どん底なう
私は、チャウ・シンチー監督の映画が好きだ。ピンチをチャンスに変える展開を描かせたら世界一だと思う。
『少林サッカー』や『カンフーハッスル』といった彼の映画には必ず、絶望的な状況に陥った登場人物が吹っ切れて眠っていた力が覚醒する展開が必ずと言っていいほど描かれてる。観たことない人は、せめて『少林サッカー』だけでも観てほしい。ブッ飛んだドエンタメで、面白さは保証付きだ。
家にあった彼の映画のDVDを繰り返し観るたびに、そういったバトル漫画的な王道の展開に励まされてきた。
また、こういった「災い転じて福となす」、つまり、ピンチがチャンスに変わる不思議な実体験はよく聞く。
木村秋則さんというリンゴ農家がいるのだが、彼は無農薬のリンゴを開発しようと模索したところ、度々害虫による不作が続き、10年ほど妻子を巻き込む極貧生活を強いられ、たまらなくなって山に行って首つり自殺を試みたことがあった。
しかし、そこで胡桃の木の周辺の土には虫が一匹もいないことに気づき、それが枯れ葉や土の絶妙な配合が生んだ柔らかい土によるものだと仮説を立て、それから更に試行錯誤を繰り返したら奇跡的に無農薬のリンゴを開発し、商品化することができた。これは世界初の事例である。
これらの話は、『奇跡のリンゴ』として書籍化され、映画化もされている。
まさに、一念岩をも通す。九死に一生を得る。木村さんは、究極のギリギリの状況で逆転することができた。
実際、私も今までの人生を振り返ってみても、追いつめられてるときにとっさにとった行動に助けられたことも多いし、くすぶってるときに得た学びや悟りも今でも役に立ってる。
社不こじらせてニートをやってた時に自分の卑小さと認知のゆがみに気づいたし、半日中、本屋で色んな活字に触れたことで見聞が多少は広まった。そして、偶然家で見つけたモデルガンを勝手に売ったら9000円になったものの、1パチで全部使いきって、自分に腹が立って清掃のバイトから社会復帰し、後に貴金属買取店の正社員にもなれた。
※詳しくはこちらを参照されたし。
社会復帰できたのはいいが、再び仕事にあぶれてしまったあとはあまりにも決断が裏目に出ることが多かったため、低迷期と割り切ってモラトリアムを楽しんでた。こうやってnoteを立ち上げたり、家計簿をつけ始めたり、新たな習慣も増えた。3年間寝そべり族の生活が続いてて現在進行形でくすぶってるが、諦めずに就職活動していたら定職が見つかった。
そして、今、銀行の残高が9円。(ガチのマジ)
先月は9万あったのに1万分の1まで減ってしまった。どうしてこうなった。来月末から新しい仕事が始まって最低でも20万円は蓄えて新生活に備えないといけないのにどうする。
真人間じゃないので、こういった感じで未だに色々と懲りてない部分もあるけど、スクラップ&ビルドで曲がりなりにもゆっくり進化してる。
喜劇俳優のチャップリンが言ってた、「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」という至言の意味も今なら何となくわかる気がする。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」に近いかも。超絶ピンチに陥ってる時は人生リセットすることばかり頭がよぎるが、そんなの大局的に見たら取るに足らない問題だということだろう。まあ、心の傷が深く残ったりすることもあるから無理にポジティブになる必要はないが。
だから、残高が9円で、仕事が閑散期すぎて収入が不安定でその日暮らしになってしまった今この状況でも、案外どうにかなるかもしれない。いや、こういうときこそ覚醒して、むしろ眠っていた才能が見つかるかもしれない。未来予知でロトの番号を透視できる能力とか、食べれる野草を感知できる能力とかそんな。
以上、絶不調が続いて発狂寸前の自分を無理矢理励ます記事でした。皆にも幸あれ。
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