まいにちオノマトペ#3 11月9日「たゆん」
たゆん
切羽詰まっている。なぜなら締め切りが近いから。寝ても覚めても論文のことを考えていて、気持ちに隙がなくてぺちゃんこになりそうだ。この前なんて夢でも論文を書いていた。
論文、ろんぶん、ロンブン…。ずっと唱えていると、なんだか不思議な気持ちになる。論文というのは、比較的固い文章の部類に入るけれど、「ロンブン」という音はなんだかフランスの甘いお菓子みたいで、柔らかいイメージもできるし、謎の呪文のような気もしてくる。
そんなことを考えていると、張り詰めていた糸がちょっぴりたわむ。たゆん。
ゆるんだついでに周りを見渡すと、「たゆん」がいっぱいある。最近まあるくなった、たゆんなお腹。安心できる友人との会話。美味しいコーヒー。
たゆん、と、ぴーんを繰り返して、なんとかやるべきことをやっていく。
なんとか、なんとか、走り抜けよう。
今日のエッセイも、たゆんとした気の抜けたエッセイだ…。
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