本当に「なりたい自分」を認識する方法【前編】
筆者の記事によく出てくる「なりたい自分」というワード。
「なりたい自分」って、いとも簡単に書かれているけど、実際に明確化するのってなかなかに大変なんですよね。
たとえ、明確化できたとしても、実は自分が本当に望んでいる姿ではなく、
他者から刷り込まれてしまった情報や価値観から無意識のうちに「自分がそうしたい」と思わされてしまっていたり…。
今回は、前編と後編で本当に「なりたい自分」を認識する方法をお話します。
「なりたい自分」はどんな姿をした自分?
「なりたい自分」を教えてください、と聞かれたら、どのように答えますか?
◆何でもできて、何でも成功する自分
◆いつも自信に満ちあふれている自分
◆周りの人と良好な関係が築ける自分
◆好きな人に愛される自分
おそらく、このような言葉が出てくるのではないかと思います。
しかし、これだけだと「自分が憧れる姿」「こうなりたいと思う姿」をそのまま言葉にしただけで、いかにも抽象的すぎなんですよね。
つまり、言葉に中身がない状態。
誰かに聞かれて、その場で思いついたことを反射的に返しているだけで、
なぜそう思うのか、「なりたい自分」になってどんな気分を味わいながら日々生活していきたいのか、という、
重要な部分が抜けてしまっているわけです。
ちなみに、その場で思いついたことを反射的に返す言葉というのは、
自分の潜在意識(無意識下)にある情報が言語化されてアウトプットされたものです。
したがって、反射的に出てくる言葉を知覚することで、潜在意識が持っている情報を認識することができるので、
自分を内観するうえで肝となります。
なぜその自分になりたいのか
抽象的な「なりたい自分」が思い浮かんできても問題ありません。
ここから、ゆっくり中身を観ていきましょう。
では、なぜ「その自分」が「なりたい自分」として、浮かび上がってきたのでしょうか?
ここでは、上記の「周りの人と良好な関係が築ける自分」を例に見ていきます。
まず、「周りの人と良好な関係が築ける自分」になりたい!と、思ったきっかけを掘り下げていきます。
ちょっとここで、目からウロコの話になるのですが、
抽象的な「なりたい自分」が、ふと浮かんでくるというのは、浮かんできたことに対しての今の現状に満足できていないからなんです…!
例にあげている「周りの人と良好な関係が築ける自分」というのも、
対人関係で何かうまくいかないことがあったり、あるいは自分を攻撃してくる人が身近にいて困っていたり…。
おそらく対人関係で、過去に、そして今もなお満足がいかず、
なんとかしたい!!!と思っている状態から、「なりたい自分の姿」に派生しています。
要は、私達は今の自分に不足していることを補える事柄を「なりたい自分」として認識することで、
なんとかして今の現状を変えたい!と思っているわけです。
「周りの人と良好な関係が築ける自分」を「なりたい自分」として認識することは、決して間違ってませんし、
むしろ、
「生命の危険を察知して危険から回避する」本能の観点では、健全な働きをしています。
抽象的な「なりたい自分」の問題点
なぜ、抽象的な「なりたい自分」が問題となるのか。
前述のとおり、抽象的な「なりたい自分」というのは、今の自分に不足していることを補いたいがために設定された姿です。
つまり、
「なりたい自分」になった「その先」が設定されていないので、
「周りの人と良好な関係が築ける自分」自体がゴールになってしまっている状態となってしまうことに問題があるのです!
「なりたい自分」のその先が設定されていないことで起こる弊害
抽象的な「なりたい自分」自体がゴールになっていると、
たとえ「なりたい自分」になれたとしても、それは一時的もしくはほんの一瞬で、すぐに元に戻ってしまう性質があります。
なぜならば、
「なりたい自分」自体がゴールとなることで、その先の「なりたい自分の姿」が白紙になっているからなんですね…!
潜在意識というのは、私達から新しい情報が差し挟まれない限り、
潜在意識が持っている過去の思考回路(思考癖)を基にアウトプットしながら、現実や自分のいる世界というものを創り出していきます。
したがって、
たとえ、私達にとってマイナスに感じる現実や世界を創り出す思考回路であっても、
私達からオーダーがなければ、潜在意識は過去のデータを駆使して現実や世界を創り出してしまうため、
現状の不足分を補う抽象的な「なりたい自分」ではなく、持続的に「なりたい自分の姿」を明確に認識した「願い(オーダー)」が必要となります。
過去や現状にとらわれずに「なりたい自分」になった未来を観る!
それぞれ程度に違いはありますが、人間誰しも、過去やその時々の感情に巻き込まれやすい一面をあわせ持っています。
そのため、現状のすぐに変えたい事柄を、未来の「なりたい自分の姿」に重ねてしまいがちなところがあり、
それに伴って「なりたい自分」というのも、現状の不足分を補うことが目的となってしまいます。
持続的に「なりたい自分の姿」を明確に認識するためには、
◆なぜその自分になりたいのか
◆「なりたい自分」になった自分は、周りからどんな風に観られていて、どんな気分で日々過ごしたいか
上記2つがポイントになります。
私達は普段、一生懸命に頭を捻らせて考えていても、実は深いところまで掘り下げられていないことが多かったりします。
自分自身や物事を深掘りして観ることは、感情にとらわれずに俯瞰して観ていく思考癖をつけていくことで身につけられます。
慣れ親しんでいない思考をすることに、はじめは違和感があったり、ムズムズした気持ちになったり…
時には「こんなことできるわけなーい!」と、投げ出したくなることもあるかと思います。
けれども、練習を重ねていくことで、誰もができるようになりますので、何度も記事を読み返しながらゆっくり身につけていただけたら幸いです♡
後編では、自分の持つ価値観の分析などを踏まえて、引き続きお話していきます。
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