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小説:コトリの薬草珈琲店(完結)

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小説版<奈良の薬草と薬膳>の第一弾。植物の言葉が分かる主人公・琴音が、時間の荒波の中で見出した“幸せ”とは?奈良の小さな薬草珈琲店で描かれる現代ファンタジー。奈良・歴史・薬草・コ…
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2024年8月の記事一覧

小説:コトリの薬草珈琲店 11-3

 香古売が7歳になった時、再び蔓延をはじめた疫病がとうとう平城京にも入ってきたという噂が…

小説:コトリの薬草珈琲店 11-2

<私・・・>  その世界を眺めるカメラと化していた琴音は、ようやく、自分がこの世界を観測…

小説:コトリの薬草珈琲店 11-1

11章 京に住まう母娘 オレは土の中から掘り出され、削られ、磨かれ、現在の形となった。し…

小説:コトリの薬草珈琲店 10-3

「お預かりした勾玉ですが、少し面白い仮説をお話できるかもしれません。」田端さんは三人が聞…

小説:コトリの薬草珈琲店 10-2

 琴音たちは応接室のような部屋に通され、田端さんから席を勧められる。荷物を置いてから名刺…

小説:コトリの薬草珈琲店 10-1

10章 文化財研究所 3月、少し温かな晴れた平日。いつも通りランチ営業を行っていると、よ…

小説:コトリの薬草珈琲店 9-3

 2月後半の日曜日。今日は11時に川原君と店の前で待ち合わせをするという段取りになっていたため、琴音はそれまでの時間を自分の店で過ごすこととした。  この日に会おうと連絡をしたのは琴音のほうだった。まだ川原君にきちんと返事を返せずにいたが、一人で考えていても良い答えが出る訳ではない。なら、友達ということなんだから、一緒に遊びに行ってお互いの理解を深めたほうがいいんじゃないかな。そんな風に考えた訳だ。川原君からは、もちろん喜んで、と即答が返ってきた。琴音と会えることが純粋に嬉

小説:コトリの薬草珈琲店 9-2

 土曜日。いつもは5時過ぎに起きる琴音だが、この日は9時になってもベッドの上でゴロゴロと…

小説:コトリの薬草珈琲店 9-1

9章 心の温かさ 東京出張から十日ほどたった水曜日。その日は朝から佳奈の様子がいつもと違…

小説:コトリの薬草珈琲店 8-3

「薬草を学ぶ方法は大きく4つほどあるんですけど、それぞれ簡単にお伝えしますね。」30歳を…

小説:コトリの薬草珈琲店 8-2

 土曜日。開店早々、デパートの「薬草と生きる」会場には客が集まってきた。東京は人口が多い…

小説:コトリの薬草珈琲店 8-1

8章 都市と薬草 2月、金曜日の昼過ぎ。場所は東京・吉祥寺。土曜日から同エリアのデパート…

小説:コトリの薬草珈琲店 7-3

 薬草教室が終わって、生徒たちは帰り支度を進める。奈良市から来た歯医者の奥様・高橋さんは…