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Q&A : 過食のスイッチ

こんにちは。私は摂食障害はじめ、精神疾患経験者です。経験談から考え方、メンタリティーについてコラムを書いたり。カウンセラーもやっています。X @mgmgpai で質問やお悩みを頂いて Ameba blog @konpaichan |noteでお答えさせて頂いています。

今回は頂いた質問に答えるnoteです。考え方の選択肢の一つとして参考に読んで下さればと思います。

頂いた質問です、ありがとうございます。


過食の原因①体の飢餓状態

過食の原因をセクションに分けて私の見解をシェアします。①は「体の飢餓状態」です。 "飢餓"という言葉からイメージするのは極端な痩せ・低体重・栄養失調かもしれませんが、私はそう捉えていません。言い換えれば「体の足りない物に対する欲」です。

心の問題にも重なるのですが「体に対するイメージ・状況の把握・健康や安心の範囲・基準」が、摂食障害さんは偏っているのです。

つまり、自分の認識(自覚)が「今は沢山食べている(健康的、あるいは過食の範囲)」と思っていても、健康的な人の食事量からすれば「少ない・足りない」とか「偏食」などの問題が残っているかもしれません。

この「心と体のバランス」が難しいところなので、質問者様がどんな食生活で、どんな健康状態なのか?を把握していない私なので、表現に誤解があったら申し訳ないです。


本題ですが、過食のトリガーになってしまう理由で「飢餓状態」を考えるのは、普段の禁止食(制限)がある点です。

質問者様は、沢山食べている認識でも体は本当に満足できているのでしょうか?無理な"制限"をしていない。と仰る「制限」とは、極端な制限と今を比較した上での感覚ではありませんか?


例えば、摂食障害になってから「極度の痩せ」に囚われていた時期は、何も口にしない日が続いたり、食と距離を置いていた。なんていう症状だったとします。

しかし、回復を見据えて食事量を増やしていく中で「野菜だけでも食べる」というのは、確かに前進ですが、体を思えば「偏った食事・栄養不足のメニュー」です。

症状と今を比較してしまえば、何でも過食に値したり、カロリーの摂りすぎに感じたりします。

禁止食もその一つ。一般的な感覚では心の理由(痩せたいなど)で極度の制限をしてしまう事はありません。ですから、禁止食を設けて節制してしまう癖を摂食障害の症状とします。

禁止食の中で摂れる栄養は偏っていたり、体は「まだ足りない」と感じるのかもしれません。故に、過食欲となって体に栄養が必要だとサインを送っているのではないでしょうか?

クッキーやチョコを「短期間で沢山食べた」と言っても、大した事ではないという判断になります。

365日続いている訳でもありませんし、前提に「摂食障害の痩せ状態」から「回復」に向けて体を作っている最中です。もっと栄養価の高いものを体に与えても良いのではないか?と思います。

過食欲は「脳の防衛反応」です。痩せている限り続き、体重が十分に増量しなきゃ止まらないのです。摂食障害からの回復は、多くの方が発症前の体重より増えて回復していきます。過食欲の低下も、回復が進み落ち着いてくれます。

回復過食期は過食の衝動の原因が「痩せ」にあるので、沢山食べても空腹のスパンが短く、甘いものや栄養価が高いものを必然的に欲します。(すぐにエネルギーに変わるもの)甘いものやしょっぱくて、味が濃いものなど。他にも、これらを普段制限していることから、食べたい気持ちが消化されないとも考えられます。


過食の原因②心の問題

飢餓状態で書いた「判断・把握」は心の問題でもあります。重複してしまうので、省略します。

もう一つは「食後に」という言葉に焦点を当てて考えます。食事中に「心もお腹も満たせていたら?」口寂しく、ずっと何かを口にしていたい衝動性は低下すると考えます。(飢餓状態に書いた通り、回復期の過食衝動と考える事もできます)

今は自分の心でコントロールしてはいけない「大事な食欲」だという認識と、普段の心の問題で節制しているストレス・不満が、食べ続ける事へ繋がるのだと思います。

太るから、過食を止めたい・辞めたいと思っても理由は「体と心」にあるのです。健康の土台があって心の問題を解消していく「時間の経過」と共に、自然と辞められる事ですから、無理に辞めたり、制限を繰り返してはいけません。また過食欲のトリガーや引き金になります。

食事中に「食べたいな」と思ったものを、食べたいだけ食べる。大事な事です。

美味しいより先に「何キロカロリーだろう?」とか「明日は食事量を減らさなきゃ」などの心配や不安で上の空では、心からのお腹一杯の満足が感じられないのです。

食べたかったのに、上手く食べれなかった事で、食後に長時間の間食を摂ってしまうパターンはよくある回復期の例です。質問者様だけではないので安心して欲しいのと、もう一つ。

健康体でもある事だと知って欲しいです。よくある話をします。飲み会で食べ放題コースを頼み、大勢で分け合い食卓を囲みます。ですが、他人に遠慮したり、人目を気にするあまり「満足できなかった」と思うのです。家に帰る途中で、何か食べたり。家に帰って冷蔵庫を漁る。人には見えない場所でやってる事だから気付かれないけど、みんなそんな事やってます。

食事だけではありません、この例で言えば「お酒好きさん」も飲み足りないから何件もはしごしたり、自宅飲みに移行します。他にも、カラオケで3時間歌っても、歌い足りない人は家の風呂で熱唱する。授業に追いつけていない人は復習をする。などなど。

一度の物事を「完璧に満足する・こなす事」なんて、それほど大事な事じゃないんです。その時々に自分が感じる事、場を楽しんだり、試行錯誤とかそういう事が大事なんですよね。


イベントの過食もよくある事、世の中の人が言っている事。昔から「正月太り」という言葉があるくらい、美味しいものを沢山食べる季節だとされています。アメリカは「Christmas weight gain(クリスマスウェイトゲイン)」といって、祝日に沢山食べる事を比喩する言葉もあります。

摂食障害さんの心の問題の「傾向」には:完璧主義・0か100かの極端さ:など見受けられます。

そんな心の問題が食事や容姿に向いてしまった時に、人より過剰なダイエットをして摂食障害になったり。摂食障害からの回復期でも、心の問題が回復を難しくさせます。


最後に

理由は他にもあるかもしれませんが、私が考える範囲でのアンサーとなります。考え方の選択肢にして頂けたら幸いです。






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