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さと みいふう
2024年8月31日 18:24
遠い昔 ことばがなかったころの〈8〉今日は久しぶりに、石さんの所へ、行く所です。暑い暑い夏と、大きな大きな台風の、8月の終わり。石さんの所は、きっと、苔が青々と、ふかふかと、しているでしょう。石さんの所へ行く前に、少しここで、お話します。この頃、8月31日が近くなると、テレビや新聞などで、夏休み明けに学校に行くことが辛い人のために、話を聴いてくれる所、みんなで
2024年5月27日 08:15
石さん、少し聞いていただけますか?そう思って、さんぽの途中、角を曲がって来ました。けれど、話したいことがまだまとまらなくて、いったん通りすぎました。歩きながら…考えているところです。……………………………3人は小学校の頃からの友達でした。3人のうちでは1番早く、数ヶ月だけ先に誕生日がやってくる彼女。この間、先に空へ旅立ってしまいました。のんびりしゃべる3人なのだか
2024年3月30日 10:52
石さん、ごきげんいかがですか?今日はさんぽの途中、角を曲がることにしました。久しぶりに、石さんに会いたくなりました。今朝起きる少し前に、ふと思ったことがあって。頭から消える前に、枕元にいつも置いてあるメモ用紙を、あわててたぐり寄せて、書きとめました。………………………………自分がことばを、初めて拾い上げた日。その時どんな思いで、そのことばを拾い上げたんだろう
2024年1月31日 08:10
じっと待っています。雪がとけるまで。どんなに長く生きてきても、昨日、頭の上に積もった雪をどかすことはできないのです、わたくしは。この雪は、溶けるまで、このままです。うさぎさん、今日は雪道でしたでしょうに、あの角曲がって来てくださって、ありがとう。君は雪の上に、足跡をつけられます。がにまた、うちまた、けんけんぱっと。わたくしは、ただ、じっと待っております。
2024年1月18日 07:52
しばらくの間、ここにいましょうか。わたくしは、そう決めて、ここで、空を眺めておりました。ある日、苔が「私も。」と言うので、ここはなかなか居心地がよいですから、一緒におりましょう。ということになりました。すると、その日から…雨の音程が変わりました。雨の香りがするようになりました。雨は沁みこむものになりました。………………………………うさぎさん、今日はそんな話で
2023年11月7日 23:30
木々の葉が色付いて、夜空に見える星が、冬の星になってきました。石さん、あなたは、ことばがうまれるずっとずっと前から、頭の上に、黄色や赤色の葉っぱをのせて、頭の上に、星をめぐらせて、ここに居ます。人は、あるひとつのことを、〈ことば〉にして、良いことにも、悪いことにも、して、今日ここに居ます。頭の上に、葉っぱをのせて、星と共に居る。そのことが、良いことで
2023年10月12日 10:48
葉っぱや、種、木の実を、つい拾ってしまいます。なんで?と聞かれても、なんで拾ってしまうのか、言葉にできないのです。けれど、なんとなく、血がそうさせるのだ、なんて、心の中でつぶやきながら、足を止めてはまた、つい、拾ってしまいます。なんで?に、言葉が見つからない。そういうことが、私はたくさんあります。遠い昔、鳥だった頃、遠い昔、言葉がなかった頃の、思い、憶い、懐い
2023年4月29日 12:42
例えば“美しい“という言葉は、遠い昔、まだ言葉を持たなかった頃、今日咲いた花を発見した時、月を見上げた時、体の、心の奥で、何かが動き、うまれた思いをいつの頃か、誰かが言葉というカタチにしてくれたものだと、思うのです。言葉がなかった頃の憶い、懐い。言葉にならない体の、心の、奥の奥の奥にあるものを、思い、想い、考い《おもい》…いつも言葉を探します。絵はむずかしい言