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れいあむ
2023年9月4日 20:58
いちばんひどい時代に生まれて、いちばん大切な時期を無駄に過ごして、いま、いちばん大事な時間をどぶに捨てながら、大人になることも、子どもになることも、男になることも女になることもなく、周りに哀しみと憎しみを撒き散らして、ただ、ただひたすら、醜く死んでいく祝福されて生まれた、昔のわたし
2022年10月5日 13:13
初句, 連想短歌 by RIUM***目の前の目の前の薬10錠を酒で飲み「何処にも行くな」と口吻る、君***何もかも何もかも忘れる明日の僕のこと冬の花火の報せが殴る***「嘘」胸に咲く芙蓉の熱にうなされてLINEにのせる「別れたい、かも」***こうやってこうやって親指ひとつで買える愛 役目を終えたら元に戻して***何年も何年も傍にいる気がしてたけどひと月目だね ふわふ
2022年9月15日 15:21
初句, 連想短歌 by RIUM***少しだけ少しだけ湿気の抜けた教室で見つけた傘になりたくて泣く***とりあえずとりあえずビールを頼んでいたぼくの横 薬のようにうたた寝の君***「記憶」たちどまる 瞼裏の虹のいろどりのあざやかなほど打水遠のく***最後まで最後まで呑み込むガラスの感情論ぼくの胃の中凝って割れて***「ドラえもん」キミと会うかわいい色したあの扉 作りた
2022年8月30日 02:11
初句, 連想短歌 by RIUM***落ちていく落ちていく眠りの淵は陶器肌 君といたくて爪たてるぼく***いくつものいくつもの見知らぬ貌をする夏のまあるい果実滴るは喉***もうすぐでもうすぐで真昼の月の海に着く 重ねた指に波粒、きらり***空っぽの空っぽの器みたいな太陽光 あれを目指してぼくらゆくんだ***振り向いて振り向いて「だあれ」とくるり、夕間暮れだれもいない
2022年8月30日 01:50
初句, 連想短歌 by RIUM***地元には地元にはないルールでする大富豪 炭酸水の向こうの線路***イメージ詠遠ざかる街を背中に町へゆく そこにはなにもない僕がいる***来週の来週のきみの隣を予約しただれかのキャンセル待ちしてるぼく***イメージ詠知らぬ間になくなるひとつの優しさとつめたく静かな24時間***きっとまたきっとまたうしなうはずの涙雲寄り添う影がひとつ
2022年8月11日 09:48
初句, 連想短歌 by RIUM ***イメージ詠蝶結び君と結んだあの日からほどける絆をこわがる私は***特別な特別なあなたのそばに造られたどこにでもいるふつうのあたし***こうやってこうやって大切なものになってしまういつか離れるふたりと知っても***イメージ詠(あとすこし)(もうすこし、だけ)願うたび光にちらつく埃の絶望***ミニチュアのミニチュアの希望を抱いて微睡
2022年8月11日 09:46
初句, 連想短歌 by RIUM ***イメージ詠(これがある)(まだ大丈夫)と目を閉じて失望・絶望 また陽は昇る***ヒーロー君の背を透かし見つめる世界には向日葵の花がくるくる咲(わら)う***イメージ詠なにとなく差し出す傘に入った日 天上の青 きみを思ゆる***夢でだけ夢でだけ靭くあれる僕たちのNumericな夏がはじまる***イメージ詠「卵いる?」あなたの投げた
2022年7月29日 07:35
初句, 連想短歌 by RIUM***イメージ詠雲の峰夢路の涯のその果てのかそけき日々に別れを告げて***あなたにはあなたには知られぬままに変わりゆく笑顔のままできれいなままで***イメージ詠ぱたぱたと軽やかな音でやってきた オリーブとワイン?愛でも語る?***図書館で図書館で音のあふるるまばゆさに目をとじみればきみの栞が、***イメージ詠青空も太陽さえも失なってゴモ
2022年6月27日 10:40
テーマ by うたの日***『虫』みみみみみつんざく音の気配して駆けだす子らはビルに消えゆく***『遠』「遠心力みたい」といわれよろこんだ離ればなれの恋のおしまい***『六』忘れじの六連星(すばる)散りゆく瞼裏(まなうら)に透けて降りつむ月の光は***『つき』「うそつき」と目をうるませて睨むから「月がきれい」とまた背をつつき***『エルヴィス・プレスリー』笑わない祖父
2022年6月14日 09:51
初句, 連想短歌 by RIUM***バス停でバス停で蝶道の先を見据えてるきっとやつらは氷も知らない***また明日「また明日」言えるほどには近くなく背中合わせの温もりばかり***生きてれば「生きてればいろいろある」のいろいろがあるだけいいと瓶投げる夏***カーテンがカーテンがひるがえるごとに遠ざかる夏の夕立波に消ゆ***イメージ詠「これ、いるか」出てきた瓶は水色で常よ
2022年6月14日 09:39
「プロキオン、薬のようだ」俯いた君のスマホを叩きつけたい傷痕のかたちが違うと君笑う滲み出る血を隠したままで夏の宵届く祈りの名の拒絶氷の溶けた珈琲ぽとり雨あがり滴も落ちぬ傘の先いざやいざやと金銀花哀しみに寄り添うことができるから貴方じゃなくて猫が好きですそで下の思わぬ白さに手を離す次来るバスの終点は海かぎろいの四葩の花のそのあとの滴のような君の優しさ変わりゆく時に流され縋りつく母の靭さ
2022年6月2日 16:29
短歌誌「うたそら」第8号***自由詠「亡き祖父へ捧ぐミルクキャラメル」花埋み冷たく閉じたくちびるに末期の雫のコカ・コーラとどかない語尾まちがいの流行り歌窓の外には春がほころぶ担い手の背さえも丸く頼りなく揺れる棺が空へ旅立つ箸先でからりとまろぶ骨の音に白百合の茎の緑が滲むあなたなら笑ってくれると信じてる位牌がわりのチョコレート豆蔦の枯れゆく松の盆栽に水遣りをする影ひとつなく主人な
2022年6月2日 15:57
短歌誌「うたそら」第7号(第5・6号は詠草せず)***自由詠「雪にうそぶく」"すきでした"見知らぬひとの片恋の叶わぬを知る春の机で独り咳隨にくゆる白梅の酸いか甘いか如月のよるあけめやみ往きつ戻りつ笑い声SOSならあの日出してた六片のつめたいほどの優しさを知りたくなくて不惑になって風すさび雪すさびてもいつの日か花はひらくと胸にさだめて「路さえもあやしくなった」と祖父の云う皺くちゃの
2022年6月1日 12:55
短歌誌「うたそら」第4号(第3号は詠草せず)*** 自由詠「ライラック」鍵忘れ財布忘れてヘルプコール 私のことも忘れていいのに咳つのる母の背をあたためて家を出る日を決めた夏の夜この先は自分で歩くね 大丈夫、すこし前を行く人もいる無事ですか おんなじ空を生きている 連絡先も知らないけれど透明の超えちゃいけない壁がある かたちにしても、こころにしてもマスク越し 繰り返してる「好きです