マガジンのカバー画像

『綿帽子』

66
綿帽子というタイトルで書き綴っているエッセイです。 「親子とは何か?自分とは何か?」 永遠に答えが出なさそうで、案外知っていたりする事実をテーマに書き綴っております。自分の経験や…
無料記事に有料記事8本を含めた『綿帽子』第一部を纏めたマガジンです。
¥1,500
運営しているクリエイター

#親子

綿帽子 第六十三話

いよいよ明日が引越しの日だ。 荷物は全て整えてある。 何だかんだで毎日続いている公会堂へ…

sekirein
2か月前
14

綿帽子 第五十九話

ダンボール、ダンボール、ダンボール、どんどんとダンボール箱が積み上げられて行く。 親父が…

sekirein
2か月前
16

綿帽子 第五十一話

「今ホテルに着いたわ、これから叔母さんと不動産屋に行ってくる。向こうでまた連絡するしな」…

sekirein
4か月前
11

綿帽子 第五十話

叔母は相変わらず首を縦に振ろうとはしなかったが、従兄妹たちの家の近くには住まないという条…

sekirein
4か月前
12

綿帽子 第四十九話

「おはよう」 「おはよう」 我が家は落ち着いている 「なんてことは起こり得ない!」 家に…

sekirein
4か月前
16

綿帽子 第四十八話

その日はやってきた。 お袋と二人足取りは重く、神妙な気分でタクシーに乗りこんだ。 車内で…

sekirein
4か月前
10

綿帽子 第四十七話

突然不動産屋から電話が入る。 どうしたのだろう? 予定よりだいぶ早い。 もしかして気に入らなかったのだろうか?そんな考えが頭をよぎる。 「先方さん気に入られたそうで、他の方に取られても困るので決めたそうです」 「私も〇〇不動産の事務所に伺いますので、契約を纏めたいと思います。急ですが今週の土曜日は如何でしょう?」 良かった、想像とは真逆の答えが返ってきた。 「大丈夫ですよ、そこで直ぐに契約するんですか?」 「いえ、その場でまた説明をさせていただいて、納得されました

¥300

綿帽子 第四十六話

見学者がやって来た。 夫婦とその妹、子供が二人いて両親とも同居するらしい。 お袋と二人で…

sekirein
4か月前
11

綿帽子 第四十一話

春は瞬く間に過ぎ行き、多分近々夏が到来するであろうまだ四月後半。 継続している朝の散歩は…

sekirein
5か月前
8

綿帽子 第三十九話

あれから、仕掛けを覗きに毎日用水路に来ている。 特に変わった変化は見られない、一箇所だけ…

sekirein
5か月前
16

綿帽子 第三十七話

公会堂に向かって歩く日々が続く。 もはや到着して10分もすれば町人さん達がお出迎えに来るよ…

300
sekirein
6か月前
3

綿帽子 第三十五話

「先生、それでは鎮静をかけて抜歯をお願いします」 「分かりました、それではこれで手術の予…

sekirein
6か月前
10

綿帽子 第三十三話

「何の変哲もない日常に幸せなどない」 何の希望もない、希望を持つことができない日々。 そ…

sekirein
6か月前
5

綿帽子 第三十一話

「家を売りに出した」 約束の日までに再度税理士さんに連絡を取ってみたが、良い返事ではない。一度任せてみて、良くなければまた探してくれると言う。 それはきっとその場限りのことなんだろう。 人は弱気な時ほど何かに依存したくはなる。 親父のことを考える。 お袋は露骨に感情を露わにして「困っている時にあれだけ親父に世話になったのに、こちらが困っている時にこれは何だ?」と言っている。 言いたいことは良く分かるよ、俺だってそう思うさ。 経緯を知れば知るほどそう思うさ。 でもこ