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どくしょかんそうぶん

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2022年5月の記事一覧

No. 10. 努力と苦労を分けること(グレッグ・マキューン「エフォートレス思考」)

No. 10. 努力と苦労を分けること(グレッグ・マキューン「エフォートレス思考」)

「大学院生になったんだから今まで以上にたくさん実験をするぞ!」そんな思いでせっせか実験をしていた。実験をする毎日。しかし考えてみれば私は実験をするために大学院に進学したのではなかった。発見をするために大学院に進学したのだ。

「どのように」やるかを極める 本書は「エッセンシャル思考」の著者グレッグ・マキューンの著作第二弾。本書曰くエッセンシャル思考は「何を」やるのかについての思考なのに対しエフォー

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No. 9. 難しい言葉も使えば分かるし役に立つ(齋藤孝「世界の見方が変わる50の概念」)

No. 9. 難しい言葉も使えば分かるし役に立つ(齋藤孝「世界の見方が変わる50の概念」)

突然ですが次の11ケタの数字、暗記できますか?
14916253649
かなり厳しいと思います。どうやら人間の短期記憶では7ケタ程度の数を覚えるのがやっとみたいです。でも、こう眺めてみてはどうでしょうか。
1 4 9 16 25 36 49
実はこの数字、2乗の数を並べて書いただけです。一見乱雑に見えることでもルールさえ掴むことができれば、案外簡単に見えたりするものです。

難しい”概念”を4ペー

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No. 8. 仕組みが分かる、世界が変わる(小高知宏「機械学習をめぐる冒険」)

No. 8. 仕組みが分かる、世界が変わる(小高知宏「機械学習をめぐる冒険」)

 2022年2月18日、文学賞「星新一賞」で初めてAIを使って執筆した小説が入選を果たしました。星新一といえば言わずと知れたショートショートの神様。そんな星新一の名を冠した文学賞でAIが書いた小説が入選というのはまさに星新一のショートショートのようです。

まずタイトルが好き 本書はそんな機械学習について誰でも分かりやすく全体図を知ることができる1冊です。余談ですがタイトルはおそらく村上春樹の小説

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右から読めば論語、左から読めばワンピース(No. 7. 箕輪厚介「死ぬこと以外かすり傷」)

右から読めば論語、左から読めばワンピース(No. 7. 箕輪厚介「死ぬこと以外かすり傷」)

 私が大学2年のとき祖父が言った「公務員は安定だ。せっかく大学行ったのなら公務員になれ」。同じ年、キレキレのビジネス書を読んだ。本の名前は避けておくがそこにはこんなことが書いてあった。「今の時代、公務員ほど不安定な職業はない」。どっちの言い分もなんとなく理解できる。さあ困った困った、いったい何を信じればいいのか。
・・・
あ、自分か。

真似のできないビジネス書に意味はあるのか?
 筆者の箕輪厚介

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No. 6. 太陽に向けてナイフを投げよ(田中秦延「会って、話すこと」)

No. 6. 太陽に向けてナイフを投げよ(田中秦延「会って、話すこと」)

 漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の単行本59巻「テレビでこんにちは! の巻」というお話をご存じだろうか。同話では主人公の両津勘吉がカメラ付きのテレビと電話回線を利用した“リモート同窓会”を実施する。まさに現代でいう“リモート飲み会”である。同エピソードが掲載されたのは1988年、当時の読者は滑稽な“ネタ”として読んでいただろうがおよそ30年後、そのネタはネタみたいなウイルスによって現実になる

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