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『綿帽子』

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綿帽子というタイトルで書き綴っているエッセイです。 「親子とは何か?自分とは何か?」 永遠に答えが出なさそうで、案外知っていたりする事実をテーマに書き綴っております。自分の経験や…
無料記事に有料記事8本を含めた『綿帽子』第一部を纏めたマガジンです。
¥1,500
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#自分

綿帽子 第五十話

叔母は相変わらず首を縦に振ろうとはしなかったが、従兄妹たちの家の近くには住まないという条…

sekirein
4か月前
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綿帽子 第四十九話

「おはよう」 「おはよう」 我が家は落ち着いている 「なんてことは起こり得ない!」 家に…

sekirein
4か月前
16

綿帽子 第四十八話

その日はやってきた。 お袋と二人足取りは重く、神妙な気分でタクシーに乗りこんだ。 車内で…

sekirein
4か月前
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綿帽子 第四十六話

見学者がやって来た。 夫婦とその妹、子供が二人いて両親とも同居するらしい。 お袋と二人で…

sekirein
4か月前
11

綿帽子 第三十七話

公会堂に向かって歩く日々が続く。 もはや到着して10分もすれば町人さん達がお出迎えに来るよ…

300
sekirein
6か月前
3

綿帽子 第三十六話

季節が過ぎ行くのは早く、そして俺の歩みは遅い。 上手く伝えることはできないのだが、2月に…

sekirein
6か月前
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綿帽子 第三十四話

「カミキリムシの憂鬱が続く」 夢を見てから連夜眠れない日々が続いている。 退院後、通っている精神科の主治医に後遺症の有無について尋ねてみたが、納得の行く回答は得られない。 それどころか、新しい薬を追加しようの一点張りで、それを拒否するという堂々巡りが続いている。 仕方がないので、ずっと頼りにしていた元々の主治医に電話をしてみた。 入院する直前まで通っていたので本来此方を頼るべきなのだが、俺は今電車に乗ることができないのだ。 親父の死後、東京に戻った俺は実家と自宅の往

綿帽子 第三十話

1週間が過ぎた。 税理士さんからの連絡はない。 不動産屋から再度来宅したいと連絡が入る。 …

sekirein
6か月前
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綿帽子 第二十九話

『ピンチの後には必ずチャンスがやって来る』 それは多分短期間には訪れない。 長く訪れない…

sekirein
6か月前
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綿帽子 第二十七話

『残酷な向日葵が並んでいる』 元々厳しい残暑のおかげで季節外れに華々しく咲いていた向日葵…

sekirein
6か月前
8

綿帽子 第二十四話

帰り道、タクシーの中で今日という日を振り返る。 診察室で聞かされたことを頭の中で整理しな…

sekirein
7か月前
8

綿帽子 第二十二話

昨夜お風呂に入ってみた。 最後に入ってから2週間以上は経っている。 夏なのでシャワーだけ…

sekirein
7か月前
9

綿帽子 第二十一話

自宅に戻って二日が過ぎた。 今夜はカレーになる予定。 自分から夕食をリクエストした。 焼…

sekirein
7か月前
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綿帽子 第十九話

エレーベーターを降りて、正面玄関手前にある入退院受付を目指す。 お袋に肩を借りながら、なんとか待合室の受付の前にある長椅子まで辿り着いた。 困ったことにお袋が手続きができないらしい。 俺の方も認知能力がおかしくなっているのか、言葉を投げかけられても理解し難い場合がある。 相手の話す内容によっては瞬時の理解が乏しい。 恐らく長期間に渡って発熱していた為の後遺症だろうと感じてはいたが、戸惑いだけが俺の全てを支配している。