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夢を見る様に見慣れた風景1321日

雲一つないから寒く感じる冬の朝

田んぼの真ん中を走る

太陽も寝ぼけ眼でのぼりたて

家族よりも長い付き合いの太陽との関係は

いつまでたっても縮まる事もなく

互いに気が向くときだけ

目を合わせるような関係性

夢を見る様に眺める見慣れた風景でも

季節が変われば受ける印象も変わる

冬の朝は寒くて歯がかちかちと勝手に鳴りだすが

次第に体が温まってくるに従い収まっていく

枯れ木の様に立ち並ぶ電柱

電線に停まって羽を休ませているスズメたち

どこに向かって旅立つのか

僕は興味があるが話しかければ

きっと何も言わずに彼らは

どこかに飛んでいってしまうだろうから

そうなると話しかけたのが寂しくなる

何も聞かない

僕は黙ってその場を後にする

冷たい空気の中で悴む指先を

もう片方の手で揉みながら

温めながらいつものように

律儀にまっすぐに走っていく

行く当てはないが走っているだけで

満たされていくのは不思議な感覚だ

冬の朝の太陽が背中に

ふんわりとのしかかってくるのが心地よい

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