- 運営しているクリエイター
#詩のようなもの
枝
陽が当たらなくなった枝を
樹はいずれ落とします
それだからといってその枝は
はじめから要らなかったかというと
それは違います
その枝がなくても樹は生きていける
ようになったのです
鏡に映る私みたいな像はいったいなんなのか
鏡に映る私みたいな像は
いったいなんなのか?
私はときどき考える
いや、
正確には考えるのを
ときどきにしている
だってこのこの疑問はひどく魅力的で、いくらでも考えることができて頭が変になりそうだから
鏡を見るときに私は私をみようとしている
けれども私は自然体の私をみることはできない
だって鏡を見るときには無意識のうちにいい顔作ろうとしている
目なんてちょっとぱっちりしてるんじゃない
【詩のようなもの】豆腐を買いにゆく心理
女は
疲れたのだ
言い争いにも
話し合いにも
繰り返しても
また同じこと
消えてしまいたい
もはやその心情を
説明する気力もない
けれども
ほんのわずかだが
また戻って来れそうな
感覚もある
家路ににつながるその細い
感覚の糸の感触を
たしかめるため外に出る
黄昏時の哀しげな
ラッパの音に誘われて
桶を片手に外に出る
ちょっと豆腐を買ってくる