【書評】中学の知識でオイラーの公式がわかる(鈴木貫太郎著/光文社新書)
久しぶりに、読んだ本の書評記事を書きたいと思います。
(前回の書評はこちら)
今回紹介する書籍
今回は前回同様、数学を扱った本です。
『中学の知識でオイラーの公式が分かる』(鈴木貫太郎著)
毎日朝6時30分に数学の問題解説動画を上げてらっしゃる鈴木貫太郎氏が、「オイラーの公式」を、学校で学習する数学知識だけで証明に導くまでをまとめた本となっています。
数学の知識以外のことも学べる本です!
読んでみて感じたことは、
①数学の再勉強ができる
読む年齢層によっても違うかもしれませんが、これまでに学習していた数学の知識を再勉強できることはとても大切だと感じました。サインやコサイン、指数や対数の知識をこの本で改めて勉強することができました。
②実際に解きながら読んでいくとさらに身に付く!
オイラーの公式は「eiπ=-1(iπは指数)」とすごく綺麗な形の式となっていますが、その証明には90年以上の時間がかかりました。それを学校で習った数学の知識だけで証明にまで持ってきているのがこの書籍でまとめられているので、ただ目を通して納得するだけでなく、実際に書いて解きながら読んでいくと、より理解度が増していくと思います。
③基礎知識を身に着けることの大切さがわかる!
本の中に、過去の大学入試の問題が掲出されているのですが、以前東京大学で、
・sin(α±β)=sinαcosβ±cosαsinβ
・cos(α±β)=cosαcosβ∓sinαsinβ を証明せよ
(1999年東京大学)
という問題が出されたそうです。これは「(三角関数の)加法定理」と呼ばれる基礎的な知識で、この公式を覚えるように教育されてきました。しかし、実際の入試問題ではこの問題の正答率がほかの問題よりも低い結果になったそうです。
ここから、「数学の基礎知識を身に付ける」ことがどれほど重要であるかが分かります。
受験生で数学が苦手な子供に対して、親がいきなり東大の過去問を解かせたところで、苦手は克服できません。(むしろ苦手意識が肥大する可能性もある)
苦手を克服するには、まず基礎の部分から身につけさせ問題を解き、それができるようになって初めて実用的な問題を解くことで、段々と数学全体が身についていきます。
まとめ
数学は、計算力だけでなく、回答までの論理性・あらゆる場合を考える探求力も同時に身に付く学問です。今後の時代において、これらはいまよりもさら重要になるので、この本を読んで数学の大切さを身に着けてはいかがでしょうか。
また、今回の著書を書かれた鈴木貫太郎氏が先日新書を発行しました。
過去の動画でも出されているものの中から、同氏が良問だとした100問を厳選しまとめられた本です。これも実際に解きながら読んでいくといいかと思います。