見出し画像

天使の羽

私はまるで翼をなくした天使のようだ
動かなくなった翼はそこにあるはずなのに
見えることはない

なんど飛ぼうとしても失敗しては
「なぜ誰も翼をくれないんだ」と嘆く
本当はあるはずの翼に目もくれず
動かそうともせず
ただ泣いて また一日を終える

「君の翼はあるじゃないか どうして動かさないんだ」
周りの冷たい視線は私をおかしくさせる
「だってないんだから」
そう訴えるが誰も信じてくれない

信じてないのは「自分」なことにも気づけない私だった。

「しっかり前を見て 背筋を伸ばして 肩を広げて」
見えないと言い続ける私に声をかける天使がやってきた
「そんなことをしたって 翼はないんだ」と私が言っても

「大丈夫、僕を信じて」

そういうと天使は飛び方を教えてくれる
うまく力が入らない私のそばで応援してくれる

自分はどうしたいんだ
どうなりたかったんだ

ふと見た鏡に映る自分を見て驚いた
こんなにも悲しみを背負った顔をしていたのかって
だから彼の言葉を信じて翼を動かしてみた

私には見えない翼が 
広がった気がした


あとがき
鏡を見る回数が年々減っていき
久々に見た自分の全身姿に驚愕し
私の天使の羽はどこだと探すが
見当たらず
youtubeで天使の羽を探す旅をしています

天使の羽よ、私のもとへ帰ってきて

これは、世にも悲しい
私の肩甲骨(天使の羽)のお話でした

いいなと思ったら応援しよう!

SAI - 青の世界と物語
儚く/美しく/繊細で/生きる/葛藤/幻想的で/勇敢な 詩や物語を作る糧となります