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弱おじの本棚

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2023年12月の記事一覧

「鏡の国」を読みました。

「鏡の国」を読みました。

岡崎琢磨さんの「鏡の国」を読んだ。

本格ミステリに加えて、恋愛小説や社会小説の要素もふんだんに盛り込まれていて、すごく読み応えがあった。

小説の中で主人公が小説を読み進めていくという設定が面白い。
物語の中に物語があって、自分が今どこの世界に属しているかわからなくなるくらいの没入感がある。

ミステリ好きにはもちろん、ミステリ初心者にも是非お勧めしたい一冊でした。

逆境よありがとうのマインドが、人生から不安を取り除く。〜「ストイック・チャレンジ」〜

逆境よありがとうのマインドが、人生から不安を取り除く。〜「ストイック・チャレンジ」〜

逆境を楽しむ。
逆境は避けられない。
なら諦めて、楽しむ。人生の糧とする。

どう楽しんでいくか?
これはゲームだ。
この逆境を授けてくれる「神」がいる。
その神との対話だ。遊びだ。
面白い。やってやろうじゃないの?神様よ。

逆境を乗り越えていくことをゲームだと考えられれば強い。
人生は逆境を乗り越えて充実感を得ていくゲームだ。
何もない人生なんて味気ない。
逆境があってこそ、その向こう側に待っ

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「ジューンドロップ」を読みました。

「ジューンドロップ」を読みました。

夢野寧子さんの「ジューンドロップ」を読んだ。

文章の表現がとても美しく、おしゃれだなと感じた。

タイトルもおしゃれだ。
新しい命を効率的に残すために、多くなりすぎた果実が自然と落下することを呼ぶらしい。
あの現象に、そんなおしゃれな名称があるとは知らなかった。

切なくおしゃれに少女たちの心情を美しく描く一冊。ぜひ読んでみてください。

社会の圧力に流されながら生きていけばいい。〜「マリエ」を読みました〜

社会の圧力に流されながら生きていけばいい。〜「マリエ」を読みました〜

千早茜さんの「マリエ」を読んだ。
結婚について、幸せについて深く考えさせられた。

主人公は40歳近くにして離婚し、独り身となる。自分の好きなことをして前向きに生きていこうとするが、新たな出会いに巡り合い、心が揺さぶられていく。

僕は結婚していて、まだ離婚の経験はない。
願わくば、これからも経験をせずに生きていたいと思う。
離婚は無幸せなのだろうか。離婚して幸せになれる人もいるし、後ろ指をさされ

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若者の気持ちがわからずに苦悩する、おじさんたちにも読んで欲しい。〜「すべての恋が終わるとしても」〜

若者の気持ちがわからずに苦悩する、おじさんたちにも読んで欲しい。〜「すべての恋が終わるとしても」〜

冬野夜空さんの「すべての恋が終わるとしても」を読んだ。

若者に140文字の小説が流行っているらしい。
時代だよなぁと、おじさんらしい感想を抱いた。

140文字で「サクッと」エモくなり、感動したい。ある種の煩悩のような感覚だが、様々なコンテンツが繰り広げられる現代においては、とても賢い小説の嗜み方ではないかと思う。

一般的な小説を読もうとすると、どう短く見積もっても1時間単位の時間を捻出する必

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「銀の夜」〜人生楽しむことを諦めてしまったあなたへ〜

「銀の夜」〜人生楽しむことを諦めてしまったあなたへ〜

欲しいのは生きる手応え。
あの頃は良かった。あの頃に戻りたい。
そんな情けない思いを抱く自分に嫌気がさす。
そんなあなたに、おすすめの一冊だ。

主人公は3人の30代女性。
それぞれ結婚したり子供がいたり、それなりに生活を営む。だがどこかで物足りなさや満たされなさを感じている。
私の人生、これでいいの?
同じ不安を抱く人が小説の中に存在してくれるだけで、少し救われた気持ちになる。

3人の女性は1

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「昨夜のカレー、明日のパン」を読みました。

「昨夜のカレー、明日のパン」を読みました。

木皿泉さんの「昨夜のカレー、明日のパン」を読んだ。

人生には別れがつきものだ。
旦那さんを亡くした女性、息子を亡くした義父との生活が描かれている。
それぞれが悲しみを抱えながら、それでも与えられた今をできるだけ前向きに生きようとしている。

大切な存在を失うことは辛い。
それこそ、生きる意味なんてわからなくなってしまいそうになる。

けど、同じ悲しみを抱えてくれる誰かがいる。
それだけで少し心が

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全てが経験でありチャンス。借金であれ、失業であれ。〜「三千円の使いかた」を読みました〜

全てが経験でありチャンス。借金であれ、失業であれ。〜「三千円の使いかた」を読みました〜

原田ひ香さんの「三千円の使いかた」を読んだ。

生きることは辛く厳しいことばかりだけど、前向きに解釈していけたらいいなと感じた。

全ての経験を糧に、それを「ネタ」として生きていく。
この逆境があったからこそ今の私がある。そう思えるように、前向きに昇華できるように生きていたい。

家が貧しい。借金がある。
誰が悪いわけでもない。強いて言えば運が悪かった。
どこにもぶつけられない怒りを、文字にして、

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