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水の空の物語 第五章 春ヶ原の光と影

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夏澄は春ヶ原を護りたいと願います。 霊力がない風花ですが、なんとか夏澄の役に立ちたいと願います。
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#少女

水の空の物語 第5章 第2話

「お前、なんでまだヘルメット常備しているんだ? 必要ないっていったろ」  まずいと、風花…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第4話

「それにさ……」   飛雨は表情を消し、天井を見る。  「春ヶ原の風の霊力は弱いぞ。もし…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第6話

「行、きたい……ー」  風花は肩を落とし、ひざに顔を押しつけた。  行きたい。  門限な…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第7話

「じゃあね、飛雨くん。今日もありがとう。また明日ね」  訓練が終わり、ガラス戸から出て行…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第8話

「今の自分にできることをしろって、いっただろが」 「だから、わたしは優月さん……」  答…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第9話

 風花は布団にくるまり、えへへと顔を埋めた。  さっきの飛雨の言葉が想い出される。  大…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第10話

 うまく、やれますように。  水色をした朝の空気の中、風花は霊泉への長い坂道を登っていた。  わたしは霊力がないから、ほとんど役に立たないけど。夏澄くんの役に立てますように。  息がひどく切れる。自転車のペダルを踏む脚が痛い。重い痛みが、脚全体に広がっていく。  急ぐ必要はないのだが、脚に力が入ってしまう。風花はペダルを踏み続けた。  藤原の御泉に着くと、自転車置場に向かう。  ペダルから脚を離すと、すーっと痛みが抜けていく。  髪の間を吹き抜ける風が、心地よかっ

水の空の物語 第5章 第15話

『ついさっきのこと……、私と優月が、もうすぐ藤原の御泉に着くってときのことよ』  花を想…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第16話

『それは……。ごめんなさい、できなかったわ』 『霊泉に来たとき、優月が弱っていたのはだか…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第24話

「春ヶ原は、だいじょうぶですよ」  まだ晴れない顔をしている夏澄に、優月はゆっくりと話す…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第31話

「明日野湖を出た立貴は、なにをするでもなく、山の中で、ただぼんやりとしていました」  記…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第35話

 風花は広場の端にある、杉の大木に駆け寄った。  勢いのままにすわり込み、空を見上げる。 …

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第37話

 風が夏澄に吹きつける。 夏澄は霊力で防御しているようだった。  これ、春ヶ原を傷つけた…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第5章 第39話

 同時に強い風に押された。  なぜか、優月の周りで風が起きた。   風は渦のように優月の周りをめぐったあと、周囲に散らばった。   風花は正面から風を浴びる。   悲しげな香りの風に包まれた。思わず息を止めた。   やがて、風に熱のようなものを感じた。  夏澄の悲鳴が聞こえる。   胸の辺りが熱くなって、息ができなくなった。目の前が暗くなり、風花の意識は薄れていく。   薄目の風花の視界の中で、優月もふらついていた。  「夏澄、立貴みたいに風を霊力で照らしてっ」