#49 「魚」のガチ解説
今回は、「魚」について、解説していきます。
「魚」は非常に種類が多い為、大きく分けて『赤身魚』『白身魚』『青魚』の3つに分けて解説をしていきたいと思います。
ぜひ最後までお付き合いください。
○「魚」の基礎知識
今回は「魚」を『赤身魚』『白身魚』『青魚』に大きく分けていきます。
「赤身魚」と言えば、マグロやカツオ、サバ、ブリ、サンマ、イワシなど、非常に多くの種類が存在します。
「赤身魚」の身が赤い理由は、筋肉色素タンパク質の『ミオグロビン』や血液色素タンパク質の『ヘモグロビン』といった赤い色素を多く含んでいる為です。味が濃く、肉質は硬めのものが多いとされています。刺身の場合は、比較的柔らかいものが多いですが、火を通すと硬くなりやすい特徴があります。
一方、「白身魚」は、タイやヒラメ、フグ、タラなどが当てはまります。回遊魚とは違い、近海の浅海に生息していたり、岩礁や砂地に生息していたりすることがほとんどで、行動範囲が狭鋳物が多く、酸素をそこまで多く必要としない為、白い身をしています。
「赤身魚」と比べて、脂が少なく淡白な味な為、スパイスなどの調味料を使って味をつけたりする必要があります。また、カロリーが低いという特徴があったり、刺身の状態だとやや食感が強いですが、火を通すとふっくらとした食感になります。
「青魚」は、「赤身魚」のうち「近海生回遊魚」と呼ばれる小型のものをいい、アジ、サバ、イワシなどが代表的な魚です。背中が青色をしていることから「青魚」と呼ばれ、「青物」や「光り物」と呼ばれることもあります。
水産学では、『ミオグロビン』と『ヘモグロビン』の含有量によって、「赤身魚」と「白身魚」を分類していて、100gあたり10mg以上含まれているものを「赤身魚」、それ以下のものを「白身魚」と呼んでいます。
魚の種類を見てみると、回遊魚(群れをなして、常に泳ぎ続ける、回遊し続ける魚)がほとんどです。
それは『ヘモグロビン』には酸素を運搬する働きがあり、『ミオグロビン』には酸素を供給する役割がある為、長時間泳ぎ続ける回遊魚には必要不可欠の成分です。
この2つがあるからこそ、止まることなく泳ぎ続けることができるということです。
人も長距離を走ることが得意な人は、遅筋線維が多く、筋肉の色が赤い(赤筋)特徴があり、『ヘモグロビン』『ミオグロビン』が多いことで酸素供給能力、運搬能力が高くなり、長時間の運動が得意です。赤身魚もそれと同じことが起こっているということになります。
ちなみにサーモン(鮭)は、オレンジ色の身をしている為、「赤身魚」と思われがちですが、あれは食べているものがカロチノイド系の赤い色素「アスタキサンチン」を含む「オキアミ」などを餌としていることにより味の色がオレンジ色になっているだけで、分類としては「白身魚」になります(カニやエビの殻が赤い理由もこれと同じ理由だと言われています)。
「白身魚」よりも脂が乗りやすい為、カロリーが高いくなりやすいという特徴もあります。マグロのトロの部分は、脂が多い為、食べた時に舌触りがよく、喉越しも滑らかですが、カロリーが高くなりがちです。
もし、ダイエットをしているようであれば、トロの部分よりも赤身の部分を食べるとをお勧めします。
○栄養価
「赤身魚」に含まれる栄養価を見てみましょう。どのような特徴があるかを知ることは、今後の食生活に利用できるかもしれませんよ。
・鉄分
赤い色の身からもイメージできるように、「赤身魚」は『鉄分』を多く含みます。
『鉄分』は、不足しがちな栄養素の一つであるので、積極的に摂取したい栄養素です。
「魚」に含まれる『鉄分』は、『ヘム鉄』と言われます。植物性の『鉄分』が『非ヘム鉄』です。
『ヘム鉄』の方が効率的に体に吸収できると言われているので、「赤身魚」から『ヘム鉄』を摂取できると良いと思います。
・オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)
「魚」には、『オメガ3脂肪酸』が多く含まれています。
『オメガ3脂肪酸』は、体内の様々な機能において必要になる重要な脂肪酸です。
『オメガ3』の『DHA(ドコサヘキサエン酸)』や『EPA(エイコサペンタエン酸)』があり、「魚」や「甲殻類」に多く含まれています。
『オメガ3』は『必須脂肪酸』の一つで、人の体では作り出すことができない為、食材から摂取しなければいけません。しかし、現代の日本人の食生活が欧米化している為、オメガ3の摂取量が足りていないと言われています。
(※ちなみに、オメガ3脂肪酸を含む食品には、ナッツ類に含まれるα–オレイン酸もあります。亜麻仁油にもオメガ3は含まれていますね。)
現代の日本人は特に「魚」を積極的にとる必要があります。
また、オメガ3の特徴として、「常温でもサラサラ、液体である」があります。
「魚」が住んでいる水は、常に10〜15°程度の水温です。その状態で、もし仮にオメガ3が固体になってしまうと、血管が詰まってしまいます。
しかし、そうなる「魚」はいないですよね。つまり、その温度で固まることはないということ。
人の体は常に36〜37°、深部体温だともっと高くなります。そうすると、10°そこそこでも固まらない脂が、人の体で固まることは絶対にありません。
体によくない脂は、人の体温だと固体にある脂(例えば、バターやマーガリン、ラードなど)で、体温で固まってしまうということは、体内に入った時に血管内で固まってしまう可能性が考えられます。そうすると、動脈硬化や血管疾患系の病気につながるということになります。
他にも
『ビタミンA』
『ビタミンB6』
『カルシウム』
『マグネシウム』
なども含まれています。
○「魚」を取ることによる効果
最後に「魚」を食べたことで起こる効果を見てみましょう。
まず、「オメガ3脂肪酸」を取ることによって、血液の循環がよくなるという点から、『動脈硬化』を防ぎ、栄養を全身へスムーズに運ぶことができます。
また、「オメガ3」を取ることで『悪玉コレステロールの減少』させ、それにより『糖尿病の予防』にもつながります。
『悪玉コレステロール』は、動物性脂肪により増加すると言われています。その為、「魚」を取ることが動物性脂肪の摂取量を減らし、改善につながるということです。
あとは、『中性脂肪を減らす』作用がある為、ダイエットをするときには特にお勧めです。そもそもダイエットだからといって脂質を完全カットしてしまうと、ホルモン生成ができなくなったり、肌の潤いがなくなりガサガサになったりと、体に悪影響がでることが多いです。
そこで「オメガ3」を中心に取ることで、脂質を摂取でき、かつ、中性脂肪を減らす効果も期待できるので、重宝すると思います。ただし、取りすぎはカロリーオーバーにつながるので、適切な量を把握して取ることが重要です。
さらに、『血圧下げる』効果も期待できるので、心筋梗塞や脳梗塞などを発症しにくくすることができたり、血管疾患系の病気を予防することにもつながります。
つまり。
「オメガ3」は摂取量さえ守れば、体にとって非常に良い効果をもたらしてくれる脂なので、「魚」はなるべく摂取した方が良いということになります。
なかなか「魚」は買うにも価格が高かったりと、食べるまでのハードルが高いですが、できるのであれば最低1日1食は摂取したいですね。
朝食に干物でもいいと思いますし、夕飯にお刺身や干物、カルパッチョ、アクアパッツァ、お鍋に入れるなどしても良いと思います。
ぜひ、まずは1日1食を目指して「魚」を食べてみてください。
○「魚」を取る際の注意点
では、最後に「魚」と取る際に注意すべき点について。
「魚」と取る際に注意する必要があることは『水銀』のリスク。
『水銀』は、有害金属として非常に有名だと思います。
日本でも『水銀』が原因で、神経障害・体の機能障害が起こる”水俣病”が流行ったということ発生しています。
工場などで作られた『水銀』を河や海に流し、その水の中で育った魚などを摂取したことで、体内に『水銀』が蓄積したことで、神経障害などが症状として現れました。
現在は、水質汚染に関して、厳しくなりつつあるため、あからさまに有害物質を河や海に流すことができませんが、それでも世界のどこかで、有害物質が流れ出ていて、その水の中で生きている魚を食べることで、健康被害を受けてしまうリスクがある可能性は否定できません。
自分の行動云々では変えることはできないことではありますが、そのことは頭の片隅に置いておく必要があるかもしれません。
水質汚染や環境汚染は、全て人間の行動が招いたことの結果です。そういった意味でも、常に環境に良いものを使う、環境を汚染するようなことをなるべくしないという意識を持つことは、今後必要になるかもしれません。
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