この映画に出ていた人たちは、まだ生きているのだろうか ~映画「忘れない、パレスチナの子どもたちを」
先日、「忘れない、パレスチナの子どもたちを」という映画を観てきました。
ちらしより抜粋します。
「2021年5月10日~21日までの11日間。イスラエル軍によるガザの空爆により少なくとも67人のガザの子供たちが亡くなりました」「……若い犠牲者を追悼する映画を作ろうと決意しました」「攻撃からわずか1か月後、……撮影が開始されました」
映画は爆撃で子どもを亡くした家族が家の前に思い出の品を並べて整列し、亡くなった子のことを語るというもので、正直そこまでおもしろいというものではありませんでした。
中にはカメラに映るというので、明らかに着飾っている子もいました。
爆撃直後の緊迫した場面もあり、そこは見どころではありましたが、SNSでも見られるといえば見られそうなものでした。(ただし映画は、死体も容赦なく映し出されます)
映画を見た帰り、いや、映画を見ている最中から感じていたことですが、毎日爆撃があり子どもが5,6人ほど死んでいくのです。
毎日、毎日5,6人ずつぐらい死んでいくのです。
精神的に壊れてしまわないかと思ったのです。
爆弾が今日は自分の上に落ちないか、そう思って暮らす日々を想像できるでしょうか。
どんなにか恐ろしいでしょう
そう思うだけで涙が出そうなほど怖くて、かわいそうというありきたりな言葉は使いたくないのですが、かわいそう以外言葉がありません。心が痛くてどうもならないくらいかわいそうです。
あと、帰宅後私はずっと考えています。
あの映画に映っていた人たち、今、生きているのだろうかと。
映画が撮られたのは2024年6月のことです。
それから5カ月たっています。
ガザ地区への爆撃は今も続いています。いや、一層ひどくなっているとニュースで見た気がします。
気になって、ここ1週間ほどの新聞を集めてみました。
たった1週間。
なのにこんなに悲惨なニュースが次々と出てきました。
抜粋します。(すべて朝日新聞 2024年10月)
イスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスの戦闘が始まって1年がたった。
ガザで市民を含めた4万1千人以上が死亡。
子どもの犠牲者は1万人超に達した。
ガザで60万人近くが直面する食料不安は「壊滅的なレベル」
急性栄養失調で要治療の子ども、5万人以上。
メンタル面で支えが必要な子ども、100万人以上。
深刻なガザの人道支援。ガザ北部には、10月2日から15日まで食料が一切入らなかった。
1万人以上の重症患者が処置を待っている。
患者の傷にはハエがたかっていた。せっけんすら足りなかった。
イスラエルによるガザ地区への攻撃は収まるどころか多方面に拡大。
イスラエル軍は10月16日もガザとレバノンでの戦闘を続けている。
ガザ北部で19日イスラエル軍の空爆があり87人が死亡。
アメリカが停戦交渉を進めるがイスラエルの攻撃が止まる兆しはない。
SNSでたまたま見たガザの様子も加えておきます。
たまたま目にしたというレベルのものです。
それがこんなにひどい……
(SNSより抜粋)
国連児童基金の報道官は10月18日、ガザ地区で子ども100万人が「この世の地獄」を生きており、この1年余りで毎日約40人の子どもが殺害されている。
路上の遺体が野犬のえさに。救急隊員が語るガザ北部の惨状。
遺体を野犬が食べる。
もし遺体が自分の子どもだったらと考えてしまいました。
……あまりにもひどすぎる。
また食糧支援の車に大勢の人が皿や入れ物を持って押し寄せ、自分の入れ物に食料をと、大混乱している動画も見ました。人々はどれほど飢えているのでしょうか。
これを書いているだけで泣けてくるのです。
映画を観たことで、新聞の見出しのみ見ていたガザのニュースを隅々まで読み、そこに人々が確かにいることに思いをはせるようになりました。
あの、おすまししてカメラにおさまっていた女の子、今生きているでしょうか。
イスラエル軍がガザの市民を攻撃するからガザの人たちがかわいそうでイスラエルが悪い。
そう言ってしまえるほど簡単なものではないことは分かっています。
結論が出ないまま終わることをお許しください。
ただただ心が涙でいっぱいな、私からの報告でした。