読後に残る、涼やかな余韻。そんな言葉選びも、父の詩集の魅力です。
亡くなる3年ほど前に、姉妹家族で父を沖縄旅行へ連れて行ったことがありました。父の、最初で最後の飛行機体験でした。
旅行のあいだ中、父は本当に子どものようでした。
白いメッシュの帽子を斜めに被り、首里城の土産物屋が続く木陰の道を、幼い孫娘たちと手を繋いでとても楽しそうでした。
「やがて浮輪に身をあずけて波にほんろうされている間に、ひょっとして神よ、わたしはあなたの本当の舞台をかいま見たかもしれない」
父は沖縄の海も満喫していたのでしょうね。私たちは、幼い娘たちの着替えを用意したり、ビデオ撮影に翻弄していて、父が浮き輪で海をぷかぷか浮かんでいたなんて、よく覚えていませんでしたが。
そんな時も、父は、ずっと神様(この世界を作り、生命を授けてくれた)の存在を感じながら、青い空や水平線や珊瑚の砂浜や風を見つめていたのだなあと、今になって思いながらこのエッセイを読みました。
「孫娘たちが見残した名残りの月」
「時間にも場所にもかかわりのない、いつもの月」
読み手に涼やかな余韻を残す、父の言葉選び。
父・佐佐木政治の世界観を、感じていただければと思います。
何度も読み返してみたくなる詩集。
ぜひ、全編通して読んでいただきたいです。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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亡父の詩集を改めて本にしてあげたいと思って色々やっています。楽しみながら、でも、私の活動が誰かの役に立つものでありたいと願って日々、奮闘しています。