小説:コトリとアスカの異聞奇譚 2-6
「じゃあ、私の話に移るね。・・・これまでも何度か、葵ちゃん、いつかは自分の店を持ちたいって言ってたけど、それは今も同じ?」湖畔を歩きながら、琴音が話をさらに進める。
「はい。・・・自分のことを認めてくれる仕事仲間と、お店を好きだと思ってくれるお客さんに囲まれながら仕事ができるのは心地よさそうかなって思ってます」
「うんうん。なるほど。・・・ただ、葵ちゃんの大学だったら、周りのお友達は大手のメーカーなどに就職した子も多いんじゃないの?あとは大学院に進んだ子とか」
「そうですね。