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「スイカの憧れ」ー毎週ショートショートnote 参加作品

北海道 当麻産スイカは「でんすけ」と
呼ばれている。
このスイカには「S太郎伝説」が残っている
でんすけスイカのS太郎は
北国の碧空の下で、育つた。
黒いフェースが自慢
 育て主のおじいさんは、S太郎の顔を
ピッカリと磨く。
ある日、S太郎はおじいさんに
「ボク スイカじゃなくて、メロンに
なりたいんだよ。薄緑のベールを纏った
メロンになりたい」と話した
 おじいさんは、首をかしげてしばらく
考えていた
「そうだ! 願望寺の野菜の神様に
お願いしてみよう」」
早速 S太郎はお願いにいった
「神様 ボク メロンになりたいんです
どうぞ 願いをかなえてください」
七日七晩 S太郎は祈り続けた
八日目の夜、神様は夢の中で
お告げをつげた
「S太郎 これから
七日間 すべての生き物に優しく
接することが、できたらお前の
願いをかなえてあげよう」
 それからS太郎は誰にも
優しく接した。
 旅に 疲れた燕には
葉で 休憩所を作ってやった。
 つるつる滑って登れない
カマキリの赤ちゃんには
弦を差し出して 登らせてやる。
 熱さにハアハア言っている
キタキツネの子供には 甘い汁を
飲ませてやる。
 ある時、ガマガエルがやってきて、
S太郎をペロリンと舐めた
「ちょっと 辞めてくれよ
お前の汚い舌で、舐めないでくれよ。
いぼいぼの醜い顔で、ボクの
側に来ないでくれ!」
カエルは寂しそうにかえって行った。
 七日間が過ぎ、八日目の朝 おじいさんは
腰を 抜かしそうなくらい驚いた。
 S太郎は薄緑の奇麗なメロンに変わっていた。
まだ少しだけ黒いところもあったが
見たこともないような 大きな
見事なメロンが誕生した。
 この噂はたちまち近隣の村にまで
広がり、地主さんや沢山の人がS太郎メロンを
見にやってきた。
「おじいさん 是非 わしに
このメロンを譲っておくれでは
ないかい? 近く結婚する
娘の 結婚式で 皆に披露したい」
おじいさんは 地主さんの頼みを聞き入れた。
S太郎は、鏡みたいに
磨き上げられて 式場の真ん中に鎮座
 新郎、新婦が二人で 包丁を入れて
メロンを二つにきる。芳醇な香りが
会場にあふれる。
 そのとき新婦が 気づいた
「あっ!! このメロン 全部が
メロンじゃあない。 ほんの一部スイカが
残ってる!! 何よこれ!!」
切り口 全部が緑色のはずなのに、
あかい部分がポッンと残ってた。
 地主の顔はたちまちスイカより赤い
色になり、怒り心頭になった。
 それ以来、この村のスイカは、
ほかの村のスイカより
濃い朱色になったといわれている

たらはかにさんの毎週ショートショートnote 参加作品です
どうぞよろしくお願いいたします

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これからも お心をなごますような作品を投稿して
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立山 剣
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