【書評】田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな!』を読む。アホと戦ったらアホですよ
ロッシーです。
『頭に来てもアホとは戦うな!』(田村耕太郎著)を読みました。
もともと、著者の『地政学が最強の教養である』が非常に面白かったので本書も読もうと思ったのですが、
「なぜ、地政学の本を書く人が、人間関係に関する本を書いたのだろう?」
と疑問に思っていました。
以下は私の勝手な推測です。
個人と個人の関係が人間関係であり、国家と国家の関係についての学問が地政学です。つまり、個人か国家というレイヤーの違いはあるとしても、著者はそのような関係性について書きたかったのではないか、と思いました。
結局のところ、個人、組織、国家・・・それらは単独で成立しているものではなく、それらをつなぐ関係性によって成り立っています。であれば、その関係性に対する理解を深めることは非常に有意義ですし、逆にそれらの理解が不足していると、この先サバイバルすることは難しくなるだろうなと思います。
さて、サバイバルという観点からすると、アホを相手に無駄な時間と労力を費やすことは最も避けなければなりません。ついつい私たちはアホと戦ってしまいがちですが、そういう行為をしてしまう自分自身が本当のアホなのです。
「アホと戦う自分がアホ」
そういうことを今一度しっかりと認識する意味でも、本書を読む意義があると思います。
本書の冒頭に、
「孫氏の兵法が現代実社会版になったのがこの本だと自負している。」
との記載がありますが、確かにそれに通ずるものがあります。私自身『老子』が好きなので、本書で書かれていることは非常に納得のいくものばかりでした。
以下、自分のための備忘録として記載します。
アホと戦うことで自分の貴重なリソースを無駄遣いするな
いかなるときも等身大の自分を見失わないこと
コオロギを使った実験➡臆病で戦いを避ける者が、戦闘的な者より生き残る確率が高い
空手より合気道。相手の力をうまく使う。
人は、自分に刃向かってきた来た奴を許さない。
人生で一番大事な素養は「忍耐力」
瞬時に反応してはいけない
対人関係において「敵」という発想は不要
嫌いな人と無理に親しく話す必要はないが、コミュニケーションを取り、それ以上関係を悪化させないこと
頭のいい人は世の中に掃いて捨てるほどいるが、大事なのは「相手の気持ちを見抜く力」。相手の気持ちを理解し、相手の立場に立つこと。
腰を低くする(ただし結果を出してこそ効果がある)
物事に一喜一憂せずに淡々としている者が最後には勝つ
「シニカルにものを見るのがボケないで長生きする秘訣だ」by リー・クワンユー元首相
アホと戦う暇があったら自分と向き合え
小さな戦闘で一喜一憂するのではなく、大きな戦いに勝つべく、淡々と戦略的に生きる
得意澹然、失意泰然(とくいたんぜん、しついたいぜん)
個人的には、「一喜一憂しないメンタル」が一番重要なのではないかと感じます。
この世は平等でも公平でもなく不条理なものです。そして、変化せずにいられないものなどなく、全ては諸行無常です。だからこそ、一喜一憂せずに淡々と歩み続けるようにしたいですね。
アホとついつい戦ってしまう方は、ぜひ一度読んでみてください。きっと戦わないことの重要性について腹落ちすること間違いありません。
最後までお読みいただきありがとうございます。
Thank you for reading!