見出し画像

記念日

時間が経つのは早い。何かをしていても、何もしていなくても、時間はどんどん過ぎるし季節は目まぐるしく回る。ついこの間まで春だったのにもう真夏だし、店頭には秋服が並び、心は冬を求めている。いつか4つの季節なんて全部くっついちゃうんじゃないだろうか。そんなことを考えていたからか、夢の中の僕は半袖に半ズボンで、虫取り網を片手に雪道をずかずかと歩いていた。その頃は出会うことすら知らなかったはずの君の手を引いて。なぜ、夢の中の僕は子供、だったんだろう。



手帳のカレンダーに○が付けてある。赤の、ボールペンで。赤く。目立つように。いつもなら今日は君と花火を見て、今頃はベッドにもぐりこんでいた頃だ。毎年この日は、部屋は片付けてたし、パソコンの前にはいなかったし、一人ではなかった。頭にこびりついた習慣は、時間が解決してくれるわけではないらしい。

太陽が傾きかけていたところまでは覚えている。次の瞬間には、花火などとっくに終わっている時間になっていた。
ふと右手を見ると、いつの間にか指から血が出ている。気づいてからようやく痛みを感じた。

周りの時間は進むのに、僕の中の時計はときどき動かなくなるみたい。

その事実がどうしようもなく残酷に、僕の心に針を落とす。

季節も時代もごちゃごちゃな夢の中で、君だけが笑っていた気がする。僕は・・・どうだったんだろう。

同じように笑っていたとしたら、許せないかもしれないな。せめて、泣いててくれ。そうしたら、幸せな記憶に浸っているだけではないと、思えるから。



#ピロリ日記 #日記 #エッセイ #コラム #雑記 #毎日更新 #毎日投稿 #毎日note #生き方 #生きづらさ #ライフスタイル #ひとりごと #ポエム #ネガティブ #時間 #記憶 #夢 #季節 #花火 #夏

いいなと思ったら応援しよう!