読後に残る、涼やかな余韻。そんな言葉選びも、父の詩集の魅力です。
亡くなる3年ほど前に、姉妹家族で父を沖縄旅行へ連れて行ったことがありました。父の、最初で最後の飛行機体験でした。
旅行のあいだ中、父は本当に子どものようでした。
白いメッシュの帽子を斜めに被り、首里城の土産物屋が続く木陰の道を、幼い孫娘たちと手を繋いでとても楽しそうでした。
「やがて浮輪に身をあずけて波にほんろうされている間に、ひょっとして神よ、わたしはあなたの本当の舞台をかいま見たかもしれない」
父は沖縄の海も満喫していたのでしょうね。私たちは、幼い娘たちの着替えを用意し