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叔母は相変わらず首を縦に振ろうとはしなかったが、従兄妹たちの家の近くには住まないという条…
「おはよう」 「おはよう」 我が家は落ち着いている 「なんてことは起こり得ない!」 家に…
その日はやってきた。 お袋と二人足取りは重く、神妙な気分でタクシーに乗りこんだ。 車内で…
見学者がやって来た。 夫婦とその妹、子供が二人いて両親とも同居するらしい。 お袋と二人で…
公会堂に向かって歩く日々が続く。 もはや到着して10分もすれば町人さん達がお出迎えに来るよ…
季節が過ぎ行くのは早く、そして俺の歩みは遅い。 上手く伝えることはできないのだが、2月に…
「カミキリムシの憂鬱が続く」 夢を見てから連夜眠れない日々が続いている。 退院後、通っている精神科の主治医に後遺症の有無について尋ねてみたが、納得の行く回答は得られない。 それどころか、新しい薬を追加しようの一点張りで、それを拒否するという堂々巡りが続いている。 仕方がないので、ずっと頼りにしていた元々の主治医に電話をしてみた。 入院する直前まで通っていたので本来此方を頼るべきなのだが、俺は今電車に乗ることができないのだ。 親父の死後、東京に戻った俺は実家と自宅の往
1週間が過ぎた。 税理士さんからの連絡はない。 不動産屋から再度来宅したいと連絡が入る。 …
『ピンチの後には必ずチャンスがやって来る』 それは多分短期間には訪れない。 長く訪れない…
『残酷な向日葵が並んでいる』 元々厳しい残暑のおかげで季節外れに華々しく咲いていた向日葵…
帰り道、タクシーの中で今日という日を振り返る。 診察室で聞かされたことを頭の中で整理しな…
昨夜お風呂に入ってみた。 最後に入ってから2週間以上は経っている。 夏なのでシャワーだけ…
自宅に戻って二日が過ぎた。 今夜はカレーになる予定。 自分から夕食をリクエストした。 焼…
エレーベーターを降りて、正面玄関手前にある入退院受付を目指す。 お袋に肩を借りながら、なんとか待合室の受付の前にある長椅子まで辿り着いた。 困ったことにお袋が手続きができないらしい。 俺の方も認知能力がおかしくなっているのか、言葉を投げかけられても理解し難い場合がある。 相手の話す内容によっては瞬時の理解が乏しい。 恐らく長期間に渡って発熱していた為の後遺症だろうと感じてはいたが、戸惑いだけが俺の全てを支配している。