📕44 すべての日本人が帰るべき原点。

論語と算盤

著者
渋沢栄一

日本実業界の父。2021年NHK大河ドラマ「青天を衝け」主人公。新一万円札の顔。

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📕内容📕

日本実業界の父が、生涯を通じて貫いた経営哲学とはなにか。「利潤と道徳を調和させる」という、経済人がなすべき道を示した『論語と算盤』は、すべての日本人が帰るべき原点である。明治期に資本主義の本質を見抜き、約四百七十社もの会社設立を成功させた彼の言葉は、指針の失われた現代にこそ響く。経営、労働、人材育成の核心をつく経営哲学は色あせず、未来を生きる知恵に満ちている。

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🍀言葉🍀

人が世の中を渡っていくためには、成り行きを広く眺めつつ、気長にチャンスが来るのを待つということも、決して忘れてはならない心がけである。

世間には、随分と自分の力を過信して、身の丈を超えた望みを持つ人もいる。しかし進むことばかり知って、身の丈を守ることを知らないと、飛んだ間違いを引き起こすことがある。

与えられた仕事に不平を鳴らして、口に出してしまうのはもちろんダメだが、「つまらない仕事だ」と軽蔑して、力を入れないのもダメだ。およそどんなに些細な仕事でも、それは大きな仕事の小さな一部なのだ。これが満足にできないと、ついに全体のケジメがつかなくなってしまう。

与えられた仕事を、その時の全生命をかけてまじめにやれないものは、いわゆる手柄を立てて立身出生の運を開くことができない。

習慣とは、人の普段からの振る舞いが積み重なって、身に染めついたものだ。悪い習慣を多く持つと悪人となり、よい習慣を多く身につけると善人になるというように、最終的にはその人の人格にも関係してくる。だからこそ、誰しも普段からよい習慣を身につけるように心がけるのは、人として社会で生きていくために大切なことだろう。

勉強の心を失ってしまえばその人は進歩や成長がおぼつかなくなる。

知識がどんなに十分あっても、これを活用しなければ何の役にも立たない。これを活用するというのは、勉強したことを実践に結びつけることだ。

人というのは往々にして、その仕事が自分の利害には関係のない他人事だったり、儲かっても自分が幸せにならず、損をしても不幸せにならなかったりすれば、その事業に全力で取り組もうとしない。ところが、自分の仕事であれば、この事業を発展させたいと思い、実際に成長させていく。これは争えない事実なのだ。

お金に対して、無駄に使うのは戒めなければならない。しかし同時に、ケチになることも注意しなければならない。よく集めることを知って、よく使うことを知らないと、最後には守銭奴になってしまう。

人は、誠実にひたすら努力し、自分の運命を開いていくのがよい。もしそれで失敗したら、「自分の智力が及ばなかったため」と諦めることだ。逆に成功したなら「知恵がうまく活かせた」と思えばよい。

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📕1％のかけら📕

「日本実業界の父」と呼ばれた男。そして、「近代日本の設計者の一人」に数えられる偉人、渋沢栄一が遺した「仕事」「人生」に効く生き方を伝授している。

難しい世の中を渡っていくために『論語』をよく読み、普段から孔子の教えを尊敬し、信じると同時に『論語』を社会で生きていくための絶対の教えとして、常に自分の傍に置いていた。そして、『論語』の教えは広く世間に効き目があり、孔子の教えは、実用的で卑近な教えだと渋沢は言う。

仕事は金儲け=利益を上げることが優先されがちだ。それもそのはず、利益がなければ会社は成り立たなくなる。そして、従業員の給料さえ払えなくなってしまう。


だがしかし渋沢は、社会の為、世の中の為になる事が大切。その為に事業を成功させるのだ。自分のためだけではない、と語っている。




自分のスキルアップ、地位向上、会社の利益を上げる。どれも大切なことだけれども、まずはお客様や世の中=社会のために仕事をしている責任を持つことが大事だ。

そして、仕事に必要だと思う勉強や知識を学び、それを実践していくことでさらに世の中のために繋がっていけばいい。


人はいくつになっても勉強することを辞めてはならない。ただ1日を食べて寝てスマホ見ながらゴロゴロ過ごすだけの日々を過ごすのは、そこに生命などなく肉の塊があるだけ。普段からよい習慣を身につけることを心がけ、勉強し知識を得ることで人は進歩や成長することができる。

人はいつからでも、なんにでもなれる。


世の中の役に立とうとすることがあってこそ生命ある存在になろう。