嵐山 役満

初めまして、嵐山 役満です。麻雀をテーマに、創作ことわざや短歌、短編小説を書いています…

嵐山 役満

初めまして、嵐山 役満です。麻雀をテーマに、創作ことわざや短歌、短編小説を書いています。ユーモアや哲学を織り交ぜ、麻雀の奥深さや人生の妙を表現。読者の皆様に、思わず頷く瞬間やふっと笑えるひとときをお届けできれば幸いです。

マガジン

  • 麻雀ことわざ新帖

    卓上に生まれた言葉たち 「麻雀ことわざ新帖」は、麻雀を通じて生まれた架空のことわざや言い回しを取り上げた創作物です。 全てフィクションであり、実在する人物や団体とは一切関係ありません。

  • 麻雀短歌

    このマガジンでは、日々の出来事や心の動きを短歌で綴っています。何気ない瞬間や感情を五七五七七のリズムに乗せて、少し違う角度から世界を見つめ直すような短歌をお届けします。気軽に楽しんでいただける内容になっていますので、短歌に馴染みがない方もぜひ覗いてみてください。

  • 【麻雀小説】牌の記憶

    このマガジンでは、麻雀を題材にした短編小説をお届けしています。勝敗の背後にある人々の心の動きや、日常の中で起こる小さなドラマ、そして時にはちょっと不思議な話も描いています。麻雀を知らない方でも楽しめる内容です。 なお、この作品はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません。 【毎週水曜日21:00更新】

  • 【読み切り】牌の記憶

    このマガジンでは、麻雀をテーマにした短編小説を不定期でお届けしています。卓上のドラマや人々の思いが交錯する物語を、気軽に楽しんでいただける内容で綴っています。麻雀好きな方はもちろん、初めての方にも楽しんでいただけるよう、肩肘張らずに読める作品を目指しています。

最近の記事

【諺】黙して満貫、崩れて無間(むげん)

雀荘の夜は深く静まり返り、牌の擦れる音だけが響く。この場所には言葉は少ない。誰もが自分の手の内と静かに向き合い、心の内を読み合っている。私は今日の勝負に心を定めた。相手の動きを探りつつ、こちらの意図は悟られぬよう慎重に牌を重ねていく。リーチの誘惑はあるが、ここは堅実に「ダマテン」で行く。勝利を確信した瞬間、「ツモ」と小さく告げる。この静けさの中に、ひっそりと訪れる満貫の達成感。雀荘の空気は揺るがず、私はただ一人静かに勝利を味わう。 しかし、麻雀とは時に無慈悲だ。次の局では、

    • 【短歌】 役遠く ただ手を置きて 過ぎる局 他家の和了りに 見守るばかり

      10月20日 麻雀打ちの歌(寒露)役遠く ただ手を置きて 過ぎる局 他家の和了りに 見守るばかり

      • 【短歌】 雀魂に 役も決まらぬ 初の局 手を止め呼ばれ 焦りの風よ

        10月19日 麻雀打ちの歌(寒露)雀魂に 役も決まらぬ 初の局 手を止め呼ばれ 焦りの風よ

        • 【短歌】 音だけが 響く静寂(しじま)に 手を重ね 咲かずに散りし 無言の一局

          10月18日 麻雀打ちの歌(寒露)音だけが 響く静寂(しじま)に 手を重ね 咲かずに散りし 無言の一局 自分だけ聴牌も放銃もなく、勝負にかすりもしない時ありますよね。 その卓にいたのかな?というような何もない凪の一局を歌いました。

        【諺】黙して満貫、崩れて無間(むげん)

        • 【短歌】 役遠く ただ手を置きて 過ぎる局 他家の和了りに 見守るばかり

        • 【短歌】 雀魂に 役も決まらぬ 初の局 手を止め呼ばれ 焦りの風よ

        • 【短歌】 音だけが 響く静寂(しじま)に 手を重ね 咲かずに散りし 無言の一局

        マガジン

        • 麻雀ことわざ新帖
          19本
        • 麻雀短歌
          9本
        • 【麻雀小説】牌の記憶
          1本
        • 【読み切り】牌の記憶
          2本

        記事

          【読み切り短編】緩牌(かんぱい)!雀荘の心得

          石田は、いつものように夜のオフィスを出た。中小企業の営業職に就いて10年目。今日も仕事の終わり際に取引先との交渉がうまくいかず、重苦しい気分が心に残っている。頭の中では、なぜあの時こう返せなかったのか、と自分を責める思考がぐるぐると回っていた。 エレベーターの扉が閉まる音を背に、彼はスマホを手に取る。そして、迷わず雀荘「風待ち」の予約ボタンを押した。今夜も、静かに牌を握る時間が自分を救ってくれるはずだ。 「いらっしゃい」雀荘に入ると、店主がいつものように軽く挨拶をしてくれ

          【読み切り短編】緩牌(かんぱい)!雀荘の心得

          【諺】場に咲かず、実も結ばず

          麻雀の卓に座るとき、誰だって気合が入る。牌が配られる瞬間、今日こそは和了の嵐を巻き起こすつもりだ。最初の配牌を見て、「よし、今日は行ける」と気合が高まる。そして、局が始まる。ところが、最初の数巡が過ぎる頃、早くも異変が起こる。手を進めようと考えているうちに、隣のプレイヤーがさっと牌を捨て、ツモ牌を見てにやり。次の瞬間、リーチの声が響く。あれ、もうリーチ? まだこちらは何も形になっていないのに。 「これはまずいな…」と思いつつ、さらに数巡が進む。リーチが宣言されたあとの場は一

          【諺】場に咲かず、実も結ばず

          【短歌】 何気なき 日々のかけらに 心寄せ 知らぬ間にまた 歌が生まれる

          10月18日 麻雀打ちの歌(寒露)何気なき 日々のかけらに 心寄せ 知らぬ間にまた 歌が生まれる

          【短歌】 何気なき 日々のかけらに 心寄せ 知らぬ間にまた 歌が生まれる

          【読み切り短編】アイスと溶けた私のリーチ

          陽菜は、コンビニで買った抹茶アイスを手に、リビングのソファに沈み込んだ。バイトが終わり、明日は休み。お風呂は後回しでいい。今は少し麻雀をして頭をリセットしよう。 オンライン麻雀「雀魂」にログインすると、彩夏と健太がすでに待機していた。ディスコードの通話画面も開き、いつもの雑談が始まる。 「今日もお疲れ様、陽菜。バイトどうだった?」健太が軽く尋ねてくる。 「まあまあ。でも足パンパン」と、陽菜は笑いながら答える。 「バイト終わりに麻雀とか、もはや麻雀愛だよね」と彩夏が茶化

          【読み切り短編】アイスと溶けた私のリーチ

          【読み切り短編】天涯の雀

          雀荘「無頼」。タケルは、またいつものように、静かに牌を転がしていた。周りの男たちは勝負に熱を上げているが、タケルだけはいつものようにそこに座っているだけだ。酒の味も麻雀の流れも、もう何もかもが淡白に感じられる。彼がここにいる理由は、もはやそれを考えることさえ忘れてしまったからだ。 「おい、タケル。今夜はどうだ?」誰かが聞いてくる。 タケルは牌を持ち上げ、煙草を咥えたまま答えた。「どうもこうもねえよ。やってりゃ終わる。それで十分さ。」 彼は牌を手のひらで弄びながら、タバコ

          【読み切り短編】天涯の雀

          【諺】踊るリーチに、水かけロン

          リーチの瞬間、それは麻雀における頂点の一つだ。長く苦しい道を通り抜け、ついに和了が見えてくる。手配が整った時、勝利への道は開け、「リーチ」という声が自信をもって卓上に響く。まるでステージに立つダンサーのように、私は堂々とリーチを宣言し、次の瞬間の勝利を確信していた。 だが、その高揚感が一瞬にして打ち砕かれるとは、この時の私は知る由もなかった。 「ロン。」 その一言が放たれた瞬間、まるで冷水をぶっかけられたかのように、期待は一気に消え失せた。驚きに目を見張る私を前に、Bさ

          【諺】踊るリーチに、水かけロン

          【短歌】 振り込みて 静寂の夜に 涙落つ 牌の世界に もしもなどなし

          10月16日 麻雀打ちの歌(寒露) 振り込みて 静寂の夜に 涙落つ 牌の世界に もしもなどなし

          【短歌】 振り込みて 静寂の夜に 涙落つ 牌の世界に もしもなどなし

          【短編小説】ツモ神様 第1話:「風の行方」

          夜の雀荘「月影」。石川は仕事を終えて、いつものように店の扉を押した。中小企業のITサポート職に就き、日々の生活は安定している。しかし、石川の心の奥底には、常に拭いきれない不安が漂っていた。 「俺の人生、これで良いのか?」 石川は、何度もこの問いを心の中で反芻していた。選択肢がなかったわけではない。しかし、時代の波、世間の風潮、そして自分の選んできた「選ばざるを得ない」決断たち。彼の人生はいつも、流れに押し流されるように進んでいた。 店内のテレビ画面には、Mリーグの試合が

          【短編小説】ツモ神様 第1話:「風の行方」

          【諺】為すべきを為せ、牌は変わらず

          麻雀卓が静かにそこにある。四つの角を囲むように置かれた椅子、無言で揃う牌たち、そしてあの特有の場の匂い。それはいつでも変わらず、俺を待っている。しかし、卓に座るには準備がある。それは決して牌をシャッフルすることや点棒を数えることではない。もっと根本的な「準備」、それは心の準備だ。 「為すべきを為せ、牌は変わらず。」 この言葉が今、重く響く。先ほど友人たちから麻雀の誘いが来た。いつもなら喜んで応じるところだが、今日は違う。目の前には締め切りを前にした仕事の山が、デスクの上に積

          【諺】為すべきを為せ、牌は変わらず

          【諺】ハズレくじの大当たり

          麻雀は面白いゲームだ。普段なら、牌を見ながら静かに計算を重ね、手筋を読んで淡々と進めていく。だが、今日は何かが違った。いつも通り手を組み、リーチをかけたはずだった。だが、気づけば――振り込んでいた。しかも国士無双に。 「ハズレくじの大当たりか…。」 口に出してみると、なんだか納得してしまう。思えば、こんなことは滅多にない。あの手に振り込むなんて、まさに宝くじでハズレを引き当てるようなものだ。こんなことが起こるのは、年に一度、いや、それより少ないかもしれない。 対面の彼は

          【諺】ハズレくじの大当たり

          【短歌】 確信を 胸に抱きて リーチする 見誤りたる 牌の重たさ

          10月15日 麻雀打ちの歌(寒露)確信を 胸に抱きて リーチする 見誤りたる 牌の重たさ

          【短歌】 確信を 胸に抱きて リーチする 見誤りたる 牌の重たさ

          【短歌】 卓囲み 勝ち負け語る 声聞こゆ 迷いがなければ つまらぬだろう

          10月14日 麻雀打ちの歌(寒露)卓囲み 勝ち負け語る 声聞こゆ 迷いがなければ つまらぬだろう

          【短歌】 卓囲み 勝ち負け語る 声聞こゆ 迷いがなければ つまらぬだろう