2023年3月の記事一覧
【読書ノート】「そして、バトンは渡された」
瀬尾まいこ著
かなり、ありえない設定の極めて平和な物語なのだけど、親が子供のために何通も送った手紙が心に刺さった。
映画を先に見ていたのだけど、ストーリーの方向性は、少し違っていた。映画の方が、より切なさは、強調されていたと思う。
親子関係について、私が、思うに、
子供の目線で考えると、育ててくれた親というのは、いつまでも親だと思っていた。
親の目線で考えると、子供が成人して、独立して働
【読書ノート】『シャンデリア』
シャンデリア
川上未映子著
デパートの描写が、素晴らしく、印象的だった。デパート好きにしか書けないような細かな表現に驚いた。
大金が入って、デパート通いを始めたのだけど、いくら消費しても、虚しくなってしまうという話。
宝石とか、高級時計、ブランドもののバックとか、比較的高額なものを購入したあとの罪悪感、それから、ものでは、埋め合わせることができない寂しさというか、人恋しさ、みたいなものが、表
【読書ノート】「痴人の愛」
「痴人の愛」
谷崎潤一郎著
主人公は河合譲治という男性。
将来自分の妻にするつもりで自分の理想の女性に育てようと15歳の少女「ナオミ」を自宅に引き取り、英語や音楽を学ばせるのだけど、もともと、頭は、よくないらしく、自分の理想から、外れていくのだけど、肉体関係を持ち、溺れていくのは、主人公の譲治の方で、ナオミは、手の付けようがない性悪淫乱娘に豹変してしまう。彼女を服従させるどころか、譲治の方が服従