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見えたピアノ

 ゆるゆると 船が一艘通るだろう、 そして、僕たちの足さえも 赤くなるとき、 そんなときを目指して刺しに行く  一頭の子熊を狩る狩人がいるだろう。  その子熊は、永遠ともいわれる。  いわれるとして、それが実際そうであるかは わからぬものである。と、誰かが思いつめたように いっている のそのそと  匍匐する、それは 存在のわからない  塊だとしても、嘘はつくなと  みながいう。しかし、わたしも  朝日のなかを 黄金を隠すために  体操して どうにか歩いたのを  思いだしていた

    • 低温やけど

       手を繋ぐと  わらわらと 日記が出てくる 手のひらの穴  から、  そこにあるような そこにないような  手抜かりのない幸福や  無数の口笛にいつも   わたしたちは 困難を感じている  創作するとき料理の基本を忘れちゃ  いけないよ。といいあった人がいる  日本語は笑いつづけた  人にもある。しかし、なにをいっているか  わからない  落ち込んだ夜空のなかを  ずざざと なにかが戯れに動いている。  しゅるると音もするなあ  漁師は   肺のなかを動いていた  、なんだ

      • 暴走していたい

         天然色の自殺をしたい  そんなことをしなくては  世界は肯定しえない  もうだって生きることはつまらないから。  らしいよという。ある目たち  わたしはそれを  じっくりと茹でた なぜだろう、  今日のキッチンにそれを置く 置くと  永遠がこっそりと入れてくれという  一人ぼっちの食卓だから  それくらいという少女は  途端にわたしではなくなり  わたしは放り出された それを  なんというのかな 

        • 頂点の愛撫について

           皮膚が蠢くその速度を  丁寧に書きとる母のために  夕暮れはあるかのように偽装する。  天然色の糞だけが、 夢のなかを  犯罪から守ってくれた でなくては ならないだろう。 その外側にある 固有の体積   それはすでに 内側で歯を嫉妬している  歯はそれに  すでに愛されている そのそれは  あらゆるものを代入可能な  宇宙である。  そのときこそ、わたしたちが  外へと宇宙を刻みつけ あらゆる 妊娠が割れていく   大きな風景画を用意してくれるのだろう。  このもっとも許

          命令としての靴

           ゆっくりと膨らんだ その鼠たちに  なにをいおうかとわたしはいった  そこにある  幸福の予感は 徹底的に笑っていた  その日々を美しくトレースすると  猫はわたしになった  こっちからそっちへと いくくらい  なんてことはないのですから…  というべきか、いわないべきか 「結婚式はつねに柔らかいものです。  でもそんなあなたのために、腹立たしくなるときもあるでしょう。そのときは鯨を取りに行きましょう」 という名スピーチの例文がのった例文集。  これはなぜだが、結婚式では

          命令としての靴

          堤防のあと

           テレビがある テレビがそこにある  テレビがそこにあるのを見ている  チカチカついたり消えたりする  わたしには それがなにを いっているか  ときどきわからないときもある  日本語だからか  いや外国語だからか  わたしは降りていく 降りた  そういったらいい なにをだ?  天の星は輝いている  美しい 美しかったらそれがなにか?  わからない、わかるわけではない  こっちからそよへと  みんながなにかをいうのだ  そうとしか思えない  思えないから  わたしには 不安

          堤防のあと

          余白についての考察

           なにか、わからないが、  とにかくそれに取り組むたびに 猫が  あらわれ わたしたちを苦しめる  そんなこともあったようなのだ  せめてわたしにだけは  なにかをいってほしかった  なにかとはなんだろうか?  わたしはわかりはしないが、それをわかりたい  わかりたいらしいのだ。  わたしは、部屋にいる 部屋にいると  眠くなる 眠くなるたびに糞を掘り進めた  どこか わからないものを  ちゃんと知ってしまうことだ  わたしにはわたしがいるということか  わたしだけはあなたの

          余白についての考察

          チャンピオンと言葉

           わたし、わたしは  なにかしています ぐっすり寝ています  ぐっすりですか? そうです  ぐっすりです  私は紙袋を持っています 紙袋は十円で買えます  わたしはなんだか眠くなりました  わたしは知りません  歯医者のことなんか… とかなんとか…  いいましたがね、  いいましたよ まあいいですよ  それのために書いてますから  わたしは、  歯ブラシをください っていいました  そのために  四日分は支離滅裂でした  チャンピオンになりたい人は  そこかしこにいて  そこ

          チャンピオンと言葉

          夢のフォースター

           手を掴むものを  そこへと 落としかねない歯ブラシたち  そのための 余熱的発話は  煌々とした雌しべに流行る売春婦の杖  そのとき そこへと 落ち込むもの  たち それをどうあなたは  ねずみ色に  和らげるか(といわれ 小岩井  にじっと佇む吐き気する それに 本が一冊も売れない!  なのに、  なのにですが さっきから  みんな  命の苦しみを履き違えてないか  というと 頷くそいつ  そいつの相手 馬鈴薯  それを 食うな けっして二度と食うな  地軸がずれる  

          夢のフォースター

          素ラーメン

           手伝っている人もいる 手伝わない人もいる  そのためにわたしは  テレビのようなものをくっつかせた。  なんのため?わたしにはわからない  わからないなりに  わたしはわかる気がする とにかく  そこへそこへと  進んでいく シティズンという発話者たち    わたしはいう。 「あなたはちょっとばかし、疲れてませんか?」 と。  わたしはそういった 彼女たちは  泣いていただろう。泣いていただろう  わたしは、それが悲しくて仕方がない  仕方がないが、  どうしろっていうんだ

          素ラーメン

          わたしたち

           わたしは歯がない。  そんなことはない  わたしは、手を掴む人を見たことがある  手を掴む人はじっとわたしを見ている  じっと私を見ている  そのときわたしは私になる    少しだけ眠ること 眠ることは  放課後に似ている わたしは歯ブラシを買い替え  喉に落ちてくるいろんな悪魔  それがあることを知っているのだけれど  わたしはちゃんとは知らなくて  空に落っこちる人というのも  落っこちない人というのも  興奮してる君のための口になる  頂上から落ちた花は  きっ

          わたしたち

          小説(3回目)

           わたしは、ふらふらとしていた。  野山を歩きに行く日だった。わたしは、そんな日だったのに、雨が降りそうだということにつまずいた。    しかし、わたしは、そのつまずきを治すことにした。  わたしは、それを、意識し言葉にした。「そんなことは思うな。病は気から、というじゃないか」 と。  わたしはそんなことをいった。  わたしがそんなことをいうと、私はそんな気になった。  結果的に雨は降ることがなかった。  わたしは、雨が降らないなか、野山を駆け巡った。すると、途中、猟犬を連れ

          小説(3回目)

          小説(2回目)

           わたしは、歯が抜けそうになった。

          小説(2回目)

          小説(1回目)

           わたしは、歯ブラシをしていた。  なぜ?わたしはそれは歯を磨くためだと知っている。  歯ブラシをしたのは、わたしの歯が汚いからだ。  酔うとこんな感じでわたしは気怠くなってしまい、頭で実況中継をするのだった。当たり前の自明なことを繰り返してしまう。    

          小説(1回目)

          操り人形の責任

           すこし思うこと。  わたしは、病気だ、という人に入るだろう。病気が、なにかの弱さや、困りごとを意味するならそうだ。  問題は、病気というものの原因によって、わたしたちが責任を回避しうる装置として、病気があるように思えることだ。  病気があることで、わたしたちは、病気のせいですといえる。わたしたちは、ものごとの因果関係をつけたくなる。それは、責任を抱え込まないという方法なのではないかと思う。  心の病では、ときに、あなたの心の弱さのせいであり、心はコントロールできるからあなた

          操り人形の責任

          放課後の経済学

           熱が出てくる 熱が潰れた  それをどこへ出荷するか 5分  それだけ考えればなんだってわかるはず  あいつの思考の屈折なども  わたしは歯を一本抜いた  抜くと空が大きい気がした しかし、  空を掴んだことはないので そのどこが  大事なことなのか わからない  ここにあるコンポーネント  コンポーネントとは?というけど  わたしもわからないそれ を手に持つことは  できないでいる  潰れた 潰れてる虫食い  ここにある なにが? なにかが  少しだけある わたしはうご

          放課後の経済学