放課後の経済学

 熱が出てくる 熱が潰れた
 それをどこへ出荷するか 5分
 それだけ考えればなんだってわかるはず
 あいつの思考の屈折なども

 わたしは歯を一本抜いた
 抜くと空が大きい気がした しかし、
 空を掴んだことはないので そのどこが
 大事なことなのか わからない
 ここにあるコンポーネント
 コンポーネントとは?というけど
 わたしもわからないそれ を手に持つことは
 できないでいる

 潰れた 潰れてる虫食い
 ここにある なにが? なにかが
 少しだけある わたしはうごめく
 なんのため? それはわからない
 わからないけど蠢いている
 それをわかるために名前がいる 名前はまだない

 「なあ?なあ?」
「なに?、なに?なにかわたし楽しかった」
「そうかい、よかったな兄ちゃん」
 本当によかったろうか?
 わたしはたとえばひび割れた糞を
 一つも捨てないで肥料にした 農家のやること
 いや こんな古典的なことを
 するだろうか?わたしにはわからないけれど
 まあいいんだ。その空を
 克明にキャッチできれば
 よくはないかしら? しかし、死ぬことなんか
 天体観測の次くらいに珍しいことだと思う
 崩折れたわたしのための資本論

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