、相変わらずのポーカー・フェイスだったに違いない。
ハサウェイ「彼は、私をあたためるために存在する人じゃない。弱虫では、彼と一緒に働けない」
外見が美しいだけじゃない。彼女は強くて聡い人だ。
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ノーラン監督は、子どもたちに、CASE TARS KIPP を見せてみた。
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「こんなのロボットじゃない」「箱じゃん」と、彼ら彼女らはガッカリ。
ところが。プロダクション・デザイナーがその “箱” を開いたり閉じたりしてみせると、子どもたちの反応は一転。質問がとびかった。
私たちも、いくつになってもワクワクしながら、「箱の中」をのぞいていたいものだ。
私も CASE と TARS が好きだ。彼らがいるかいないかで、おもしろさがぜんぜん違ってくる。
「めちゃくちゃ楽しかった!」マシュー・マコノヒーは、笑顔で撮影セットから出てきて、インタビュアーにそう答えた。「私は等身大の大きなおもちゃを操縦する44才だ」
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マコノヒーは、ノーラン監督のことを完璧主義な人だと思っていたという。一緒に働いてみて、予想の真逆の人だとわかったそう。
監督は協調性のある人どころか、キャストやクルーからの提案を受け入れた結果、物事がスムーズにいかなくなることが好きなくらいの人だったと。
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実は、最初にこの作品の監督を引き受けたのは、スピルバーグ監督だった。結局、彼は他の作品にとりかかることになり、その計画はお流れに。
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スピルバーグが監督に決まっていた頃の『インターステラー』の脚本は、かなりの別ものだった。
脚本を書いたのは、ノーラン監督の弟のジョナサンだが。彼は『プレステージ』や『ダークナイト』の脚本も書いている。彼の弟による脚本は、脚本というよりも「原案」に近い。結果的に、いつもそういうことになる。兄により、かなりの変更が加えられるからだ。
マーフは少年で、人間の代わりに宇宙に送られるのは探査機で、ロボットはより人型であった。(変更:高度なプログラミングを有する人型 → ユーモア機能を有する箱型)
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(主観)
人類を救うための宇宙開発競争で、中国がアメリカを打ち負かす。いや、その逆だったか。とにかく、そういった筋書きだった。
具体的には……
序盤で見つけたドローンは、インド製ではなく中国製。大量の水がある惑星には、中国人宇宙飛行士が先に到達済み。重力を発生させる装置 (?) を発見して持ち出そうとすると、襲ってくる中国のロボット。ブラック・ホールを通過してとばされる、中国が4千年かけて巨大宇宙ステーションを建設した次元……
正直、“おなかいっぱい” だ。完成した『インターステラー』とは、普遍性がぜんぜん違う。
前の脚本では。マコノヒーとハサウェイは、恋仲になるところだった。ノーラン監督は、彼と彼女を恋人にも親友にもしなかった。
別々の考えをもつが、同じ目標にむかって力をあわせる2名の宇宙飛行士として、あつかったのみ。
こんなに変更点があっても。「脚本を書いた人」という名目を弟に渡す。ノーラン監督とは、そんな人なのだ。
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小さい頃からずっと、一緒に映画を観たり、宇宙について語りあったりしてきたんだもんな。
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以前書いたNoteからの抜粋。
ノーラン監督は、智慧を失わないまま多くの知恵を獲得した人。私からみて、そんな印象もある。
ダスト・ボウルをモチーフにした、資源が枯渇した近未来の地球。
ダスト・ボウル:1930年代にアメリカの平原地帯で断続的に発生した、砂嵐。
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みんなの地球は、みんなで協力しあって大切にしないとね。近視眼的なケンカはやめよう。
時間のわん曲は4次元で起こっており、私たちは4次元のふるまいを感じることができない。 2次元と3次元さえ、空間を2次元・奥行きを3次元と仮定しているにすぎない。
ブラック・ホールに突入してしまった主人公を未来人 (?) が救出し、テッセラクトへといざなった。
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これにより、主人公は5次元の存在になることができた。娘に、重力波でデータを伝送できた。
超弦理論は、余剰次元というものがあるという仮説を提示している。ザックリいうと。重力は他のどこかにも働いていて、それが重力が他のあらゆる力に比べて弱い理由であり、そのどこかというのが余剰次元であると。
2人の交信が、電磁波などではなく重力波を用いてなされたというのは、この仮説からの発想だったのだろう。
『インターステラー』の公開日から約1年後、人類は、はじめて重力波を観測した。その影響は極めて小さいことが判明したため、本を動かすほどの重力波を放出するのは、現実的ではないのかもしれない。
主人公の娘の名前の由来でもある、マーフィーの法則は、「起こる可能性のあることはいつか実際に起こる」を基本理念とするもの。
複数のユニークな表現がある。
「作業の手順が複数あり、その中に破滅にいたるものがあるならば、誰かが必ずそれを実行する」
「落としたトーストがバターをぬった面を下にして着地する確率は、じゅうたんの値段に比例する」
ノーラン監督は善悪でものを見ない。言うは易し行うは難し。これはすごいことだ。
人間に対して、とても現実的な解釈をもつ人。我々は善人でも悪人でもない。我々は、ただ、複雑であるだけだと。
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『インターステラー』はSF映画の形をとってはいるが、その実、家族愛の映画である。
監督は、撮影中に、人生ではじめて父親になった。
ノーラン「自分の感情は、脚本を書いていた頃のものとは、全く違うものになっていた」
『インターステラー』の最大のテーマは愛だ。
愛とは、人類が完全に解明や理解できないものであるにもかかわらず、私たちに永久的に強い影響を与え続けるものである。
愛の影響から、直感に左右されるキャラクターたち。
娘への愛は、主人公にとって、常に行動の明確な動機であり続けた。最も重要な瞬間がおとずれると、決まって、彼は愛に導かれることを選んだ。
ブランド博士は、彼を愛しているからという理由で、エドマンド博士のいる星に行きたがった。私たち一般人のような行動をとった。
自分と他者間の愛に影響されないキャラクターも、登場する。
マン博士だ。
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日本語で「マン博士」とググると、「マン博士 クズ」「マン博士 クズ インターステラー」と出てくる。笑
彼を見ればよくわかるが。思いやりや愛がなければ。人は、とんでもない行動を含め、あらゆる行動をとることができる。
マン博士の場合、自らが生き残るためなら、地球人が全員死んでもかわまわないと考えることができた。
前段の2人と、クズかクズでないかで見わけるのが、私たちだ。ノーラン監督は、おそらく、そうではない。個人的な願望によってつき動かされる人間の、異なる3パターン。彼はこのようにとらえているのだと思う。
『アルマゲドン』。こちらも、宇宙SFでありながら、父と娘の愛が強く描かれている作品だ。
ラスト・シーンで、「勝ったぞグレース」と言い起爆ボタンを押す主人公の脳裏には、走馬灯がかけめぐった。
シングル・ファザーだった彼の走馬灯の、その全てのカットが、娘だった。彼女の成長をたどる映画が、死の直前に彼の前でだけ、上映された。
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前に進むとは、必ず何かを後ろにおいて行くことではあるが。愛を時空間を超えることができるものであると考える時、愛はその法則に当てはまらない。
『インターステラー』も『アルマゲドン』も、そんなことを私たちに教えてくれる。
以下、個人的な話になるが。
私も、幼少期から少女時代は、父子家庭だった。うちは少し変わったパターンで。離婚した両親がまた再婚したのだ。いい話でしょう。一生、口に出して言うべきことではないが。私は ほんの少しだけ、母よりも父のことが好きなのだ。
父のためなら死ねる。本気でそう思うけれど。彼は、私が自分のために犠牲になるということを、世界中で一番許さない男性だろう。
私たちは、遠く離れた人を愛し、飼い猫を愛し、故人を愛する。愛することができる。
なぜか。わからない。それでも、事実、私たちは互いを愛し続けている。
ブランド博士「愛は、私たちが発明したものではなく、観察可能でパワフルなもの。何か意味があるはず。愛は、時間と空間の次元を超越した、私たちが知覚できる唯一のもの」
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生きているか死んでいるかもわからない男に、もう一度会いたいという理由だけで、何十億マイルも旅をしてきた女。
ただ1つの単純な動機がそこにある。
私、彼を愛してるの。
愛する人は死後も “存在” し、彼ら彼女らの次元から超常的な方法で、私たちとコミュニケーションをとっているのか。
死者と生者間の愛について書いた回。
『インターステラー』は、ノーラン監督は、私たちのかたわらには常に、今日の生と明日の死/今日の死と明日の生があることを示している。
現在のガザ地区で、赤ちゃんが生まれている。
全てのやがて失われるものに囲まれているにもかかわらず、私たちは懸命に人生をおくることができる。
子どもや孫をもつこともできる。そうでなくとも、後世に影響を与えることはできる。
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愛は時空間を超えるただ1つのもの。
あえて言いかえよう。
愛を含む強い意思は時空間を超える。
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日本版の広告の文言は大変正しいサマリーである。
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作中の重要なシーンで朗読される、ディラン・トーマスの詩。『穏やかな夜に身を任せるな(Do not go gentle into that good night)』
死を受け入れず抗え = 生きろ、と訴えかける内容である。
穏やかな夜に身を任せるな
老いても怒りを燃やせ
終わりゆく日に怒れ 怒れ
私の一番好きな映画監督、ノーラン監督にまつわる話が出てくる、関連回。