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「変な英語教師」の日常

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「変」というと語弊があると思うのですが、インパクトをとって「変」という言葉を使っています。子どもたちからも「先生って変」って言われます。これは「変わってる」って意味だと思います。…
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従う人、考える人

従う人、考える人

 教育者の工藤勇一さんの著書やSNSでの投稿には、いつも考えさせられる。先日の投稿でも、あいさつ運動や運動会での(強制的な)組体操諸々、卒業式の呼びかけなど私たちの日々の中に「当たり前」なものとして空気のように組み込まれてしまっていたことへの疑問が投げかけてあった。
 以前、英語担当の嘱託職員として小学校で勤務したことがあるが、その時も出来ないことを無理やりさせられる子や怒鳴られながら集団行動をさ

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ホストファミリー後日談

ホストファミリー後日談

 日本語学習者のホストファミリーになろう、と思い立ったのは、3人の子どもたちがほぼ自立して夫と二人。夜遅くまで私一人でいる時間が増えたから、ここに誰かいたら楽しいだろうな、と思ったから。

 でも実際一ヶ月のホストファミリーをしてみて知ったのは、自分自身のこと。

ええかっこしい(普段以上の自分を見せようとしてしまう)

喜ばせたい欲(相手を喜ばせたいと思う気持ちが強すぎて、いろいろしてあげたくな

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ハグ

ハグ

 一月半ばから約一ヶ月間、我が家に滞在していたホームステイのMさんが、韓国に帰国した。

 昨夜はMさん、我が家での最後の夜。お寿司をとってささやかに日本語学校、卒業祝いをした。一ヶ月間、平日毎朝早く家を出て3〜5時間の授業を受け、夕方ヘトヘトになって帰ってくる。屋台体験や提灯作りなどアクティビティーにも積極的に参加して、本当に一生懸命学んでいた。同世代の同じ語学学習者として良い刺激をたくさんもら

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「時間がなくて、宿題ができませんでした」

「時間がなくて、宿題ができませんでした」

 小さな英語教室で、子どもたちと毎日楽しく過ごしている。
私は叱ることをしない。話せばわかることばかりだからだ。必要なことは、ゆっくり時間をかけて子どもたちの言葉を聞き、私の考えを伝える。
そしてお互いにとって良い形を選ぶことにしている。

 宿題は出す。でも、して来なくても叱らない。ただ、語学は触れれば触れるほど力がつく、ということは日頃から伝えている。私としては宿題はただその日の復習を日常的に

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妹たちへ...なんてね

妹たちへ...なんてね

 そういえば。ふと思い出した。
SNSが怖い時があった。英語教材を手当たり次第買い漁る時があった。

 これって、英語講師あるあるなんです。
決まった会社の講師になれば、その会社の教材を使って言われた通りにすれば大体レッスンは出来る。でも一人で教室を立ち上げた時、なんでも好きにしていいですよ〜ってなると、嬉しい半分すごく迷う。悩んで迷って、いろんな教材やいろんなメソッドを巡って...自分のものを見

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みんなが知らないこと

みんなが知らないこと

 英語教室で子どもはよく音を立てる。椅子をギコギコしたり、水筒を机の金属部分に当ててカンカンさせたり、自転車の鍵をチャラチャラさせたり。
以前は気にならなかった。でも集中して聞きたい時は「しっかり聞きたいから、音ストップさせてくれるかな」と言って止めてもらっていた。

 でも今。私の耳は完全にそれに対応出来ないから、生徒に私の病気を説明してから、止めてもらうようにする。病気になったことは喜ばしくは

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答えを教えない

答えを教えない

 私の英語教室の子どもたちは、ヒントを出すのが上手。例えばある一人に私が天気を尋ねたとする。とても良い天気。Sunny.って答えたいけど、思い出せない。「うーん...」となっていたら、周りからsの音が聞こえる。sss....と。すぐに答え"Sunny!"を言わない。

 それは私が大切にしていることだって子どもたちが知ってるから。子どもですもの、自分が知ってるアピールしたい。その気持ち十分わかる。

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社会不適合者の末路

社会不適合者の末路

 大人になって、いやなんなら40代になって気づいた。私は社会不適合者だったんだ。社会のルールひとつひとつに立ち止まる。「なんで?」でも子どものころから身につけてきたこと、また生まれつき持っている感覚で理解できることもある。
 「人を傷つけてはいけない」大体私の倫理観はこれベース。
でも不思議なのは、そう学んできたはずなのに、何か目的があったら人は平気で人を傷つける。間違って傷つけてしまった、という

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英語講師、よくある質問に答える

英語講師、よくある質問に答える

 さて、今日は英語を習わせようかな、と思われる方の中にある疑問にオフィシャルにお答えします。

「英語教室に行かせたら、英語が話せる様になりますか」

 答えはYesでもありNoでもあります。
 ちなみに私は、子どもの頃から英語教室に通っていますが、今英語を問題なく話せます。でも、当時同じ教室に通っていた人たちが今同じ様に英語を使っているかは、わかりません。きっと答えは「人それぞれ」ということにな

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弱さは悪か

弱さは悪か

 賛否両論、あると思う。でもこれは常に議論が必要だと思うから、敢えて。

 「今どきの子どもたちって、弱くなったよね」
私と同世代や同じ親の中からも上がってくる言葉。でも私はその度に「そうかな?」と首を傾げる。
 そもそも人って弱い。もちろん鍛錬で多少強くもなれる。ただ、その鍛錬って人が強制的にさせることかな。誰にでも当てはまるものかな。
 自分が憧れる大人の存在やどうしてもしたいことがあって、自

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不登校

不登校

 私の英語教室のある地域では、今日から学校が始まった様です。英語教室の中でもちらほらありますが、不登校の子のことを「変わった子」の様に話す子どもたちの様子にちょっと違和感を覚えました。

 もちろん「学校が当たり前」の世界で「学校に行かない」選択は「変わっている」かも知れません。でもその「変わった」がネガティブな要素を含んでいるとしたら、それは話している子自身にも悪影響があると思うのです。

 私

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布団の中で人生を悟る

布団の中で人生を悟る

 年が明けて、正月休みも明けた。
私は無事仕事を始めて、夫と我が子たちもそれぞれの職場、学び舎に戻って行った。そよっと吹く風の様に日常が戻ってきて、私はいつもの窓辺に座ってパソコンに向かっている。

 体調不良の年末年始は散々だった...のかな、と思っていたけれど今振り返ったら楽しいことばかり思い出す。
 年末に風邪をひき、その続きの様にして持病のめまい発作が嵐の様に訪れた。布団の中で過ごす時間が

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幸せの定義

幸せの定義

 みんな幸せになりたくて、その方法を探っている。
どこの国の方が幸せ度が高いとか、どの仕事に就いた方が幸せだ、とか。お金はどのくらい持っていた方が良い、とか。

 ずっとモヤモヤしていた。幸せの定義ってなんだ?

 今の私の答えは、幸せってその人が「はぁ〜幸せだ」って心から思うこと。シンプル。
 だけど、これが意外と難しい。だって、私たちは生まれてからずっと「自分にとっての」幸せなんて考えてないか

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怖く叱ればいいやん

怖く叱ればいいやん

 小学校低学年クラス。5月にクラスが始まり、7ヶ月経った。
最初は大変だった。まず椅子に座らない。椅子に座らないのはいいけど、こちらに意識を向けてくれたら話しやすいのに、と思うけれどどうだろう。しばらく子どもたちを観察しながら、ウロウロしつつも意識はこちらにある様だと判断して、歩き回る方が安心っていう人はそのままどうぞ、とした。本を読み始める子も最初はそのままにしておいた。
 正解は常にわからない

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