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#ポエム

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ポエムって黒歴史になるってよく言うじゃないですか。というわけで僕の黒歴史をまとめています。
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#ひとりごと

雪

雪は嫌い。
辺り一面銀世界、そんなものは害でしかない。電車は止まり、車は滑る。高いマフラーに雪が付く。外に出る気を奪ってく。

雪は嫌い。
ふんわりふわふわなんかじゃない。融雪の水でべちゃべちゃだ。踏み固められてカチカチだ。歩こうとするとツルツルだ。

雪は嫌い。
ほとんど溶けた雪の残りは、消しゴムのカスのように道路脇に転がっている。白く綺麗なものじゃなく、土や汚れで灰色だ。冬の汚れを吸い取って、

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ダンボール

ダンボール

片付けようとするたびに、がちゃがちゃと部屋が散らかってゆく。そりゃそうだ、この部屋の記憶を紐解いているんだもの。いろんなことがあった。いろんなものがあった。奥にしまい込んだもの一つ一つを手に取るたび、その時その時の匂いが鼻につく。そうしていつのまにか、部屋中記憶のカケラだらけ。

全部は持っていけない。全て、包んであげることはできない。捨てなきゃいけないものがある。さっさと捨てたいものもある。どう

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潜る歌

潜る歌

灰色の感情ばかり数えていたら、いつのまにか自分の持ち物が何か忘れてしまった。奥には何が転がってるのか、深いところまで潜れるか、体力は少ない。でもきっと君もそう。積もり積もって、君は1番大切な『楽しい』を奥に無くしかけている。僕が代わりに潜ってあげたい。肋骨の隙間から入り込んで、なけなしの体力を溶かして、もがいて、探して、ここにあったよって。でも、僕の代わりに無くした物を探してくれる人はいるだろうか

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瞼の裏

瞼の裏

あなたは別れた恋人を

大切な思い出にしますか?

人生から抹消しますか?

一度は愛した人

どういう風にケジメをつけるか

願わくば風化してほしいけれど

瞼の裏にはいつもの笑顔

自分以外に見せないでほしいと思う

思い出にもならず、消えもしない

ただひたすらに黒い感情となり、僕の真ん中に残り続ける。
#ピロリ日記 #日記 #エッセイ #コラム #雑記 #毎日更新 #毎日投稿 #毎日no

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荷物

荷物

なんだか随分と遠くに行ってしまったような気がする。
気がする、じゃない。皆が歩いている中僕は座り込んでいるんだ。置いて行かれるのは当然だ。
怖くなる。
部屋のテレビがついていることに今気づいた。
手元の画面と向き合っていると、全てを忘れてしまう。時間の流れも、自分が座り込んでいることさえも。
だから、今日はスマホを置いて、ちょっとだけ立ち上がって歩いてみたんだ。

言葉で、
何かを生み出し、
人の

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濁った花弁

濁った花弁

繋がらない。
言葉と、心が、繋がらない。繋がっている感覚がない。
明るく書こうとする顔に、涙が2つ筋を作る。
ああ、きっとまた、僕は自分を飾ろうとしてる。何処かで見たものを自分のもののように書こうとしている。
書いていると、時々自分がわからなくなる。この文章は僕の文章なのか、何処かで見た文章なのか。僕の気持ちなのか、何処かの誰かの気持ちなのか。

誰しも皆、身体に色んなものが血に乗って流れている。

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記念日

記念日

時間が経つのは早い。何かをしていても、何もしていなくても、時間はどんどん過ぎるし季節は目まぐるしく回る。ついこの間まで春だったのにもう真夏だし、店頭には秋服が並び、心は冬を求めている。いつか4つの季節なんて全部くっついちゃうんじゃないだろうか。そんなことを考えていたからか、夢の中の僕は半袖に半ズボンで、虫取り網を片手に雪道をずかずかと歩いていた。その頃は出会うことすら知らなかったはずの君の手を引い

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0804(01)

0804(01)

花火が上がるよ。もうすぐ。
河川敷に向って、たくさんの人が歩いている。屋台が並び、浴衣が躍る。辺りはだんだんと帳を下ろしていく。日が沈み、月が昇れば、爆音とともに夜空に打ちあがる。毎年毎年変わらないこの景色。毎年毎年変わらず同じ花火を見られる退屈がどれだけ特別なことか、理解するときはいつも『今更』だ。部屋まで聞こえる音だけ聞いていようと思ったけど、この先花火を見るたび君のことを思い出すだろうから、

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〇〇フレンド

〇〇フレンド

ブラジャーを片手で外せるからって、慣れてるわけじゃないよ。
たとえ友達といえど、女の子を前にするとドキドキするのは変わらないよ。話すときは、いつも以上にいつも通りいつも通りって自分に言い聞かせてる。だから、そんな目で僕を見ないでおくれよ。僕は別に、いい男でもなんでもない。あなたが思うほど心は広くないし、優しくないし、女の子の扱いもうまくない。余裕ぶってても余裕なんかないよ。本当はもっとかっこつけた

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好き嫌い

好き嫌い

いろんなものをたべてきた。

カレーがすき。お寿司がすき。ハンバーガーがすき。いろんなものをたべてきた。好き嫌いはほとんどなかった。
大人になって、こんなものもたべるようになった。

愚痴とか、悩み。

たくさんたべた。みんな、僕の所に持ってくる。どんどんたべた。僕のお腹には吐き出すものはほとんどなかったから、いくらでもたべられた。みんな僕がたべた後はスッキリしたような顔で帰っていく。それが嬉しく

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目覚まし

目覚まし

おはようとつぶやいてみても、時計の針しか返事をしない、そんな部屋。もう一つ寝息が聞こえていたのはもうずっと昔のように感じる。夢の中であいつが言った、“いつまでそこにいるの”という言葉。喉に手を突っ込まれたような不快感。次の瞬間、まとわりつく嫌な汗が僕を現実に戻してくれる。そのまま夢の中にいたら、きっと叫んでいたと思う。今だって、ぽろぽろと涙が頬を伝う。肌に張り付いた衣服を脱ぎ捨てて、枕に縋りつくし

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夜の独り言

夜の独り言

部屋に籠っていると、徐々に思考が淀んでゆく。焼いているホットケーキのようにぷつぷつ、ぷつぷつと、感情が湧き上がっては、すぐに消えていく。別にホットケーキを食べたいわけじゃない。お腹が満たせれば、なんだっていい。添加物入りのコンビニのごはんを食べる。今日はそれすら食べるの、面倒くさい。なので、ベランダで星を眺めている。ホントは空は黒一色で、そこにぷつぷつ、ぷつぷつと針で穴をあけて、誰かが世界を覗いて

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未練

未練

あの子が視界にちらつく。赤いN-ONEを見かけるといまだにナンバーを確認してしまう。叶うはずのない夢を抱いて走り出してしまいそうだ、ゆれている、面影に。まったく別の命に代わってしまいたい、でも記憶は、そのままでいて。友達になったはずだったのに。連絡なんてできるわけない、友達として。二人の時間は、溶けてなくなって、新しい花の養分になる。あの子が誰かと咲かせる花の。

二人で使おうと決めた入浴剤が泣い

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空の色

空の色

夏を前にして、雲が分厚くのしかかる。世間はプール開きらしいが、空の模様は濁った灰色。世界はワントーン暗くなって雰囲気が出る。まるでメンヘラっぽいインスタグラムみたい。
ぬるい空気。半袖になれるか微妙な気温。外に出て歩きだすと、周りの空気もねっとりとついてくる。体力が見えない何かに奪われ、身体からにぶい汗が滲み出る。

僕にはこれぐらいの空が似合うらしい。身に纏う脱力感に青空は似合わないんだって。

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