さかな

二児の母 療育手帳A2、DQ43の長男がいます。 ここでは療育的なことはあまりお話ししません。わたしの心の有り様について綴ります。

さかな

二児の母 療育手帳A2、DQ43の長男がいます。 ここでは療育的なことはあまりお話ししません。わたしの心の有り様について綴ります。

最近の記事

言葉を話せる子供、話せない子供、自分のこと

近頃の次男は「大きなトラック」が好きで、帰り道に通るか通らないかをよく訊ねられる。 そんなのもちろんわからないので、「どうだろうね、通るといいねぇ」と適当な相槌を打つ。 たまたま三台通り過ぎたところに出くわす。と、後ろから「あったー!!あったね、あっちにもいるね、こっちにもいる!」と興奮した大声。 仕事でヘトヘトの帰路のことで、わっ、なんだ!と思うも、ああ大きなトラックがそんなに嬉しいのかと思うとまだまだ子供らしい無邪気さに頬が緩む。どこにでもある子どものいる日常という感じだ

    • きせるする男、食べなかったピザ

      都内某所。ごくごく狭いM支店でそれは起こっていた。元夫(以下Hとする)と、Fの不貞関係は、始まった時期は定かではない。けれどHが一度だけ朝帰りした日がある。その日は夜中いくら電話をかけてもつながらず、翌日の昼前に帰宅してきたHは、残業で終電を逃し、満喫に泊まった、と話していた。わたしはすぐにHの足を嗅いだ。鼻を吐く異臭がした。ホテルには泊まっていないと判断した。愚かだったと思う。いつからそういう関係かは知らないし、もう知るすべもないが、あの女とひとつところに泊まった最初はあの

      • 1年生になった長男に

        今年の春は寒暖差もはげしくまた悪天候も多く、天気に恵まれない日に長男の入学式がありました。支援級の1年生です。 長男の入所施設の職員さんの連れ添いのもと、まずは支援級のそれぞれのクラスの各々の席で待機し、会場が整ってから移動するというかたちで、入学式は通常級の子どもたち、保護者と同席で執り行われました。 こういう子供を持つと、たくさんの障害児/者の中で生きていくのが常だったので、そんな人数を軽く凌駕する健常児(正確な人数はわかりませんが、とにかくびっくりするほどたくさんいまし

        • 6歳になった長男に

          6月17日。施設で暮らす長男が6歳になった。ちょうど土曜日だったので、次男とふたり面会に行く。今年のプレゼントは車の音の鳴る絵本で、渡すと少しいじったのちにニコっとしてボタンを押し、時々口をつけて振動を楽しんでいた。3、4歳向けの玩具だけど、きっとこんなのが好きだろうと選んだもので、気に入ったようでホッとした。 来年はいよいよ小学生になる。といっても、妊娠していたときに夢想した、普通の子供ではなく、支援学校に通う一年生だ。目の前にいるこの子が普通級に行けるわけもなく、そうい

          強く生きてね

          先日、長男の七五三の撮影に行きました。 入所施設の担当さん、副担当さんが長男を連れて実家のそばの写真館まで来て下さり、長男、次男、そしてわたしのスリーショットも撮って貰いました。 長男は着物なんて着られるかなぁと不安でしたが、着替えも自分でして、よく頑張ってくれました。相当疲れたらしく、翌朝は普段よりたっぷり寝ていたそうです。写真が出来上がるのがとても楽しみ。  夫の不倫が原因で離婚協議中なので、長男の帰宅が白紙になりました。それに伴い、高校生の子達と同室の長男も、歳の近い子

          強く生きてね

          夫の不貞が発覚した日。

          こんばんは、さかなです。第一子は重度知的障害児で現在施設に入所中で就学を目処に帰宅させるお約束をしており、第二子はこの四月から近隣の幼稚園に入園する予定でした。 それらをすべて、夫に覆されました。夫は十も年下の社員と社内不倫をしていたのです。 愕然としました。知ったのはクリスマス前日。わたしは昇進するかもしれない、という彼の言葉を受けて好物の豚の角煮を仕込んでおきましたが、シンクにぶちまけました。 彼の反応は、だんまりを極め込むか激昂するというもので、結局話し合いもまともにで

          夫の不貞が発覚した日。

          療育と、療育手帳の更新

          療育手帳の更新があり、前回と変わらずA2判定でした。ひとつの単語も出ないし、それはそうだよね。定型の五歳児と比べたら、その開きは手帳を取った当時以上だと思います。 先日、はじめて施設に入ってからの長男の集団療育に伺いました。長男は家にいた頃からルーティーンにこだわりがあるタイプで、療育でもやはり流れが変わると戸惑ったりするそう。見通しがわかるほうが本人もやりやすいようでした。 動作は稚拙ながらも、自分で着替えたり、道具箱に私物をしまったりする仕草に驚きました。 いちばんびっ

          療育と、療育手帳の更新

          五歳になった長男と検診

          六月に長男が五歳になりました。ちょうど誕生日の翌日が土曜日だったので、家族で面会しに行って来ました。相変わらず発語はなく、トイレで用を足すことは少しずつ覚えているそう。下着の履き心地を嫌い、すぐおむつに履き変えたがるようです。 公園に行くと、本当に猿やリスの子のようにあっという間に走っていって、更にすばしっこくなっていて驚きました。 また別の日に、長男の五歳児検診のために、施設の職員さんふたりと長男とでかかりつけ医のところへ来てくれました。 健康面は問題なかったですが(体重

          五歳になった長男と検診

          久しぶりの春

          次男を抱き抱えて桜を見せると、ニコッと笑って「さくらのおはな」と言います。ほら見てごらん、と声掛けしていたせいか、一生懸命指差して見てごらん!とわたしに言ってくるようにまでなりました。今年は桜をとてものんびり眺められているな、と実感し、昨年は長男をつれていると誰もいない公園しか行けず、どんなに早い時間に到着しても、ほかの利用者が来ればサッとその場を去っていたので、桜なんかろくろく見られなかったのだ、と気づきました。 桜ばかりか、奇声をあげて歩く我が子を連れていると、奇異の目

          久しぶりの春

          飛ぶ月

          次男が「飛行機飛んでる」と流暢に言い出したのは、一月の終わり頃でした。それまでも「赤い車」だとか、二語文はちらほら出ていましたが、文章らしい文章を口にしたときの驚きは忘れられません。 月を指差し、「おつちさま、とんでる」と言ったときはなるほど確かに鳥や飛行機といっしょだねと笑いました。今でも月を見つけると、飛んでる、と言います。それを聞くのがなんとも微笑ましくて大好きです。 こちらは今朝の光景で、「スカイツリー」だそう。と言っても実物にお目にかかったことはなく、電車の図鑑

          次男の成長

          一歳十ヶ月になった次男は、とてもよくお話をします。すごいなと思ったのが、ものや色のような、「目に見えてわかること」以外の言葉…痛いだとか、衣類がきついだとか、そういう状況や感じ方なんかも表現するようになったことです。 食事中、口から物を出してしまったとき、「固かったかな?」「熱かった?」など声掛けしていて、最初は「固い」の一点張りでしたが、今は両方を使い分けています。外で風が吹けば寒い!と叫びます。どうやら眩しいこともあついと言うので、都度都度、眩しいねと声掛けしています。

          次男の成長

          人に見られたくないという気持ち

          少し前に、児童精神科医の先生に長男を診ていただく機会があり、施設へ行きました。いつも長男のユニットを担当してくれている職員の方に同行いただき、通所施設と同じ棟にある診察室へ伺います。 職員の方と、長男を待つ間に、高校生くらいかな?という、入所している男の子に声を掛けれました。「長男のお母さん?」とピタリ当てられて、はい、そうです、とどきまぎしながら答えると、長男知ってるよ、一階の部屋に住んでいるでしょう。と言われ、長男はわたしにそっくりなのですが、それでもコロナ禍でマスクを

          人に見られたくないという気持ち

          ある事件のこと

          この記事(https://news.yahoo.co.jp/articles/87b010a29b8640f85822d9f898597f85d2bd81db)を受けてのわたしの考えです。 気持ちとしては、お母様の苦しみを思うと、ただただ安らかな時間を過ごして欲しい。できるだけ多くの時間を。 この記事を読んで、長男のことを思いました。他人事ではないですから。 長男の一ヶ月検診の頃、わたしはまだ里帰りをしていました。検診の日、たまたま実家のマンションで、中学生くらいの女の

          ある事件のこと

          わたしに見えるもの

          次男は、ずっと先にある木になっている柿だとか、家の扉を開けてすぐ聞こえる飛行機の音だとかに敏感でよく気づいて口にします。 木の実や花も、決して目に入らないわけではないのに、そうやって意識していると今まで意識いたよりもずっとたくさんのそれがあることに気づきました。以前米軍基地のそばに住んでいたのもあって、飛行機やヘリコプターなんかはこっちは少ないな、なんて思っていたのに、案外たくさん飛んでいるんだなと驚いています。意識を向けるかどうかで見えてくるものがまるで違う。わたしにとっ

          わたしに見えるもの

          障害者と交わらない暮らし

          久しぶりに図書館に寄り、次男の絵本と、表題に惹かれて、色んな作家のエッセイを寄り集めた本を借りました。今、四編ほど読んだところです。次男はまだ一晩通して寝られないので、短い読み物がちょうど良く、久々に読む文章にはやはりわくわくさせられます。ですが、昔のように無邪気に楽しむことはできず、ゆったりと物思いにふけることも親孝行にしみじみすることも、わたしには羨ましいことになってしまいました。もともと、こういうものを読むのも、自分なりになにかひとつのことを考えるのも好きだったので、そ

          障害者と交わらない暮らし

          入所後初の面会、診察

          先日、長男が入所して初めての面会と、別日に児童精神科医の先生の診察にうかがいました。長男とは約三ヶ月ぶりで二度会うことが出来ました。 まず長男自身のこと。 体重が三キロ増えた、と電話で聞いていましたが、尖っていた顎が丸く、抱えるとずしっと重くなっていました。身長も伸びて、家から持たせていたズボンの裾が少し短くなっていました。 緊張からか、最初は無言でウロウロしながらおもちゃで遊んでいましたが、しばらくすると時々喃語のような声を出すように。やはり目は合いにくく、多動も変わらず

          入所後初の面会、診察