令和7年/2025年1月の総括
1月は、新しい会社に転職したものの、諸般の事情で本格的な始動はお預けで、2月上旬に本社での研修を受けてからということになりそう。
昨年末の女性セブン、週刊文春による相次ぐ報道で、SMAPの中居正広によるフジテレビ社員への性加害スキャンダル、ありていに言えばゴー●ン、レ●プが露見。
当人は大金を積んで示談が済んでるから大丈夫と思っていたようで、呑気な声明文を発出するも、世間の批判は大きく強まり引退表明。
フジテレビも、事件直後に当時の社長と専務が報告を受けていたにもかかわらず、本件を1年半も隠蔽していたという奇怪な対応も明らかになって、会長・社長が揃って辞任と相成った。
スポンサーがあっという間に手を引き、CMがほぼすべて公共広告機構に変わっている光景は実に不気味だけれど、不気味といえば、年末に週刊誌に報じられた段階で、どのテレビ局も一切取り上げなかったことも実に奇怪だった。
昨年暮れに実家に行ったら、両親が本件を全く知らなかったのを目の当たりにして、テレビなるメディアがいとも簡単に情報を操作できることに驚愕したものだった。
僕自身は、女子アナなる性差別的な表現がまかり通って誰も文句を言わないのはおかしいとのべつ思っていたのだけれど、その女子アナをありがたがる人たちは、アイドルタレントのような性の匂いを彼女らのどこかに期待していて、期待される側にもまた、それを切り売りすることで有名人と結婚できたり、セレブリティになれるかもしれない願望にしがみつく人種がいるという、奇妙な構造があったのではあるまいか。
それにしても、数年前に夜の街でホステスの髪を引っ張った俳優が性加害と指弾されたのに、中居正広のゴー●ン、レ●プは女性トラブルと報じられるのは何とも奇妙、という印象は拭いきれない。
ドナルド・トランプ大統領が再任。一国のリーダーひとりが世界を激震させるというのも、超大国アメリカならではなのだろうし、そのアメリカ国民が何を期待して国をどんな方向に向かわせるのか興味深い。
毀誉褒貶の多い御仁ではあるけれど、強烈なトップだからこそ、今まで変えられなかった物事が一気に変革し得ることも事実なので、注意深く見守りたい。
以下、今年の目標とその達成具合を記す:
(1) 読書
40冊読んだ。
年間目標200冊に対して達成率20%
今月の一冊:『祖母姫、ロンドンへ行く!』(椹野道流・著)
1冊だけ選ぶならば文句なくこれだよねと即決できるほどの内容だった。書評は別記事にまとめた
(2) 映画
6本観た。いずれもDVDやテレビでの放映。
年間目標12本に対して達成率50%
『先生の白い嘘』
性暴力を扱った、奈緒主演の問題作。
後味の悪さはリアルさの証しなのだろうけど、こんな奈緒はもう見たくない
『エディット・ピアフ 愛の讃歌』
有名シャンソン歌手の生涯を、フラッシュ・バック/フラッシュ・フォワードを織り交ぜながら描く伝記映画。
以前観た『サガン』ほどのインパクトがないというか、ピアフに関する予備知識がもっとあればもう少し楽しめたかも知れない
『そして父になる』
平和で順風満帆に見えた家庭に突如舞い込んだ、息子の出産時の取り違え。
父親役を演じる福山雅治のお芝居には好感が持てるが、テーマやプロットはフランス映画『人生は長く静かな河』(La vie est un Long Fleuve Tranquille)に着想を得ているではないかという気がした
『今夜、ロマンス劇場で』
綾瀬はるか、坂口健太郎主演のSFラブファンタジー。
映画というよりは、2時間ドラマの感覚で気楽に観るのがよいのかもしれない。晩年の主人公役を演じた加藤剛の遺作になったことを観終えてから知った
『犬神家の一族』
2006年のリメイク版。
石坂浩二だけ変わらないので奇妙な気持ちになるが、独特の気持ち悪さは健在
『ダージリン急行』
疎遠だった三兄弟が、父の死をきっかけにインドで列車旅行に出る。
長距離列車という狭い密室を舞台に、車掌や給仕を巻き込みながら、色々な問題を抱えたメンバーそれぞれの思惑や人生の底流が浮かんでくる。
僕はインドの鉄道に乗ったことはないのだが、映画のあちこちに写る景色が実にインドらしさをかもしていて楽しかった
(3) 友人と会う
意識して月イチ友達と会うようにするという趣旨からは外れるのだが、昨年末に中高の同期が急逝し、年明け早々にお通夜に参列。
卒業以来全く会っていなかった面々もあり、多くの参列者が絶えず列をつくっていて故人の人柄が偲ばれた。
また、正月早々にむかしの悪友のご尊父のお通夜があり、同じ週にお通夜。
友人らでその悪友を囲んで長めのお清めをした。
昔の友達とは冠婚葬祭でしか会わなくなってくるものなのだろうけど、これから、いよいよお別れが増えてくるということか。
その他、友人の経営するお店に赴き米とステーキをいただいた
(4) 旅をする
今月は京都・大阪に一度行ったきり。
昨年までのスーパーハイペースからすると大人しい出足だけど、来月からは増えてゆくと思う。自分から動かないと商売にならないという意味では、前職から大きな変わりはない
(5) 写真
冬休み中には一眼レフを担いで散歩もしたけれど、スマホで撮ることのほうが多かった。普段は見過ごしてしまうような景色を極力インスタグラムに掲載するようにした
(6) 語学の勉強
[フランス語]
新年初の母校での講座に出席。
とはいえ、初回はフランス語の学習はなく、今年はどんなやり方で講座を進めようかというディスカッションに終始。母校のフランス語教育の現状と展望を知ることが出来て良かった。
今月の収穫:アラファト議長
NHK『BS世界のドキュメンタリー』で、ヤセル・アラファト パレスチナ解放機構議長/自治政府大統領を追った作品を観た。
フランスのテレビ局が制作していたことと、アラファト氏自身の高等教育がフランス語ということもあり、同氏のフランス語がそのまま聞かれて面白かった。 ミッテランやシラクとも深い親交があったのも、フランス語を流暢に操れたことが与って大きかったのだろうと思えた。
かつて中曽根総理も、就任後最初のサミットでミッテランにフランス語で話しかけてミッテランが驚愕したと、秘書官が回顧録にわざわざ書いているほどで、彼の国にとってフランス語を話せることの重要性を改めて思い知った
[英語]
新しい会社は公用語が全て英語なのだが、母国語の人間はほぼいないゆえかなり気は楽。大学のお師匠が「パリのフランス語でもアフリカのフランス語でもなく、日本人のフランス語を話せばいいんです」と仰っていたことを改めて思い出し、努めてリラックスして会話している。
Mediumにショート・コラムを1本書く。
今月の収穫: induction
F1マシンで空気をエンジンに取り入れる部分をインダクション・ポッドというのは小学生の頃から知っていたけど、入社研修を意味することを初めて知る。今まではOnboardingという表現しか知らなかった
[イタリア語]
下旬からDuolingoを開始。毎日少しずつ進んでいて、簡単なレッスンでも繰り返しやることで自然と身についているのが分かる。よくできたアプリだと思う。
今月の収穫:salve(サルヴェ)
イタリアに居た頃はciaoしか使わなかったんだけど、Duolingoは「こんにちは」の意味でこの言葉を使ってくる。文献をあたると、salveは年配の人が使う古い表現で、ciaoより硬いらしい。使わないにしても知っておいて悪いことはない
[中国語]
余勢をかって、Duolingoで中国語のレッスンも始めた。簡体字しかないので、漢字の理解は深まらないのが玉に瑕だが、アプリの発する発音を真似しながら、日本語にはない微妙なイントネーションの違いを何とかフォローしてゆきたい
(7) アウトプット
月イチ連載の『プロ空港おじさんの憂鬱』のほか、800字コラムを2つと文字数にこだわらない雑感を書いた。
読書の項目でも触れている書評も書けたほか、英語のショート・コラムも書いた
(8) A Small, Good Thing
今月は自分から特に意識して何をしたということもなかったけれど、心に残ったのは旧友のお通夜だったように思う。
卒業以来一度も会っていなかった同期から「ミズノ?」声をかけられて、相手を誰だか分からずにいたら「●●です」と名乗られた。
ここで変な距離感をかもすというか、同期に敬語を使わせるが如き、見えない壁を築いてしまうのが、僕自身の悪いところなんだな、当時はそのことに気づかず、他人のせいにしている部分も多かったな、などと思ってしまった。
この歳になってなお、自省と改善は必要と感じ入る