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Sho Nishimura という人間の考え方

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Sho Nishimura という人間の考え方や私見、偏見で書いた記事のまとめ。教育問題だけでない幅広い範囲の内容。
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2022年4月の記事一覧

6割主義でいこう

6割主義でいこう

学校教員という人種は基本的に真面目な人が多いです。

そのため、日頃の教材研究はもちろんのこと、部活動や書類の仕事などに10割のエネルギーを使ってしまい、平日はクタクタ、休日も出勤するといった生活スタイルを取る人も少なくないようです。

しかし、そのような働き方では継続的に業務を遂行することは難しいでしょう。

結婚や出産といった生活スタイルの変化はもちろんですが、体調不良や急病などが突発的に発生

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ICT導入と「現状維持バイアス」による反対

ICT導入と「現状維持バイアス」による反対

現状維持バイアスとは…

教育関係の業界は基本的に保守的な人が多いように常々感じています。

そもそもが教育業界に足を踏み入れる人の多くは自身の受けた教育に対し肯定的な印象が強いため、それを否定する革新的な思考の人は参入しにくいということもあるのでしょう。

この現状維持バイアスはあらゆる場面に存在します。職場や周囲の問題に対して、変更を行いたいと行動を起こした場合、これに対してどう立ち向かうかを

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絶滅危惧種「FAX」とその生息地、学校

絶滅危惧種「FAX」とその生息地、学校

FAX、使っていますか?

私の勤務校では職員に一人一台のPCが支給されています。全館で無線LANが利用可能で、イントラネットも配備、Google Classroomも利用可能です。

職員室が複数存在するため、職員会議や職員朝礼などはGoogle Meetを利用してオンラインで実施しています。

九州の学校の中ではICTの整備状況としては、決して悪くはない方だと思います。
(PCや無線LAN、イ

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「好きなことで生きていける若者を育てる」より「それを邪魔しない大人を育てる」

「好きなことで生きていける若者を育てる」より「それを邪魔しない大人を育てる」

学習指導要領の改訂施行がこの春から高校でも始まりました。

この改定の目的は「生きる力」と題された目標が掲げられています。

「生きる力」とは主体的に自ら学び、社会の変化を捉えて柔軟に判断、行動できる力、とも読み替えられます。

自分の興味を最大限に引き出し、それを原動力にして「好きなことで生きていける」人材の育成が目標にある、と私は読み取っています。

日本や国内企業の影響力が低下する中で、世界

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休むことへの「罪悪感」

休むことへの「罪悪感」

本日、私は仕事を休んでいます。

理由は昨日のつぶやきに書いていますが…

幸いなことに、陰性が判明し午後には解熱したので一安心してこの記事を書いています。

年休は労働者の権利私の勤務校の場合、病休の場合まずは年次有給休暇から消費する制度です。
(この制度の是非はありますが、それはまた別の話ということで)

年次有給休暇(以下、年休)は労働基準法で保障された労働者の基本的な権利の一つです。

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「礼儀」と「成功」を結び付ける危うさ

「礼儀」と「成功」を結び付ける危うさ

功成し得た人がメディアや人前に出るたびに、「礼儀」などの本人の普段の素行とその「成功」が結び付けられて語られるシーンがあります。

メジャーリーガーの大谷翔平の挨拶が丁寧であるなど、礼儀の正しさはよく報道される例でしょう。

「礼儀」正しいことは良いことである当然ながら、人間のありようとして礼儀正しいこと自体は決して悪いことではありません。

人間が社会生活を行う上で、他者との交際は不可欠です。

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戻したがる人達

戻したがる人達

全国一斉休校からもう2年が経ちます。

この間、新型コロナの感染は広がり続けています。

同時に、ワクチン接種率が向上など複数の要因で、重症者率は下がり、症状の予測がある程度できるようになったように感じます。

その結果、社会全体として何となくコロナへの恐怖が一時期よりも薄れつつあるように思います。

新型コロナで変化した人間の動き働き方やコミュニケーションのとり方など、このコロナをきっかけにして

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「自由には責任が伴う」わけがない

「自由には責任が伴う」わけがない

新学期の時期となりました。

この時期になると、新年度のHRなどで教育観などを開陳する教員の方も多いのではないでしょうか。

その中でよく聞くフレーズで、かつ個人的に賛同しかねるものがあります。

それが「自由には責任が伴う」という言葉です。

言葉の出典この言葉の出どころはどうやらフロイトのようです。

この自由と責任の説教は私が中高生のときから嫌というほど耳にしてきました。

そして、教員とな

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「何事も経験」を口にする「老害」

「何事も経験」を口にする「老害」

新卒の方、あるいは転職や転勤など慣れない場所で苦労している人が多い時期です。

幸か不幸か、私の部署では新しい人が今年は入ってこなかったので、今ひとつ雰囲気を感じないままですが…

学校の場合は新入生が入ってくるので、あと数日で空気は一変するでしょう。

さて、タイトルのように「何事も経験」を口にして他人に、特に若者に仕事を押し付ける人はどんな職場にもいます。

そもそも「何事も経験」する必要があ

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「巧遅は拙速に如かず」の加速化

「巧遅は拙速に如かず」の加速化

学校教育では「丁寧」や「時間を掛ける」ことが非常に好意的に捉える事が多いと思います。

逆に「雑」や「手抜き」は悪評価となり、早く終わることにインセンティブを与えないというのは当然とされています。

「巧遅は拙速に如かず」の出典この言葉の意味と出典を調べると

とあります。出典は『文章軌範』という科挙の参考書のようなものからのようです。

孫氏からの引用という話もありますが、若干内容がずれているの

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