松本凜

物書きして投稿していきます。 エッセイ/小説

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【小説】もう犬は吠えない ③

実話をもとに書いた小説です。犬の吠え声によるご近所トラブルで、早苗の精神は壊れていきます。  早苗の家の犬、コロは外飼いだ。夜中にヘルパーさんに来てもらうようになってから吠えが始まった。ヘルパーさんに辞めてもらっても、何かのきっかけで吠えまくり、何時間でも吠えていることがあった。  コロの吠えはエスカレートしていった。隣の家をずっと見張っていて、人の出入りがあるたびに吠えた。家の人に、宅配の人に。  もちろん自分の家への人の出入りには、以前から吠えていた。しかしこの頃から

    • もう犬は吠えない ②

      犬の吠え声によるご近所トラブルで早苗の精神は壊れていきます。実話をもとに書いた小説です。  寝たきりの義父のおむつ替えにヘルパーさんが来てくれている。毎日午前2時。  ヘルパーさんが来るとうちの犬が吠えた。午前2時にだ。  ああ吠えたと早苗は絶望的な気持ちになるのだった。  そしてその電話が決定打となった。それまでも2度ほど無言電話があり、早苗は嫌な予感がしていたのだ。  電話口の女の人は、少し申し訳なさそうに言った。 「あのー、夜中に犬が吠えるの、なんとかしてもらえない

      • 【小説】もう犬は吠えない ①

        実話をもとに書いた小説です。犬の吠え声によるご近所トラブルで、早苗の精神は壊れていきます。  早苗は犬を飼っている。6歳になる柴犬だ。名前はコロという。  柴犬の犬らしさが好きだ。ミニチュアダックスフンドやトイプードルなどはちゃらちゃらした感じがする。夫の敏和は犬は外につないでおくものといって、最初から家の中で飼う想定はしていなかった。その点でも柴犬はよかった。犬は庭の農機具小屋の前につないである。  早苗は朝夕、犬を連れて界隈を歩く。彼女は54歳。ボランティアとヘルパー

        • 私のnoteにいいねをつけてくださった方、フォローしてくださった方へ

          私のnoteをどなたかがなんとかいうので紹介してくださったようで私の記事に急にいいねがつき始め、たくさんの方がフォローをしてくださるようになりました。 私のようなおばあさんが細々と日々の出来事を書き連ねているだけのnoteにこんなにたくさんの人がフォローを、と思うとうれしさももちろんありますが、それよりもえらいこっちゃという気持ちの方が大きいです。 いいねはいつも5つとか6つで、フォロワーさんは20人くらいでした。 フォロワーさんは大切な人たちですので、時間の許す限り全員のを

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        記事

          自分がダメダメでしゅんとなったけれど、ほかの人が元気になった話 ②

          私は人前で話すことが苦手です。 なのに仕事は人前で話すことだったのです。 当然うまくいきませんでした。 10年がんばって辞めました。 もう決して人前でしゃべらないと決めて。   さてその後は今の仕事(ヘルパー)をしながら趣味で同人誌をしているわけですが、いまどき同人誌をしているなんて皆老人なわけです。 ああなったりこうなったりの訳で、人が減っていきます。 で、同人誌作品の合評会の司会をせよとお達しがあったわけです。 人前でしゃべれない私が司会なんてできるわけありません。 それ

          自分がダメダメでしゅんとなったけれど、ほかの人が元気になった話 ②

          自分がダメダメでしゅんとなったけれど、ほかの人が元気になっちゃった話①

          先日娘と孫2人と温水プールへ行きました。 娘は孫2人が違うことをしたいと言った時、1人は私に託せると思ったようです。 プールなので見ていないと恐いからとも言いました。 とにかくそんなこんなでプールに行ったわけです。   入って少しするとお兄ちゃんは流れるプールに、妹はちびっこプールに行きたいと言います。 「お母さん、じゃ、お兄ちゃんと流れるプールに」 と娘が言うとすぐ、 「いやだ」 お兄ちゃんが言いました。 「ママがいい」 娘は「じゃ、さきちゃん(妹)、ばぁばとちびっこプール

          自分がダメダメでしゅんとなったけれど、ほかの人が元気になっちゃった話①

          小さな幸せ

          私は仕事で、高齢者に弁当を配達しています。 配達は安否確認を兼ねており、配達時間と利用者さんの様子を書くようになっています。 今日ね、 その用紙にね、 11/11  11:11 って書いたのよ。 ちょうど、11時11分だったのでね。

          小さな幸せ

          「〇んぜん運転」←〇には何が入るでしょう

          ラジオを聞いていたら「考え事をしながら運転することを、漫然運転と言います。漫然運転はやめましょう」と注意喚起があった。 漫然運転。 安全運転とかけたなと思った私は、「〇んぜん運転」が他にないか考え始めてしまった。(まさにそれが漫然運転なのだが) さていくつかありそうだったので、ハライチ(お笑い芸人 知らなくてもOK)の漫才風に読んでください。   完全運転 完全ですね。完全に安全運転してくださいね。 健全運転 完全に安全運転するのは健全ということで。すばらしいですね。 婚前運

          「〇んぜん運転」←〇には何が入るでしょう

          ある日、地下鉄車内でのささやかな攻防について

          地下鉄に乗りました。 座席は6~7割がうまっている感じ。 だから、分かるだろうが。 立ってるってことは、座らなくていいってことなんだよ。 私が立っているすぐ横の高校生が、ちらっとこっちを見て急にそわそわし始めました。 ま、まさか。 まさかおばあさんに席をゆずらないとと思ってやしないか。 高校生はそわそわしつつもなかなか立ち上がれないでいます。 そうだよ。 それでいいんだよ。 私はおばあさんじゃないんだよ。 席ゆずってくれなくてもいいんだよ。 立つなよ、おまえ。 席ゆずったら、

          ある日、地下鉄車内でのささやかな攻防について

          この映画に出ていた人たちは、まだ生きているのだろうか ~映画「忘れない、パレスチナの子どもたちを」

          先日、「忘れない、パレスチナの子どもたちを」という映画を観てきました。 ちらしより抜粋します。 「2021年5月10日~21日までの11日間。イスラエル軍によるガザの空爆により少なくとも67人のガザの子供たちが亡くなりました」「……若い犠牲者を追悼する映画を作ろうと決意しました」「攻撃からわずか1か月後、……撮影が開始されました」 映画は爆撃で子どもを亡くした家族が家の前に思い出の品を並べて整列し、亡くなった子のことを語るというもので、正直そこまでおもしろいというものではあ

          この映画に出ていた人たちは、まだ生きているのだろうか ~映画「忘れない、パレスチナの子どもたちを」

          こどものつぶやき 子どもたちがつぶやいたことをまとめました ㉛

          子どもたちがつぶやいた言葉を記録していましたので、それを少しずつ書いていこうと思います。 名前は仮名にしてあります。 花歩7歳 樹(いつき)5歳のつぶやき クリスマスが近づいたある日、花歩と樹が話しています。 花歩「ねえ、サンタさんって何人いるんだろう」 (これは真剣に考えている) 樹「88人じゃない?」 (分かってない) 花歩「世界中にプレゼント配るんでしょう?」 (なお、考える) 樹「3人じゃない?」 (全然分かってない) 花歩「そんな少なくない!    世

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          こどものつぶやき 子どもたちがつぶやいたことをまとめました ㉚

          子どもたちがつぶやいた言葉を記録していましたので、それを少しずつ書いていこうと思います。 名前は仮名にしてあります。 樹(いつき) 5歳のつぶやき 樹が台所で歌っています。 樹「♪ あるーひ あるーひ    もりのなっか もりのなっか    くまさんに くまさんに    であーった であーった    はなくっそ もりのなかー     くまさんに であーった はなくそもり!? うえー               (●'◡'●) 樹の変な歌 その2 樹「♪ ジャング

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          子どもたちがつぶやいた言葉を記録していましたので、それを少しずつ書いていこうと思います。 名前は仮名にしてあります。 樹(いつき)5歳のつぶやき 樹が人形をいじって独り言を言っています。 樹「こわれてしもた。   しもたがないか。   しもたがないか。   しもたがないか。   しもたがしむよ。   ぞよ。   が。   らっぱ。   もげらがらっぱ。   ヘムヘムケーとブルドンザーとネコネコネーコとツルツルツール   おまえどうしてしってるんだ」         

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          こどものつぶやき 子どもたちがつぶやいたことをまとめました ㉘

          子どもたちがつぶやいた言葉を記録していましたので、それを少しずつ書いていこうと思います。 名前は仮名にしてあります。 樹(いつき) 5歳のつぶやき (昔、超~という言い方が流行ったことがあります。その時の思い出です) 樹は最近、何にでも「超」という言葉をつけたがります。 「超、おもしろい!」とか、「超、もったいない!」とか。 気に入ると、「超、いい!」 単独で、「もう、じゃまだなあ、超!」と、訳の分からない使い方をしたりしています。 この前、ランニングシャツで腕回

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          こどものつぶやき 子どもたちがつぶやいたことをまとめました ㉗

          子どもたちがつぶやいた言葉を記録していましたので、それを少しずつ書いていこうと思います。 名前は仮名にしてあります。 樹(いつき) 5歳のつぶやき 雪の中を車で走っていました。 フロントガラスに雪があたります。 樹「ゆきがパンパンはねて、   どんどんすすんでるね。   ゆきがちらかってるね」 子どもなりの素直な表現力だと思いました。 確かにそんな感じだね。              (●'◡'●) ある夏の日、車の中は異常な暑さ。 樹が車に入ると言いました。

          こどものつぶやき 子どもたちがつぶやいたことをまとめました ㉗

          こどものつぶやき 子どもたちがつぶやいたことをまとめました ㉖

          子どもたちがつぶやいた言葉を記録していましたので、それを少しずつ書いていこうと思います。 名前は仮名にしてあります。 (弟ができてから、花歩は自分のことを姉ちゃんと言うようになりました) 花歩 7歳のつぶやき 花歩が朝、大忙しで学校の用意をしながら言っています。 花歩「姉ちゃんの手が、7こあったらなあ。   服を着ながら、用意をしながら、   ハンカチとティッシュをポケットに入れながら、   くつしたをはきながら、名ふだをつけるのに」              (●'

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