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水の空の物語 第六章 春ヶ原に射すひかり

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優月の様子を見に、風花は藤原の御泉へと急ぎます。
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#ファンタジー

水の空の物語 第6章 第2話

 公園に着いて、霊泉の前に立ったときだ。風花は、あれ、と思った。  今までは結界の前に立…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第3話

 夏澄たちの話では、昨日、太陽がすっかり落ちたころ、夏澄たちは藤原の御泉に帰ってきたそう…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第4話

「あの、スーフィアさん……」  風花は横たわる優月を見つめた。  彼の体はところどころが…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第5話

『夏澄は優月に霊力をもどしているの。でも、優月には黙っていて』  スーフィアの声だ。 『…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第6話

「ねえ、夏澄くん……」  風花はそっと声をかける。 「優月さんが元気になるように願おうね…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第7話

「ねえ、スーフィア、風花。草花はどうするかな? 俺じゃあ、細かいことは分からなくて」  …

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第8話

 やがて、林に霧が流れ始める。  霧は幻影の優月の姿を覆う。  幻影の優月の姿は見えなくなった。 「こんな風に、姿を消すこともできるよ。……春ヶ原には、立貴が籠もっていた禁足地があったんだよね? もう一度、そんな場所を造るのはどう? 今度はそこで優月が休むんだ。俺、なんでも協力するよ」  霧は風花たちや優月のほうにも流れてくる。  卯の花色に近い、暖かい色をしていた。霧は風花たちを包み込む。  やわらかい布のような感触がした。  思わず、風花も頬を寄せて目を閉じた

水の空の物語 第6章 第9話

 優月は夏澄に頭を下げて、向きをかえる。  そのとき、枯れ葉を含んだ風が吹いた。 優月が…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第10話

 優月さん……!  風花は駆け出した。  辺りを見回す。だが、どこにも優月の姿はなかった…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第12話

 夏澄はぽろぽろと涙を落としはじめた。  夏澄の表情から、優月はもういないんだと分かった…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第13話

 優月の木は泉のほとりにそびえている。目を凝らすと、木はかすかに霊力の光を放っていた。 …

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第14話

 風花のとなりにいた夏澄は、風花にもう一度、守護の霊力を張る。  その後、風花から離れて…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第15話

「おいで、ビー玉、竹とんぼ」  草花は小さな声でつぶやく。寝言のようだ。 「今日は泉で水…

近江結衣
1年前
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水の空の物語 第6章 第16話

 風花は泉の前にもどり、そっと、優月の木の前に立った。  優月の木を見上げる。 「ねえ、優月さん。聞こえる?」  弱っている優月に届くか分からない。聞こえるように願いながら、風花は丁寧に話しかけた。 「草花ちゃんは今の春ヶ原を見ていないよ」  優月の姿が目の奥をよぎり、風花の声は震えた。  優月の木はかすかな放って、今までと変わらない。だが、なぜ優月の姿は見えないんだろう。  もしかして、もう精霊の姿を保てないでいるんだろうか。 「優月さん。草花ちゃんの中では