003 : 『恒常性』を支配しろ
世の中でダイエット経験のある方は必ずぶち当たる壁、停滞期。
これの正体が『恒常性』である。
恒常性(ホメオスタシス)とは
生体の 内部や外部の環境因子の変化に関わ らず生理機能が一定に保たれる性質 のことであり、生物にとって極めて重 要なものです。 例えば、動物の生理機 能の恒常性は、神経系、内分泌系、 消化器系など、様々な器官系の機能 連関によって維持されています。”
※Wikipediaより引用
簡単に言い換えると、『身体は短期間での大きい変化を嫌い、元の安定した状態に戻そうとする』と言う事だ。
過度なペースでのダイエット
1ヶ月で現在の体重の5%減らす様なダイエットは競技者レベルだ、80kgの人が一月に約4kgづつ痩せていく計算だ。正確には複利が働くので、2ヶ月目は76kgの5%なのでマイナス3.8kgになる。この計算で続けると3ヶ月目が終わる頃には68.5kgになる計算だ。
3ヶ月で11kg強の減量は過酷であると容易に想像できる。
この様な急激な変化をともなうと、ある時体は栄養素やエネルギーの枯渇に対して緊急対応をする、過度の栄養素やエネルギー不足から代謝を落とし省エネ体質にしようとする。今ある体内の材料を放出しないように努める。
停滞期とはこの様な仕組み出来ている。
打破する為の有効手段として有名なのがチートデイである、減量食とは逆の高エネルギー食で栄養素を過度に入れて、身体を騙すとホメオスタシスがリセットされ減量が進むと言う現象だ。
基礎疾患にならない様に恒常性は働かないのか?
では何故体調が悪くなったり、基礎疾患になったりするのか。この生理作用は働いてくれないのか?健康な状態になぜ戻してくれないのか?
つまりはその人がそうなるべく『恒常性』をゆっくりと時間をかけて変化させ基礎疾患になる様な生活リズムを作り続けているからだ。
自分の意思で、塩味の濃い油と糖にまみれた食事をし、酒を飲み続けた結果健康を害している人が多い。恐らく健常な人が基礎疾患に至るまでの長いプロセスの中で、恒常性が働き、健康な状態に戻す為に、気分が悪くなったり、頭が痛くなったり、お腹を壊したりと、何かしらの不調は必ずあった筈だ。
世界の大半の人は不調になると知っていて日々暴飲暴食をしている。
20代の時に体重60kgだった人が50代で80kgになった。恒常性と言う『枠』を30年費やして自分で少しずつ動かしてきたのである。
当然身体は今の80kgを正常と捉え機能しているが、長い年月をかけて糖質過多や塩分、コレステロール、アルコール三昧のつけの支払い期日はもう目前である。
血液検査の結果数値がヤバいと慌て、ネットサーフィンして、3ヶ月で痩せられたダイエットの成功事例などを読み、真似して過度な食事制限を試し、最初は上手くいくが無理な目標設定の為、途中でストレスからキレ食いをしリバウンドして辞めてしまう。
自分で選んで体調を崩している。
知ってて自分で選んでそうなっているのだ。
っであれば、自分で選んでいる逆の方向にも行ける筈ではないのか?
いや絶対行けるっしょ!!!
『恒常性をある程度健康なゾーンに置く』事だけを考えて生活するだけだ。
健康でい続ける為に運動は欠かせない。
何故なら身体の中にある物質を代謝で入れ替えて行くことこそが健康に繋がるからである。
新鮮な材料を身体に入れたのなら、材料の行くべき場所にスペースを作る必要がある。
身体の中は常に在庫がいっぱいだから、次第に古い素材が溜まり淀み不健康になる。
過食をした翌日はお腹を壊したり、朝は食欲がなかったりする、これも恒常性によるものだ。
普段食べない量を食べたから、身体が体外に出そうとするし、まだ身体の中は材料だらけだから食べなくて良いと言う指示をだすわけだ。
朝食を逃して血糖値が下がった昼頃に爆食してしまう。結果血糖値が爆上がりし、血管の負担は増えるし、怒涛の眠気に襲われて日中のパフォーマンスが爆下がりする。急激な血糖値の下降は猛烈な空腹感を覚える為、爆食いの原因にもなる、悪循環でしかない。
血糖値のコントロールは恒常性を健康ゾーンに置くのに重要である。
血糖値が上がると、インスリンが分泌され行き場のない余った糖質は脂質と結合し脂肪となり身体に蓄積されて行く。
運動をして体内で材料を消費する事こそが、好きなものを多く食べられる秘訣なのだ。
ここで全ての健康になりたい方々へ提唱したいのが、恒常性と言う現象を理解しよう、制限と言う言葉はいつしか解除すべきもの、終わるものと考えがちだと思うが、日常的に制限を設けることをおすすめする。
せめて週の4〜5日は栄養面に気を付けて生活し、残りの2〜3日は好きな物を気にせず食べる。
もちろん運動は例外なく取り入れて欲しい。
週に一回でも良いのでジムやジョギングなどを行って欲しい、週一で3ヶ月続けられたらそれは間違いなくゼロより1億倍素敵だ。
ここでメンテナンスをするための食事を取る日をメンテナンスデイ、好きに食べる日をそのままチートデイと仮に呼ぶとする。
メンテナンスデイに何をどれだけ食べたら良いのかと言う疑問に対しては、基礎代謝以上活動代謝未満とタンパク質30%、脂質10%、糖質60%で
チートデイに関しては、1日は何を食べても良いが、残りの1〜2日はタンパク質30%、脂質20%、糖質50%を意識してほしい。
意識するだけで良い。
1日の摂取カロリーは人それぞれ活動代謝が違うので、ここでは敢えて割愛するが、下記一例として参考にしてほしい。
食材及び量の一例
42歳 男性会社員 身長:176cm 体重:90kg 体脂肪率35% 運動習慣無しの方の場合。*数字は理論値
基礎代謝:1725.9kcal
活動代謝:2243.7kcal
ボディビルダー大好き鶏胸肉:750g
白米:700g
MCTオイル:18g
全卵:1個
プロテイン飲料:適宜(1〜2回)*日中の空腹時や就寝前
上記の内容を一日かけタイミングは3〜5回に分けて食べるが理想的だ。
これを週に4〜5日続け、他の日は油と糖を少し多めに取れる様にする。
続けられたらあとはストレスで疲れない様に適度に自分を許す様にしよう。
慣れてくると大体何をどれくらい食べたら体重がどうなるかはわかる様になる。同じ食材を同じ量使えてきたらもう勝ちだ。
恒常性を味方につけろ
恒常性という生理機能は絶対に避けられないし急な変化を嫌う性質は変えられない。
身体とメンタルにストレスをかけずに、急がずながい時間を費やして食事を軽度にコントロールし、適度な運動をすることを心がけていれば、いつのまにか健康的な身体を取得できているのは間違いないそう保証してもよい。
そうなるといざ暴飲暴食をした際の息苦しさや、翌日の体調の悪さを必ず実感することになるのは間違いない。
是非その感覚を体得して頂きたい。