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大衆か、個人か。

――僕は、「大衆派」です。より多くの人に向けた発信をしていきたいし、より多くの人の心を動かせる作品をつくっていきたいし、そういう人で在りたいのです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「大衆か、個人か。」というテーマで話していこうと思います。



📚「はじめての読書会」へ

昨日、茨城県日立駅のそばにある「O'keeffe」という本のあるカフェで、「はじめての読書会」が開かれました。「チーズケーキの彼」という方が主催の読書会で、ひとりあたり5分から10分かけておすすめの本を紹介し合うのです。

元々「チーズケーキの彼」のことは小耳に挟んでいて、いつか会いたいなと思っていたし、そもそも本の集まる場所にはできる限り立ち寄っておきたい人ですから、タイミングを見つけてO‘keeffeに伺いたかったし、「はじめての読書会」に参加したかったのです。

そんなこんなで伺ったのですが、店の雰囲気はとても良かったし、チーズケーキはおいしかったし、「チーズケーキの彼」には良い意味で想像を裏切られて、その佇まいや言葉の運び方に惹かれるものがありました。他の参加者に紹介されて読んでみたいなと思う本にもたくさん巡り会えたのでよかったです。

ちなみに、昨日僕が紹介したのは、『芥川桃太郎の桃太郎』『ふたりのももたろう』。どちらも比較的最近に出版された「桃太郎」の絵本です。このnoteをよく読んで下さっている方なら呆れるほどに聞いてきたと思いますが、今の僕のマイブームは「桃太郎」なので、読書会でもそれにまつわる本を紹介したというわけです。

さて、参加者のなかには、去年からお世話になっている住み開きシェアハウス「はちとご」の管理人のはやぶささんもいて、帰りは彼の車に乗せていっていただくことになりました。小一時間といったところでしょうか、車中、僕とはやぶささんは対話をしていたんです。久しぶりに、確かに、「本」「創作」「生きる」に対するお互いの視点を語り合っていたのです。

僕とはやぶささんの根本的に違うところが明確にあって、それは、「大衆か、個人か」に対する視点なのです。


📚大衆か、個人か

結論からいうと、僕が「大衆派」で、はやぶささんが「個人派」なんですね。ここでいう「大衆派」とは、多くの人に向けられたものを好むということで、「個人派」とは、限定的な人に向けられたものを好むということです。

音楽に関していえば、僕はMステに出演するようなアーティストの音楽を好みますが、はやぶささんはインディーズバンドが好きなんですよね。

それは本に関してもそうで、僕はより多くの人が注目しているような本を読みがちですが、はやぶささんはいわゆる独立系書店に並ぶような本、あるいは、自費出版された本やとある店でしか売られていないような本を好むんです。最近は僕もはやぶささんをはじめ周りの環境に影響されて、「個人派」の本に魅せられることもあるのですが、本質的にはやっぱり「大衆派」で、それが僕の活動や創作に対する姿勢にも表れているんです。

このnoteひとつをとってもそうで、僕の記事は、「限定的な人が好いてくれるといいな」「こっそり読んでもらえるような、しかし確かに拠り所となるような文章を書きたいな」ではなくて、より多くの人に伝わるように書くことを意識しているんですよね。僕に依存する話題をテーマにするときも、どうにか普遍的な話に持っていきたいし、共感を生むような展開にしようという意識が働いてしまうのです。


📚だから僕は、「桃太郎」

「大衆か、個人か」という二項対立はありますが、どちらが良い悪いではなく、結局好みの話になってくるので、自分の好きな方へ寄っていけばいいんだと思います。「大衆派」が「個人派」を軽視するのは絶対に違うし、その逆もしかり。どちらにもそれぞれの良さがあり、それぞれを好む人が一定する存在するのです。

僕は、「大衆派」です。より多くの人に向けた発信をしていきたいし、より多くの人の心を動かせる作品をつくっていきたいし、そういう人で在りたいのです。

だから僕は、「桃太郎」なのです。「桃太郎」というコンテンツに可能性を見出し、そこにあやかって、より多くの人に向けた発信、活動、作品づくりをしているのです。

2年前にその物語に魅せられてからめちゃくちゃ「桃太郎」について調べて、たくさんの人の力を借りながら「桃太郎」の物語を再創作して、卒業研究のテーマに「桃太郎」を掲げ、読書会で「桃太郎」の絵本を紹介し、今度、「BOOK TALK LIVE “桃太郎”」というイベントを開いて「桃太郎」について物語りにいくのです。

日本人なら誰もが知っている「桃太郎」は、「大衆派」の僕からしたらいちばんといってもいいほど憧れの存在で、物語通りのヒーローなのです。「桃太郎」にぞっこんになっているのは、もちろん僕が興味関心を惹かれたからだし、メスを入れる余白があったからではありますが、潜在的に、「大衆派」のシンボルのような存在にすがりたくなったのでしょう。それを踏まえると、やっぱり僕は「大衆派」の人間なんだなと思い直しました。

さっきも話したように、まわりの影響もあり、最近の僕は「個人派」の意識も芽生えつつあって、活動や作品づくりにおいてもそれが見られると内省しているんです。それこそ昨日のように読書会に参加したり、自分でもそういうイベントを小さく開いたりしてきたんですね。それを悪いことだとは思っていないし、「個人派」の道も悪くないなと思うくらいに魅せられているんですが、それでも僕がやっぱり本当に追求したいのは、マス。より多くの人の心を動かしにいきたいんですよね。

「BOOK TALK LIVE "桃太郎"」は、そういうイベントにしてきたいと考えています。「大衆派」の僕はとことん「大衆派」の道を歩んでいくという決意表明でした。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20240219 横山黎



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