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【読書記録】汚れた手をそこで拭かない


芦沢央先生の本に最近ハマっている。

「火のないところに煙は」から入ったのだが、読んでいるだけで引き込まれる力があった。

今回読んだ本は引き込まれはするもののD◯sonのような吸引力で引き込まれるものがなかった。

「汚れた手をそこで拭かない」から「火のないところに煙は」を出すまでに、一体どれほどの努力を重ねられたのかと脱帽した。

現実世界と乖離した話ではなく、やけに生々しさを感じさせる話が多いと思う。

じっとり、べったり夏にクーラーをつけずに和室で汗をかいているような(今やると熱中症まっしぐらだが)不快感。

今回読んだ作品は過去の作品だが、当時ニュースになっていた「プールの水を出しっぱなしにしてしまった小学校教諭が賠償金を支払うことになった」話など、実際にあった話や、誰もが一度は似たような状況を経験したりしかけた、またはいつしてもおかしくないような話が揃っている。

「なんだか身に覚えがあるように感じる」

「こんな話、よくあることじゃない」

「ニュースで昨日も見たような話よね」

不快感が襲う。しかし読むのをやめられない。

良い作家が出てきたなあと思う。

まだ「許されようとは思いません」を読んでいないのでそちらも近々読みたい

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