大鳥のの

noteにて、深海の人魚バブルと海に挑む少年カケルの物語『烈空の人魚姫』を小説と挿絵で表現していきます。 是非楽しんで読んで下さい。 自分の作品を書籍化することを目指して頑張ります!よろしくお願いいたします✨

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烈空の人魚姫 あらすじと登場人物

⭐︎あらすじ⭐︎ 海に潜るロボット、水中ロボットで海中の冒険に繰り出すことを夢見る少年カケル。 ある日動作実験と称して初めて近くの海辺にて手作りのロボット【フレイム1号】を海水に投入してみたカケルであったが、水中ロボットは海に潜水せず波に流され大失敗。 しかもダイオウイカがやってきてフレイム1号を奪って海の底に消えてしまう。 せっかく一生懸命作ったものが突然なくなってしまい絶望に陥ったカケルだったが、その夜パソコンのモニター画面に映し出されたのはいなくなったフレイム1号からの

    • 5章のサムネイラストの色塗り中。 今回のイラストに使用した水彩紙は3章のイラストの用紙と同じなんですが、じわりと滲んで味が出るので気に入っています。 時間がかかっても、一つ一つじっくり積み重ねて形にしていきたい。 5章はそろそろ終盤。引き継ぎお楽しみ下さい(^^)

      • 烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑧研究室の異変

        カケルはデスクに向かうと、大量の【記憶のカケラ】が中に詰まった懐中時計の山と睨めっこした。 その山の中から懐中時計を一つ手に取り、恐る恐る包丁で切ってみると、ダイオウイカ先生が作業したのと同じく懐中時計はあっさりと横切りで2つに割れた。 「おお、すごい・・・」 懐中時計の中からは溢れんばかりの金平糖のような【記憶のカケラ】ががらがらという音を立てて机の上に山を作っていく。 『カケル君、ちょっと見てごらん』 ポルポルはヒレで【記憶のカケラ】をひと掬いすると、熱された水が

        • 烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑦記憶のカケラ

          カケルは小さく頷いた。 ダイオウイカ先生はそれを見て満足気な表情を浮かべると、腕に巻き付けたフレイム1号をそのまま連れてずるずる研究室内に引き摺り込み始めた。 どんな手伝いをさせられるんだろう、とカケルがぼんやり考えてるとダイオウイカ先生は目をぎらりと光らせて急に立ち止まる。 『ん?そういえば、さっきから嗅ぎ慣れない魚の臭いがするのだ』 『あの•••ダイオウイカ先生•••僕もいます』 おずおずとカケルの背中から顔を出したポルポル。 まだ警戒しているのか蒼白な顔を保ったま

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        烈空の人魚姫 あらすじと登場人物

        • 5章のサムネイラストの色塗り中。 今回のイラストに使用した水彩紙は3章のイラストの用紙と同じなんですが、じわりと滲んで味が出るので気に入っています。 時間がかかっても、一つ一つじっくり積み重ねて形にしていきたい。 5章はそろそろ終盤。引き継ぎお楽しみ下さい(^^)

        • 烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑧研究室の異変

        • 烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑦記憶のカケラ

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑥交換条件

          精神体のみの今のカケルはある意味無敵だ。 前回まではダイオウイカ先生に攻撃されると生身の肉体のせいで身の危険が迫る感覚があったけど今は違う。 カケルは巨大なダイオウイカ先生に対しても怖がらずに勇気を出せている自分に内心驚いていた。 (これならバブルと再会した時にデートの申し込みも出来るかもしれない•••) カケルはダイオウイカ先生の前に歩み出ると、正直にこの研究室に来た目的を話すことに決めた。 「ダイオウイカ先生、すみません。研究の手伝いに来たわけじゃないんです。その•

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑥交換条件

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑤来訪者のいない研究室

          カケルとナナイロゲンゲのポルポルが入った研究棟の内部はイロード研究室のある棟と基本的には同じ構造だったが、異なるのは地下に続く階段があることだ。 「ダイオウイカ研究室は地下室になってるんだね」 『地下は奥行きのある構造になっていて、窓もないし出入り口は一つだけ。洞窟みたいな研究室とは噂になってるよ。』 「あまり募集が集まらないのは単に環境的に奥まった場所にあるから人気がないだけだったりして」 カケルはそう言ってみたあと、実際の行方不明者が出ていることを思い出し口をつぐ

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ⑤来訪者のいない研究室

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ④そして誰も

          ドボンという音をたて、水中ロボットフレイム1号が海に投入される。 フレイム1号と同期したカケルもまた意識を深海に沈めていく。 これで3度目の同期だ。 ーーーーーー アトランティス大学までやってきたカケルは、早速ダイオウイカ研究室を探す手間が省けることになる。 アトランティス大学の正門を抜け、闘技場のある中央広場までやってきた。 一番左奥の棟はこの前行ったイロード研究室のある研究棟ーーそのためカケルは今度は向かって右手前の棟から調べてみることにした。 いくつかの講義や

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ④そして誰も

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ③ふとした疑問

          カケルは部室内の大混乱を止めるためノートパソコンを操作して、ひとまず動画を一時停止することにした。 呻き声がぴたりと止まると満堂君と式阿弥さんはふぅーと脱力した。 部室のドアを開けたのは隣のクラスの学級委員にして生徒会役員でもあるカケルの幼なじみの松蔭大地だった。 短髪に黒メガネ姿の大地は部室のドア枠に手をかけてにんまりと笑っている。 大地特有の不敵な表情ーーー面白いものを見つけた時の顔だ。 『深海ミステリー研究部、頑張ってるじゃないか。肝試しみたいな感じか・・・俺も混ぜ

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ③ふとした疑問

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ②壁の中にいたのは

          満堂君は【シンクロシステム】を起動し、録画再生ボタンをクリックする。 『最初の方はもうわかってるしいいよね』 満堂君はそういうと早送りをする。 途中、電波が途切れていた【海底メトロリュウグウライン】に乗っていた部分に差し掛かったが、本日のテーマは呻き声の確認に集中することとなり【海底メトロリュウグウライン】の部分は後で見返すことになった。 アトランティス大学のイロード研究室のところまで早送りが進み、いよいよイロード研究室の廊下奥から聞こえてくる呻き声の部分までやってきた。

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ②壁の中にいたのは

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ①シュークリームマジック

          『さて、深海ミステリー研究部のテーマなのですが・・・・』 日高さんが職員室から借りてきたホワイトボードに【深海ミステリー研究部 表テーマ 裏テーマ】と書き込んだ。 狭い一室にはカケル、満堂君、日高さん、そして式阿弥さんが揃い、それぞれの机をくっつけて4つの大きなテーブルにして座っている格好になっている。 ここは泡津高校 深海ミステリー研究部の部室。 顧問になってくれた先生がなんとか探してきた部室が演劇部の横にある物置になっていた部屋。 小さな部屋だが、部員は4名だけなので問

          烈空の人魚姫 第5章 ダイオウイカ研究室の謎 ①シュークリームマジック

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑩スランバーは鎧を脱ぐ

          ーーーアトランティス大学には闘技場がある。 学生同士でいつでも日々力を試しあうことができるようになっていて、大学のキャンパスがぐるりと円を描くように闘技場を囲っている。 一見すると人間世界で言う古代ローマの世界観にも見えた。  スランバーはこの闘技場で日々体を動かすのが日課だ。 特に大学2年の年に研究室のある院に移ってからは研究の合間にこうして息抜きをする。 横にある更衣室に戻るとふう、とため息をついた。 鉛のように重たい鎧。 この鎧は深い海の底の水圧に対応するためだ。

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑩スランバーは鎧を脱ぐ

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑨帰還

          呻き声が止んだ。 「あ、なんか声が止んだぞ。今のうちに様子を見に行ってきて」 カケルはそういうと研究室前のサンゴの柱の後ろに隠れる。 フレイム1号はゆっくりと薄暗い廊下奥に向かって一定の速度で静かに進み始めた。 廊下奥から聞こえて来るウィィィンという機械音ーー その音は研究室前で怯えながら待機するカケルのところまで響き渡ってくる。 それ以外の音声は無音だった。 しばらくすると無事フレイム1号は廊下奥で回転し引き返してカケルの元まで戻って来た。 フレイム号は首を傾げる。

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑨帰還

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑧不気味な呻き声

          『バブルをあの時呼んだのはーー間違いでした。あんなことになるなんて•••』 イロード学長はディスプレイされたサンゴを見つめながら言った。 鏡からの光が眩しくて一瞬表情が見えなくなったが、カケルは心臓が重くなる。 『バブルは重力にまつわる力を持っています。一つは圧力の無効化・・・水圧などの圧力を泡のようになかったことにできる。』 カケルはふと子供の頃ダイオウイカ先生に引き摺り込まれた時に見えた海底から湧き上がる泡を思い出していた。 それから泡津海洋センターのシンクロデバイ

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑧不気味な呻き声

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑦イロード研究室

          重厚感のある研究室の扉は意外にもあっけなく開いた。 イロード研究室の中に入って初めに目に飛び込んできたのは、天井までの高さの大きな鏡。その巨大鏡がいくつも空間全体を取り囲むように敷き詰められている。 部屋の中央には水族館の展示のような巨大なガラスケースに入ったサンゴが生息している。 そのサンゴのガラスケースを取り囲むようにいくつかの研究用のデスクが円形になるように並んでいる。 「フレイム1号、誰もいないみたいだね」 カケルはフレイム1号に話しかけた。 研究室は院生や研究員

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑦イロード研究室

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑥侵食する柱

          小高い海丘と一体化するように城のようなアトランティス大学の城壁はそびえ立っている。 正門を潜ると、海底に沈没した文明の残骸のような柱や壁が迷路のように広がっていて、大学構内の様子は奥に進まないと見えなくなっているようだった。 フレイム1号に案内機能が付いていなかったから今頃ぐるぐる迷っていたに違いない。 校舎はいくつかの棟に分かれていて中央の広場をぐるりと囲むように建っている。 中央の広場は観客席がついた小さな闘技場のように見えるーーここで人魚や深海魚たちは日々のストレス発

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑥侵食する柱

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑤人魚魔女間紛争

          人魚魔女間紛争ーーー インフィニティはそう呟くと残りの紅茶を飲み込んだ。 『イロード学長がそう呼んでるの。ある日大学の隣町の【リトルエンケラドス】で人魚と魔女の大きな衝突があって。いつもの喧嘩ではなく大規模な争いになったのよ。こんなこと初めてで・・・。 緊急事態だからイロード学長がその争いを収束させるためにアトランティス大学で人魚部隊を急遽結成させたのだけど・・・まさかその部隊にバブルが招集されるなんて思わなかったわ』 「どうしてバブルが招集されたの?」 『多分、バブ

          烈空の人魚姫 第4章 策動のアトランティス大学 ⑤人魚魔女間紛争