180度意見が変わる!データ主義から直感主義に目覚めた理論家ジェラットについて
ジェラットは、1960年代から意思決定に関する研究を行い、キャリアについて有名な理論家としても知られています。
ジェラットは、人間のキャリアについて「データを信じる論理派から直感を大切にする派」へ意見を変えた理論家でキャリアコンサルタント試験に出てくる有名人です。
今回は、データ主義から直感主義に目覚めた理論家ジェラットについて紹介していきます。
ジェラットとは?
ジェラットは、1960年代から意思決定に関する研究を行い、キャリアについて有名な理論家としても知られています。
前期には、データを重視した合理的な理論である「連続的意思決定プロセス」を提唱しました。
しかし、後年になってやっぱり直感も大事だよねという「積極的不確実性」を提唱しています。
合理的な『連続的意思決定プロセス』とは?
ジェラットは、キャリア(職業)の選択などの意思決定を一つ一つ行うのではなく複数かつ連続に行うとしました。
わたしたちも、就きたい職業のために「条件・環境・入り方・給与など」情報を幅広く調べて総合的に決めますよね。
かっこいいな⇒どうやってなるんだろ?⇒もうかるのかな?⇒どんなことやるんだろうなど
このように複数かつ連続的な意思決定を『連続的意思決定プロセス』としました。
◆連続的意思決定のプロセス
1. 全ての選択肢を知る。
2. 十分な情報を得る。
3. 情報の関連性と信頼性を検討する。
4. 価値システムから、それぞれの結果を評価する。
ジェラットは『連続的意思決定プロセス』について、自分のやりたいことについての好意はいったん忘れて冷静にならないと職業選択を失敗すると言います。
人間には、好意や興味があることを良く評価してしまうという傾向があるためで、この現象を「主観的可能性」と名付けました。
例えば、流行りの動画編集者になりたいと職業情報を集める際に、都合のいい情報だけを収集してしまうと、悪い面を知らないまま本業にしてしまい、あとから後悔することになります。
そのため、生計を維持できるレベルの市場なのか?など、客観的なデータを用いて判断することが必要としています。
◆合理的に判断する3つの意思決定方法
①予測システム:選択肢それぞれがもたらす結果の起こりうる可能性を判断
②価値システム:各選択肢の結果の好ましさを評価
③決定基準:価値システムによって評価された選択肢の中で、適切なものを選択する
ジェラットは、職業選択をするために「データを見て合理的な判断をするべし!」としていましたがのちに「直感を大切にすべし!」という意見を提唱することになります。
直感的な『積極的不確実性』とは?
ジェラットは、研究者として「データ主義でいようね」と主張していましたが、時代の流れでなにが起きてもおかしくないから「知らないことは直感で判断することも大事だよね」と真反対の『積極的不確実性』を提唱しました。
『積極的不確実性』とは、労働市場の変化が激しい時代で、人間が収集し得る情報量には限りがあることや、得た情報は受け手の解釈や考えにより変化することがあることにも触れ、意思決定には非合理的な側面(心の声)も大切であると考えた理論です。
自分が知っている情報や手に入れた情報が100%正解ではないことや合理的に考えすぎてしまうとやりたいことへの情熱や夢がなくなってしまうことを気にしていたのです。
◆積極的不確実性の概念の3つの原則
①≪情報≫情報は想像力をもって扱う、しかし情報を想像しないこと
②≪意思決定≫何を求め、何を信じているか理解する、しかし確信しすぎないこと
③≪選択≫合理的に選択する、ただしそれが通用しない場合には手放すこと
ジェラットは、データ主義を排除したわけではなく、わからないことや情報がつかめないことについて調べることができないなら「直感を信じることも重要」として発表しています。
最後に
今回は、データ主義から直感主義に目覚めた理論家ジェラットについて紹介しました。
ジェラットは、人間のキャリア(職業選択)について「データを信じる論理派」から「直感を大切にする派」へ意見を変えた理論家でキャリアコンサルタント試験に出てくる有名人です。
ジェラットは前期の研究で、就きたい職業になるために「条件・環境・入り方・給与など」情報を幅広く調べて合理的に決めることを『連続的意思決定プロセス』としました。
しかし、後年には自分が知っている情報や手に入れた情報が100%正解ではないことや合理的に考えすぎてしまうと「やりたいことへの情熱や夢」がなくなってしまうことを気にして、直感を大切にした『積極的不確実性』を提唱しました。
わたしたちも、ジェラットの教えのように職業選択をする場面では、合理的な考えと直感的な考えともに大切にして決定していきましょう。