自分で自分を肯定する「自家発電力」の高め方
あなたの「自分好き度」は100点中何点ですか?
不安障害で休職中に通っているカウンセリングで、先生から問いかけられた言葉だ。感覚でいいので、ちょっと点数をつけてみてほしい。
ちなみに私は50点と回答した。
自分に対して、好きな部分も嫌いな部分も同じくらい持っているから。
では、理想の「自分好き度」は何点ですか?
わたしは「80点くらいでしょうか」と答えた。
自分が嫌いで仕方ない、というわけではないけれど、
強みと言えるものがなくて、頑張れたことがあってもどこか自信がなくて、なんとなくずっと不安で
もう少し自信があったらな、と思っていた。
「自分好き度」が低いことの何が問題か
先生はこんな図を書いて説明してくれた。
「自分好き度」の理想と現実にギャップがあると、足りない分が不安になる。
そして、足りない分は他人からの評価で埋めようとする。
他人からの評価を気にするということは、
「嫌われたくない」「失敗したくない」「恥をかきたくない」「怒られたくない」「“ちゃんと”しなきゃ」
という思いに支配されるということだ。
だが、他人から良い評価をもらうのは大変だ。特に大人は。
だから、自分のことは自分で肯定できる“自家発電力”を身につける必要がある。
自分を肯定するワーク
「自分で自分を肯定する」とは「(〇〇ができる、などの条件なしに)自分の存在そのものに価値があると感じること」だ。
でもこれ、かなり難しい。
いきなり「あなたは地球に生まれただけで価値がある!さあ自分を愛そう!」と言われても「はぁ・・・」となるだろう。
そこでやってみてほしいのが、小さな条件付きの肯定を繰り返すワークだ。
例えば・・・
・眠いのにいつも通りの時間に起きられた
・昨日はできなかったのに、今日はお皿を2枚洗えた
・面倒だったけど、ゴミ捨てできた
などなど。
何かするたびに心の中で「えらい!」と言ってもいいし、私の場合は毎日の日記に【今日できたこと】として書くようにしている。
この時大事なルールが2つある。
☆自己満足でOK。他人の評価はいらない。
☆「白々しい」と感じても続ける。
特に2点目が大事なのだけれど、このワークをしていると、きっと自己肯定感低い族の方は「私、何やってるんだろう・・・」と白ける瞬間があると思う。
それでも、絶対に続けてほしいのだ。
想像してみてほしい。
・自分なりに頑張った資料を上司から「なんだこの出来は、0点だな。」と言われる。
・自分のプレゼンを見た先輩から「1年目から全然成長してないな」と言われる。
・疲れて帰宅したら「何この汚い部屋は!」と親に言われる。
どんな気分だろうか。
最初はムカついて「うるさいなあ」と反発していても、
言われ続けると、じわじわと「自分はダメなんだ」と思えてこないだろうか。
一方でこれはどうだろう。
・カラオケで歌ったら友達に「歌上手いね?!この曲も歌ってよ!」と言われる。
・仕事で伝票を書いたら、上司から「〇〇さんは字がとても綺麗ですね」と言われる。
・同期に仕事の質問をされて教えたら「教えるの上手いね!助かったよ」と言われる。
「いやいや〜」とか言いつつ、心の中ではちょっと調子に乗っちゃわないだろうか。
そう。言葉は、言われ続けると慣れるのだ。ネガティブでもポジティブでも。
だから、自分で自分を褒めるようにすると最初は白々しく感じても、慣れてくれば当然のことのように受け入れられるようになる。
こうして自己満足でいいので自分にOKを出せるようになると、「やりたいことがやれている感」が出てくる。
すると不思議と「なんだか最近、うまくいってるな」と思えてくる。
これを積み重ねていくと、ほんの少しずつだけど、自家発電力=自分で自己肯定感を上げられる、自分で自分のご機嫌がとれる力が身についてくる。
他人からの承認や褒め言葉は、自己肯定の土台にプラスするもの。
自己肯定の手段としてはならないのだ。
【保存版】自己肯定リスト
ここまで読んでくださって「自家発電力、高めたいな」と思った方は、ぜひ以下の具体例を参考に日々の自分褒めを実践してみてほしい。
【自己肯定のルール】(再掲)
・自己満足でOK。他人の評価はいらない。
・「白々しい」と感じても続ける。
【自己肯定のキーワード】
・今日はそこそこ頑張った
・やりたいことを割とできた
・億劫だったけど少しやった
・昨日はできなかったのに多少できた
・いつも通りにやれた
・私にしてはよくやった
【自己肯定の具体例】
・部屋の一部を掃除した(テーブルの半分を空けただけではなまる!)
・靴を並べた(溢れてたって問題なし!)
・お皿を2枚洗った(本当は10枚残ってても大丈夫!)
・簡単な料理をした(レンチンも料理!)
・予定の時間に起きた(午後に起きたっていいじゃない!)
・5ページ本を読んだ(漫画だって本だよ!)
・お風呂に入った(シャワーだけだって立派!)
・窓を開けて部屋の空気を入れ替えた(換気してえらい!)
・スーパーまで買い物に行った(外に出ただけで素晴らしい!)
・人と会話した(挨拶だけでも素敵!)
・野菜を食べた(ハンバーガーのレタスだって野菜だよ!)
具体例を見て、「こんなことで褒めてていいのだろうか?」「こんなに自分を甘やかしたらダメ人間になる」なんて思っていないだろうか。
「人は現状に満足すると歩みを止めてしまう」と。
そんな方は、これまでの人生を振り返り「進歩したなあ」と思うことを思い出してみてほしい。
絵を描くのが好きで授業中も落書きしていた日々。
寸暇を惜しんで単語帳をみて、少しずつ成績が上がった受験生の頃。
仕事で初めてアポが取れて、段々とアポ取りできるようになった新入社員時代。
「ちょっと上手くなってきたな」「だんだん調子が出てきたぞ」と思えた時、「じゃあ、この辺でいいや」と投げ出しただろうか?
きっと、「いい調子だぞ!」と思えた時ほど「もっと頑張ろう」とやる気が湧いてきたんじゃないだろうか。
小さい時に、親に褒めてもらったものほど、もっと上手くなりたいと真剣になった経験があると思う。
人間には成長したい気持ちがデフォルトで備わっているものなのだ。
だから安心して、自己肯定を繰り返してみてほしい。
「それでもうまくいかないよ〜!」という人のために
最後に、自分を褒めるということがなかなかできなかった私が、考え方を少しずつ変えられた過程でお世話になった本や記事を紹介する。
今も自家発電力を鍛える道半ばだし、自己肯定感は波があるものだからいつでもご機嫌でいられるわけではないけれど、これを読んでくださったあなたと一緒に私も頑張っていきたいと思う。
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▽自分の今を肯定する大切さを教えてくれる本
「もしアドラーが上司だったら」 小倉 広
人の行動の九十五パーセントは『できている』行動だ。しかし、ボクたちはたった五パーセントの『できていない』行動ばかりに注目して、『できている』九十五パーセントを無視してしまうんだ。それでは、エネルギーが湧くわけがない。やる気が起きなくて当然だ
だって、一日中『できていること』だらけなのに、それはすべて『当たり前』だから、と無視されて、ほんのわずかな『できていないこと』に注目をされてしまうんだよ。ボクだったらバカバカしくてやる気をなくしちゃうな。キミは自分に対してそれをしているんだよ。自分で自分のやる気をそいでいるのさ。ひどいことをしちゃっているよね
▽プラス思考=甘い考え、の思い込みから抜け出せる記事
「88点の仕事を、88点って言っちゃダメ」つんく♂が語り尽くす“伸びる若手”の共通項
「振り付けと歌詞を間違えたから、88点」っていうパフォーマンスだったとするでしょ。
そのときに、「マイナス12点分のミスをした」と認めたうえで、別のところで「12点分のプラス」を自分で見つけられるかどうかが大事。
「あそこはかっこよくできた」「ここのフレーズは最高だった」って、自分の加点ポイントをきちんと理解して、トータルで100点を取る力がほしいのよ。
▽「そんな小さなことで褒められない」あなたに
小さな一歩の積み重ねで十分だと気付かせてくれる記事
「毎日5分ずつ」を積み重ねていたらやりたいことが全部できるようになった
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