マシュウ

あいだをただようひと。場と言葉の作家。任意団体yoriai.共同代表。「言葉にならないしんどさ」をテーマに、場づくりや研究活動をしています。身体が勝手に固まったり動いたり、そのほか心の生きづらさと共に暮らしているよ。

マシュウ

あいだをただようひと。場と言葉の作家。任意団体yoriai.共同代表。「言葉にならないしんどさ」をテーマに、場づくりや研究活動をしています。身体が勝手に固まったり動いたり、そのほか心の生きづらさと共に暮らしているよ。

マガジン

  • まいにちオノマトペ

    「まいにちオノマトペ」は、まいにちの暮らしに潜んでいるオノマトペを見つけ、オノマトペにまつわるエピソードを綴るエッセイ。 オノマトペとは、擬音語・擬態語。複数の感覚を写し取る言葉。 暮らしに潜むオノマトペを見つけてみませんか?

  • シェアリビング日記

    大阪・高槻で進めているシェアリビング企画! シェアリビングって何?から始まり、色々な人が漂いながら作り上げるまでの模索日記。「シェアリビングかもし!ない」空間から大事なことも見えてくるかも…?

  • シ的投稿

    「シ的投稿」とは、私的かつ詩的に気持ちをざっくばらんと書き綴った投稿。投稿が積み重なれば、史的なものになるかもしれない。 平たく言えば、私の精神的症状を表現してみようという試み。

  • もやもや郵便局~イタいまま、でも生きてます。

    • 12本

    院生2人が「イタいまま、痛いまま、居たいまま」、日々疑問に思ったことを「往復書簡」という形でつづります。 モヤモヤする…イタいままじゃだめなのかな…暇だな… 漂う人たちのお休みどころとしてご利用ください。 毎週のんびり更新予定。

  • わたしの説明書

最近の記事

こねこね

すぐに吐き出してしまいたい気持ちと、少しのあいだ自分の中に留めて熟成させたい気持ちがある。 熟成と言っても、ただ放置するわけではない。気持ちを思考の波にさらして、揉んで、形を変えてみたりしながら熟すのを待つ。最初はばらばらの粉だった小麦粉が、混ぜられ、揉まれ、発酵してパンとして膨らむように、気持ちを「こねこね」して、変化を見守る。 「劣等感」、この気持ちをどう取り扱えばいいのか、私にはまだ分からない。ふとした言葉のやり取りで、自分が「普通」に至っていないのだと、情けなく、悲

    • じんわ

      京都でふぐのひれ酒というものを飲んだ。 ふぐのひれをこんがりと炙って、日本酒の中に浸してそのまま飲む。 一口飲んで、香ばしさから、ひれが丁寧に炙られたことがわかる。 味もおつだが、器もおつである。 湯飲みに蓋がしてあって、そこに「ひれ酒」と美しい青い文字で書かれているのだ。(京焼だろうか?) ひれ酒だけのための湯飲みはどこで作られて、このお店にやってきたのだろう。 そんなことを思いながら酒を口に含むと、「じんわ」と何とも言えない味わいと、温かさが身体に広がる。 もしかしたらず

      • くききき

        くききき レシートをくちゃくちゃに丸めたときに、あの光沢のある紙同士がこすれる「くききき・・・」という音が苦手だ。 何かを押し込めるような、互いに無理をしあっているような、そんな音。 ここ数日、心が「くききき」な感じがしている。 きしむような、丸い自分の心を無理矢理四角に押し込めるような。 そのまま放っておくと、きっといつかぱきんと折れてしまうだろう。 身体もなんだかトゲトゲしていて、指に3箇所もささくれが出来てしまった。地味に痛い。 こういうときは、言葉もなかなか浮

        • ちりちりしゅしゅしゅ

          ちりちりしゅしゅしゅ ついに、ついに手に入れた!! 念願のせいろを! 肉まんなど飲茶を蒸すのでおなじみ、「せいろ(蒸籠)」。 実は野菜やお肉を入れて蒸すと、料理が楽ちんだし、脂も落ちて健康にいいと聞いていた。 ストレスが溜まるとついつい激辛インスタントラーメンをゆで始めてしまう私だが、そのジャンキーさに惹かれているというよりも、「辛いものをひいひい言いながら食べる」というエンタメ性を求めて食べていることに気づいた。 それなら、「季節の野菜をせいろを使って蒸す」というエンタ

        マガジン

        • まいにちオノマトペ
          7本
        • シェアリビング日記
          2本
        • シ的投稿
          3本
        • もやもや郵便局~イタいまま、でも生きてます。
          12本
        • わたしの説明書
          2本

        記事

          まいにちオノマトペ#4 11月11日「ほゆげ」

          ほゆげ 文章を書くときは、もっぱらスマホをパソコン使って文字を打ち込むことが多くて、漢字変換の正確さに助けられている。テンポ良く文章ができあがっていくのは気持ちがいい。けれど、長時間キーボードをタイピングし続けると、疲れてきて指はもつれるし、頭もぼーっとしてくる。 今日も「表」と打ち込もうとして、パソコンの画面に映し出されたのは、「ほゆげ」。 何をどう間違えたのかわからないくらい原型を留めていないので、突然見知らぬ「ほゆげ」が登場して驚いた。 でも「ほゆげ」ってちょっぴ

          まいにちオノマトペ#4 11月11日「ほゆげ」

          まいにちオノマトペ#3 11月9日「たゆん」

          たゆん 切羽詰まっている。なぜなら締め切りが近いから。寝ても覚めても論文のことを考えていて、気持ちに隙がなくてぺちゃんこになりそうだ。この前なんて夢でも論文を書いていた。 論文、ろんぶん、ロンブン…。ずっと唱えていると、なんだか不思議な気持ちになる。論文というのは、比較的固い文章の部類に入るけれど、「ロンブン」という音はなんだかフランスの甘いお菓子みたいで、柔らかいイメージもできるし、謎の呪文のような気もしてくる。 そんなことを考えていると、張り詰めていた糸がちょっぴり

          まいにちオノマトペ#3 11月9日「たゆん」

          まいにちオノマトペ#2 11月8日「ぐにぐにぷるぷる」

          ぐにぐにぷるぷる 今日、友人とお茶をしていて、お互い夫婦で好きな食べ物と苦手な食べ物がすれ違うという話になった。私の好きなものがパートナーは苦手、というように。 我が家の場合、私はきのこが大好きだが、パートナーは苦手である。そのほかすれ違う食べ物は、茶碗蒸し、果物のうるみ(熟したところ)などなど・・・。 日記を読み返したときに、こんな走り書きがあった。 「ぐにぐにぷるぷる、パートナーが苦手な食べ物」 どうやら彼の苦手なものは「ぐにぐにぷるぷる」と総称できそうだと、少し前

          まいにちオノマトペ#2 11月8日「ぐにぐにぷるぷる」

          まいにちオノマトペ#1 11月7日「がたぶるピピぴっ」

          がたぶるピピピッ 寒い。寒すぎる。 今日は立冬だという。ならば寒くても仕方がないだろうと納得できるわたしではない。朝から湯たんぽを2度も変えるはめになったし、ズボンのすそをレッグウォーマーで押さえた、おしゃれ度外視な格好でうっかり外へ出てしまった。 身体ががたがた震え、ぶるりと肩が揺れる。 代謝が悪いのか、いっこうに体温が上がらない。困った。 寒さとにらめっこし続けても仕方がないので、なんとか自分を焚きつけて仕事へ誘う。手を動かしてしばらく、カチリという音が体の中から聞

          まいにちオノマトペ#1 11月7日「がたぶるピピぴっ」

          秋風の下の小さな表現者たち―アートプレイパークの思い出―

          バケツを持って、壁一面に筆を思うままに走らせ、絵の具でいっぱいにする。 幼い頃、とある室内プレイパークで経験したアートの思い出は今も私の中に息づいているけれど、日々の中でなかなかそんなふうにめいっぱい表現できる場所はない。 けれど、絵の具と表現と、そしてその表現をあたたかく受けとめる心が満ちた場所に大人になった私は出会った。 「アートプレイパーク」の朝は早い。 小さな子どもたちが自由に絵の具をたくさん使えるように、施設の壁や床をシートで覆う必要があるのだ。 初めてスタッフと

          秋風の下の小さな表現者たち―アートプレイパークの思い出―

          任意団体yoriai.を立ち上げました!

          すっかり秋めいてきましたね。 実は9月に早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程を修了しました。 とはいえ、修了式の日は学会発表があり、実感は湧いていませんが・・・。 次に何をするか、というところですが、実はずっと「みんなとつむぐ音楽会」というプロジェクトを一緒に作り上げてくれている仲間の角亮典さんと任意団体を立ち上げました その名も「yoriai.(よりあい。)」です! 私と角を含む、ままならなさを抱える私たちが、ままならないまま寄り合って生きていける社会を目指し、寄り

          任意団体yoriai.を立ち上げました!

          5月10日 おりる・つなぐ場としての「シェアリビング」

          バタバタとしているうちに、シェアリビングで集ってから2週間も経ってしまった。 記憶の奥のほうから、シェアリビングのぬくりとした雰囲気と対話の内容をなんとか思い出す。 今回のシェアリビングは、アオキさんとマミちゃんと私の3人。 少し遅れていった私は二人の待つぬくりとしたシェアリビングに入って、ほろ苦いアイスコーヒーをごくごく飲んだ。 シェアリビングでは、そう決まっているわけではないけれど、近況であるとか、最近モヤモヤしていることをお互いに持ち寄ることが多い。そこから、「これ

          5月10日 おりる・つなぐ場としての「シェアリビング」

          4月26日 緊張をほぐす「シェアリビング」

          今日も高槻のWonderful tableにやってきた。シェアリビングに集うために。 前回はとても緊張しながら冒険のような気持ちで商店街を歩いていたけれど、今日はわくわくと楽しみな気持ちが大きくて、足取り軽くあっという間にWonderful tableに到着した。 今回は私はアオキさんの2人。 畳の部屋に入るとおばあちゃんの家みたいでホッとする。 ゆったりと場づくりの話や研究の話、表現の話をした。 印象深かったのは、「緊張」の話。 のびのびとした表現をするためには、場の柔ら

          4月26日 緊張をほぐす「シェアリビング」

          4月12日「シェアリビング」という言葉に集う

          アオキさんがSNSに発信していた「シェアリビング、かもしれない」という言葉につられて、高槻のWonderful tableにやってきた。 Wonderful tableは、店長さん選りすぐりの美味しそうなものや身体に良さそうなものが並ぶおしゃれでほっこりしたお店だ。 シェアリビングっていうけど、リビングらしきものはない。 アオキさんがこちらへ~と店の奥へと案内してくれる。 広いキッチンの横にある、ガラスの引き戸を開けると、なんとも懐かしい居間=リビングが現れた。 畳に大き

          4月12日「シェアリビング」という言葉に集う

          2023年みんなとつむぐ音楽会の振り返り

          こんにちは!今回は私が代表を務めるプロジェクトである「みんなとつむぐ音楽会(通称つむおと)」の振り返りをしたいと思います。2023年はつむおとにとってまさに「芽吹き」の1年でした! つむおと、とは?みんなとつむぐ音楽会(通称つむおと)は、2022年3月より活動開始しました。生きづらさを抱える子ども・若者が、音楽の演奏・鑑賞を通して、自分の「表現」を見つけたり守られる経験をし、ゆるやかに他者とつながるきっかけを持てることを目指しています!音楽会は二部制で、(1)アマチュア演奏

          2023年みんなとつむぐ音楽会の振り返り

          ひとりで悩むのはおわり!ワークショップ「きもち翻訳」で心のモヤモヤを伝える言葉を見つける

          今回は、2022年から私が製作・実施しているワークショップ「きもち翻訳」のご紹介をしたいと思います。 心がモヤモヤするけど、なぜ、どんなふうにモヤモヤするのか、自分でも分からないことってありませんか? 「きもち翻訳」では、オノマトペ作家で、10年以上心身の不調を言葉にする経験をしてきたファシリテーターと一緒に自分の「モヤモヤ」を表すオリジナルの言葉(オノマトペ)を作ります。 これまで1人で悩んできた「心のモヤモヤ」を楽しく捉え、気軽に誰かに伝えられるようになります。 ワー

          ひとりで悩むのはおわり!ワークショップ「きもち翻訳」で心のモヤモヤを伝える言葉を見つける

          チャイで取り戻すもの

          2か月前から、毎日チャイを煮出している。 チャイカフェに行ってみたのがきっかけだ。そのチャイカフェでの時間は素晴らしいもので、チャイをゆっくり飲みながら、チーズケーキをちびちびと食べ、『おじさん』というおじさんたちの写真集をじっくり眺めた。贅沢な時間だった。 こんな時間が自分の部屋にも訪れたらいいな、と思って缶入りの茶葉を買って帰った。 チャイの作り方は案外簡単だ。 小鍋にお湯を沸騰させ、茶葉を入れる。 弱火で2分煮たら牛乳を加えて、煮立たせる。 1~2分放置して、火を止め

          チャイで取り戻すもの