最近の記事

新城勇の断片記2

先日、戦争を舞台とした演劇「ふるさとの唄」の感想を書きました。 また最初の「断片記」に、直近の私の出演作品を記しましたが、そのいずれもが日本の「歴史」に関する作品です。 それより過去の出演作品もほとんどが歴史に関するもので、軍人役、武人役が圧倒的に多い。 決してそういう仕事だけを選んでいたわけではないのですが、やっていくうちに自然とそうなりました。 しかし、これにはやはり私の俳優としての出発点、また個人的な興味、関心が深くかかわっていたのもまた否めません。 私は小学

    • 舞台「ふるさとの唄」感想2

      この作品は、無名兵士たちのある心の叫びを掬い取ろうとしたものであると同時に、 ほかでもない、戦場となったこの島に生きていた人々の物語でもある。 難渋を極めた撤退戦のさなか、これも本隊とはぐれてしまった、ひめゆり学徒隊の2人は、 件の少尉に率いられた日本軍に出会い、この地下壕に逃れてきた。 そして物語は、主にこの2人の視点から語られてゆく。 今で言えば、高校生くらいであろうか。 これほど、未来への希望に満ち溢れている年ごろもあるまい。 また、弟を目前で亡くして精神に異常

      • 舞台「ふるさとの唄」感想1

        9.29(日)14:00〜 ザムザ阿佐谷 観てまいりました。 舞台は、大東亜戦争(太平洋戦争)末期。 1945年6月の沖縄本島南部、 島尻地区のある地下壕。 4月1日の米軍上陸から始まった沖縄地上戦は、 いよいよ最終局面を迎えていた。 2か月間にわたる激しい消耗戦のすえ、 日本軍は米軍の圧倒的な兵力物量に押され、 ついに首里を中心とする主陣地帯を放棄。 南部島尻地区へと全面撤退を余儀なくされた。 島尻地区には天然の鍾乳洞が無数にあり、日本軍はこれらを地下壕として活用

        • 新城勇の断片記

          はじめまして。俳優の新城勇と申します。 これから「新城勇の断片記」と題して、俳優としての私にまつわる断片を、徒然なるままに綴ってまいりたいと存じます。 俳優と名乗りましたが、現在、私が俳優の仕事をしているかというと、コロナ禍以来、ほとんどしておりません。 直近の舞台演劇の出演は2019年2月にまで遡りますが、KUROGOKU "鈍色のヘルメット" 70年安保闘争のころの東大全共闘リーダー役。 映像作品の出演は、当時私が業務提携していた芸能プロダクション「ビッグファイタ

        新城勇の断片記2